異世界転生アニメのような記事タイトルから失礼します。
毎夜のごとく『朝起きたら転生してねーかな』と淡い期待を抱きながら床に着くも、いざグッモーニンして目に入ってくるのはいつだって見知らぬ天井──ではなく、見慣れた天井。
手に入ったものと言えば、チート能力──ではなく、ニート生活。どうせ引き籠るならダンジョンがよかったぜ、ちくしょう!
残念ながら、現代のいかなる技術を以てしても異世界への転生は不可能なようなので、諦めて現世で徳を積むことにします。人生が詰む前に。
もう一年遊べるドン!
実家に帰ってきて、約4年が経ちます。つまり、かれこれ1,500日ほどは自室で自失しながら自発的に自粛していることになります。
すでに『もう一年遊べるドン!』という冗談を真顔で言えてしまうぐらいには精神面に深刻なダメージを抱えており、加えて、29歳・独身・実家暮らし・ひきこもり・ニート・うつ病というフルコンボだドン!
日課といえば、夢現状態での朝のデンジャラス散歩、刑務作業の罪滅ぼしクッキング、そして、寝る前のどうしてこうなった体操の3つ。
いや、本当にどうしてこうなった。
マイアヒストリー
この男、一体どこから道を踏み外してしまったのか?
その謎を解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かった──。
- 序幕:宗教による15年間もの呪縛と3年間のいじめ
- 第二幕:7年間バンドマンとして活動
- 第三幕:華麗なるプロブロガーへの転身
- 第四幕:親しい友人3人のタヒ。自転車日本一周旅行
- 第五幕:フィリピン移住後、ツアー会社を起業。後に567で倒産
- 第六幕:アメリカ大陸横断。タイムズスクエアで年越し
- 終幕:実家暮らしひきこもりニートPTSDうつ病
- カーテンコール:みなさんと同じ大地を歩いてすいません
──まさにジェットコースター、否ッ!! 雄犬の放尿が如く、綺麗な放物線を描いたような人生ッッ?!!!
生まれてこの方、道を外れっぱなしです。いわゆる"普通"と呼ばれる人生とは程遠いマイライフ。だが、それがいい。
最近では『29年間の人生でこれらすべてを経験できたと思えば、それはむしろ美味しいことなのでは?』とさえ感じるようになりました。これまでの人生、悲劇ではなく喜劇であったと思えば乗り切れる。
心身の状態は10段階中5〜6相当まで回復
幸い、PTSDとうつ病に関しては、約1年半に渡る薬物治療とカウンセリングによって症状の9割ほどは改善しました。
しかし、未だに『生まれ変わるなら私はノミになりたい』と思う日が不定期にコンニチハしてきますし、過敏性胃腸症候群(IBS)という慢性疾患──端的に言えば、腹痛魔人と化す病──を抱えているため、外出が非常に困難な状況です。
体質も大きく変わってしまい、かつての好物であったアルコールやカフェインの類も受け付けない身体になってしまいました(胃腸が平静を保っていられるギリギリのラインは森永製菓の合法ココア)。
とはいえ、2023年に入り、再びPTSDとうつ病と思しき症状──抑うつ、悪夢、中途覚醒、思考力の低下など──が出始めてきたので、今年も養生マンになりそうです。
早くこの腐った脳と内臓を機械化して、バグに塗れた肉体を焼却場に放り投げた後、メタバースを漂う概念になりたい。
"少数派"であることを自覚した、2021年の夏
うつ病とPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)のカウンセリングを続けていくうちに、自分が"圧倒的な少数派"であることを少しずつ自覚していきました。
今までの人生経験はもちろん、考えや思考、行動の傾向にいたるまで、そのどれもが"普通でない"ということに今更ながら気付いてしまったんですよね。
確かに、幼少期から常日頃"特別"でありたいという願いは抱えていたものの、いざ手に入った"特別"は思っていたものとは違っていたわけです。これを才能と呼ぶにはあまりに拙く、危うい。
普通を演じる道化に徹した幼少期
これまでの人生において、自分自身に対する評価は常に「普通」や「平凡」といったものでした。
──いや、正確に言うならば、普通であることを心の底から望んでいたのでしょう。
宗教上の"普通"という概念を強制的に押し付けられ、その"普通"さえ守っていれば叱責を受けることもなかった。だから、普通であろうとした。
しかし、その"普通"が社会では"異常"だった。いじめを受ける中で、今度は社会上の"普通"を守るように努めた。だがそれは、宗教上の"普通"ではなかった。
要するに、普通を強いられる環境に慣れてしまっていたんですね。自分に嘘をつき、騙し、取り繕い、本心を隠し、ただただ"普通"を演じる道化に徹していました。普通でさえいれば、痛みはなくなるのだと信じて。
自分事として受け止められていなかった過去
いつの間にか道化は無意識化で自動操縦を続けるようになり、気付いた頃にはすでに「自分で自分の気持ちが正しく認識できない致命的なエラー」が悪性の腫瘍のように蔓延っていました。
事実、過去の辛い体験を話すとき、それはいつもどこか他人事のようで、中には記憶がすっぽりと抜け落ちている箇所もありました。
自分が体験したことなのだと受け止めきれていないからなのか、それとも普通を演じさせることを道化に押し付けてきたからなのか──。
しかしどうやら、自分の体験を自分事に思えない、トラウマとなった出来事の周辺に記憶障害が見られる、といったものはPTSD患者にとってはポピュラーな症状だそうで。
かなり辛い作業ではあったものの、カウンセリングを重ね、自らの記憶を掘り起こしていくうちにだんだんと症状は緩和していきました。
うつ病からの人生リスタート
PTSDとうつ病の療養中は、カウンセラーからのアドバイス通り、ひたすらに休み、心の底からやりたいと思ったことだけをやるように努めました。常識的だとか、一般的だとか、世間並だとか、そういったことは一切無視して。
すでに自分が立派な社会不適合者であることは自覚できていたので、もう開き直るしかなかったんですよね。
ただでさえ、悪夢に毎夜うなされ、常日頃から罪悪感と焦燥感を抱え、タヒにたい願望と闘っているのだから、ちょっとぐらい自由に生きさせろよ、と。ちょっとぐらい楽に息をさせろよ、と。
ひきこもりじゃねえ、自室が職場なんだよ!
