夢のコントロールに興味を持ち、自分なりに調べて訓練をしていった結果、約1年をかけて夢を自由自在に操れるようになった時期がありました。
いまは「あちらの世界(=夢世界)」からアクセス禁止令を受け、いっさい夢世界にログインすることができません。精神的にもデメリットが多いので、夢のコントロールは完全にやめました。
今回は「夢を自由自在に操れるようになったものの、やりたい放題やってたら追い出された」という話をしていきます。
夢のコントロールを極めるまで
僕がオカルトにハマっていたころ、以下のようなことに夢中になっていました。
そしてついに興味の矛先は「夢」へと移行し、夢のコントロールの研究に没頭する日々が続きます。
インターネットで情報収集をし、ひたすら実験を繰り返し、結果を考察し、さらに研究を重ねる──。
試行錯誤の末、約半年で夢のほとんどをコントロールできるようになりました。
自分の意思で明晰夢と幽体離脱を切り替えたり、物体や建物、人間を召喚したり、空を飛んだり、水中で呼吸をしたり、頭で考えられることならばそのほとんどが可能でしたね。
別記事では明晰夢と幽体離脱の違いについても書いています。
夢のコントロール初期では幽体離脱が多かった
「夢コン(夢のコントロールの略)駆け出し」のころは幽体離脱の割合が多かったですね。
自分の部屋でそのまま目が覚め、金縛り状態から体外へ離脱。しばらくの間はドアノブも開けられないため、部屋を出ることができませんでした。
何度もそのシチュエーションを繰り返すことで、壁抜け、飛行まで経験することができました。
その他、知らない人の家に入ってみたり、自分の体からどれほど離れられるかを試してみたり、はたまた火星に行ってみたり。
もちろん、慣れたころには幽体離脱状態から明晰夢へ移行することも可能──逆も然り──でした。
もっとも得意だった明のは晰夢
僕がもっとも得意としていたものが明晰夢です。
壁抜けや飛行はもちろんのこと、手からビーム、サイコキネシス、召喚魔法、瞬間移動、ハッキング、物の生成など、頭で考えられることなら本当になんでもできました。
しかし、どうしてもできなかったことが未来へ行くことでした。おそらく、頭の中で構築できないことは再現不可能なのでしょう。
夢に変化が訪れる
最初のうちは幽体離脱や明晰夢を楽しんでいたのですが、あるとき──夢のコントロールをはじめて約1年後──から夢に変化が訪れました。
それは、いままで一貫性のなかった夢に、つながりが見えてきたことでした。
現実世界では一度も話したことがない同級生と夢の中では親友であったり、最寄りの駅が改築されていたり、まるでそこには「もうひとうの世界」が広がっているように感じたのです。
「あっちの世界」との出会い
決まって「その世界の夢(※以降は便宜上「夢世界」と呼称)」を見るときは、夢に入った瞬間にわかるんですよね。『あ、またこの世界か』という具合に。
夢のコントロールを重ねるうちに、夢世界にいることが多くなっていったんですよね。買い物をしたり、遊んだり、出かけたり、探検したり、学校に行ったり、ラーメンを食べたり、本当にいろいろなことをしました。
ニュースなどもリアルで、事件の報道もするし、天気予報もやるんですよ。夢の中ということが信じられないほどリアルな世界がそこには広がっていたんです。
僕はその世界を「夢世界」と勝手に名付け、その日からマップ作りを始めました。
※夢世界にいる間は、できるだけ超能力などは使いませんでした。使えなかったというより、あまりに現実の世界に近く、気が引けたのです。
マップ作りをしていくことでわかったこと
夢世界はとてつもない広さを持っていました。神社や山、学校、駅、電車、スーパー、ガソリンスタンド、民家、道路など──。現実の世界と同じぐらい広大でした。
しかし、電車で移動するときは止まる駅がだいたい決まっていたり、移動範囲もある程度制限があったように感じますね。
夢世界に行くたびにあちこちを歩き回るのですが、やはりどう考えても同じ世界の夢──夢同士がつながった世界──のようでした。人も、地理関係もそのままでしたからね。
駅の作りに驚いた
駅の作りも現実世界とは異なっていました。駅の中のトイレがすごく広かったり、本来ホームの1mほど下にあるはずの線路が地面に剥き出しになっていたりしました。
電車が来るときは線路の両側に鉄製の壁のようなものが現れて人の安全を守っていましたね。
改札を通るときも切符は必要なく、手をかざすと自動でお金が口座から引き落とされる仕組みになっていて感心しました。
おそらくは腕にチップが搭載されている、もしくはそれに近いものが印字されているのだと思います。近未来ですねえ。
きさらぎ駅
少し怖かったのがきさらぎ駅があったことですね。