しかし、「好きなことをすればいい」と言われても、正直、金の問題がじわじわと精神を蝕んでいたことは事実です。
そんな中、ブログから定期的に収入が入ってきていたのはせめてもの救いでした。通院や薬代には保険が適用されるものの、カウンセリングには保険が効かなかったので。
ブログで1円でも稼げれば、それは「ひきこもり」ではなく、ただ「職場が自室なだけ」だし、「ニート」でもなくなるのです。物は言いよう。言いようによって良いように変われば、それでいい。
逆風のときこそ、高く飛べる
今にして思えば、自分が少数派であることを本当の意味で自覚した瞬間、世界が一気にひらけたように感じますね。
例えるならそう、スキーのジャンプ競技でしょうか。スキージャンプにおける逆風は、浮力を生み、選手を凧のように高く、遠く運ぶ強い味方になる。
逆風があったほうがきっと人生は面白いし、将来、自分が有名人になってインタビューを受けることになったとしても『あの頃は本当に大変だったよ──』とドラマチックに話を展開できます。
僕のような社会不適合者にとっては、順風こそが障害になり得たりするものなのです。逆風が吹いているぐらいのほうが、飛ぶのは、楽。
100万円を「好きなこと」にだけ注ぎ込んだ
どうやら僕のやる気スイッチは「極端なON」と「極端なOFF」しかないようで、療養中の1年半で100万円ほどを"好きなこと"だけに全ツッパしました。
結果的にはそれが「100万円をかけて自社商品の開発環境を整えた」と言い換えられるレベルにはなってくれたのですが、まあ、完全に後付の言い訳ですね。別に後悔はありません。
ただ、何をやっているかについては、ネットでも、リアルでも言うつもりはありません。一度でも自分のやっていることについて話してしまうと、今後も定期的に報告義務をしなければならないという強迫観念に取り憑かれてしまうのでね。
逆に言えば、それほど責任感が異常に強く、呆れるほど真面目で、インターネットの世界でも嘘をつけない不器用な人間なのです、僕ァ。
今の活動について
言える範囲でいうと、現在は4つのブログ──雑記ブログひとつ、特化ブログふたつ、ECサイトひとつ──の運営が主な活動です。
内、今でもきちんとメンテナンスしていると言えるものはひとつですが、それでもいずれのブログにおいても定期的に収益が発生しているのは本当にありがたい限り。
今はブログ関連の作業は一旦お休みしており、ECサイト──自社の商品やサービスをインターネット上に置いた独自運営のウェブサイトで販売するサイトのこと──で取り扱っている自社商品のクオリティを上げることにのみ心血を注いでいます。
とはいえ、力が分散している状態であることは確かなので、ぼちぼち断捨離を進めていきます。このブログは消さないけど。
最後に
ブログの更新がストップしている間、『もうブログ書かないんですか?』『文章が好きなので、またブログ書いてください』といった趣旨のメッセージがいくつも届いていました。
まさか自分の文章を心待ちにしている方がいらっしゃるとは露ほどにも思わなかったので、奇声を発しながら着ている服をビリビリに破いてしまいそうになるほど嬉しかったです。
しかしながら、そういった方々が一体どの記事を読んで『こいつ面白いやん』と思っていただいたかは不明であるため、今後もご希望に添える記事を執筆できるかは分かりません。
今更、日本中を自転車で駆け回るバイタリティは発揮できそうにもありませんし、ぬいぐるみを使った呪術もとい降霊術を実行する度胸もなくなってしまいました。
僕にできることと言えば、ただひたすらにゴミクズ以下の言葉を紡ぎ、時折きらりと光るゴミクズを『見て! 僕の自信作のゴミクズ、見て!』とご報告させていただくことのみです。
現場からは以上です。