オカルト好きの方ならご存知でしょうが、きさらぎ駅は実在しない駅の名前で、ここに迷い込んだ人は二度と帰ってこれない
1という都市伝説です。
僕が夢の中で見た「きさらぎ駅」はホームの幅が1mほどしかない狭い駅で、駅の名前はそのまま「きさらぎ駅」となっていました。
前後の駅名は忘れてしまいました──たしかどちらも平仮名だった──が、何匹かの猫が民家から顔を覗かせていたり、人も電車から何人か降りて行ったので普通の駅という印象でしたね。
車窓からちらりと見えたのは、駅の片隅に赤いペンキのようなもので書かれた「鬼」の文字です。怖かったので僕は駅から降りませんでしたが。
パートナーとの出会い
幽体離脱のまとめスレでは、幽体離脱をした世界には『パートナー』が存在するといわれています。ガイドや守護霊と呼ぶ人もいるかもしれません。
僕がパートナーと思しき女の子と出会ったのは、夢同士がつながりはじめてから約3ヶ月ほどあとのことでした。
夢の中で超能力で遊んでいると、ふと変な空間に強制的に飛ばされ、パートナーに出会いました。
高さ20mほどの白金の塔のようなオブジェがふたつ建っているだけの真っ白な空間で、彼女はその塔のてっぺんに座っていました。
彼女の第一声は「なんでここにいるの?」でした。その子曰く、
『「夢世界」は仮の姿であって、本当の世界──夢の中での──はまた別にある。それに、あなたのような存在がこの場所にいるのはありえない』
とのことです。
後ほど解説しますが、僕とパートナーが出会ったのは「天界」と呼ばれる世界の入り口でした。
天界は、夢世界の中での真の世界(真の夢世界)の天空に位置する、神(?)のような存在が暮らしている世界。
天界に住む神々は「羅針盤」と呼ばれる装置(?)を使って、現実の世界と夢世界の均衡を保っているのだとか。
【異変】現実世界と夢世界の区別がつかなくなってくる
夢世界の夢を見始めてから、だんだんとどちらが本当の現実世界なのかわからなくなってきました。
つまりは「現実世界だと思っている世界が実は偽物で、夢の世界が本当の世界なのでは」と思ってしまうようになり、現実世界にいるときも夢を見ているような感覚が抜けきらなかったんですよね。
脳に薄い膜が一枚張られているような、ガラス越しに自分が演じているドラマを自分自身で眺めているような、そんな感覚が瞬間的に訪れるんです。超怖かったね。
夢世界まとめ
パートナーから得た情報をまとめると、以下のようになります。
- 夢世界:夢同士が地続きになっている、僕が「夢」と認識している世界
- パートナーがいう本当の世界:夢世界の中での真の世界(真の夢世界)
- パートナーがいる謎の場所:真の夢世界の天空に位置する神(?)しか入れない場所
- 現実世界:夢世界の平行世界
- 夢世界は現実世界と真反対に位置する世界
- 夢世界(夢)に人を迷い込ませてエネルギーを抽出。そのパワーで夢世界と真の夢世界は成り立っている
- そのパワーを過剰に取り出し、兵器や超能力を持った存在を生み出している組織がいる
- パートナーの女の子を含むレジスタンス集団は、組織の目的を阻止し、世界の均衡を取り戻したい
組織の目的は、こちら側──つまり現実世界に来ることです。
ただ、そのためには莫大なパワーが必要であり、たくさんの人を「夢世界」に呼び込む必要があるらしいんですね。
組織は、夢世界と真の夢世界の狭間にある大森林に大きな工場を作り、そこから人の夢のパワーを不法に吸い取り、一箇所に集めている最中なんだとか。
超能力は夢世界でもイレギュラー
僕はその話を聞き、組織との闘いに協力を申し出たのですが、パートナーに猛烈に拒否されてしまいました。
しかし、超能力を見せるとパートナーの表情が一変。どうやら超能力は夢世界でもイレギュラーなことらしいです。夢の中とはいえ、超能力を練習しておいてよかったですね。
てっきりパートナーは超能力が使えると思っていたので驚きました。
その後は、数ヶ月──現実世界で換算すると──かけてパートナーに飛行や瞬間移動、サイコキネシスといった超能力をレクチャーしていきました。夢の世界の住人だからか、覚えが早かったです──という仮説。
組織との戦争がはじまる
僕とパートナーはレジスタンス集団と合流し、組織が作ったとされる兵器工場やチート戦闘員(超能力者)と戦ったり、巨人と戦ったり、まさに戦争状態でした。
僕が夢世界にいないときにパートナーが仲間に超能力を教えていたようで、レジスタンス集団もいつの間にか化け物揃いになっていました。
敵アジトの壊滅作戦決行日
ついに組織アジト強襲の決行日が訪れます。僕の透視能力で敵のアジトを突き止め、パートナーと僕のふたりを筆頭に敵組織のアジト(大森林にある大きな工場)の壊滅作戦が開始されました。
工場がある夢世界と真の夢世界の間は、まるで逢魔が時のように紫がかった奇妙な空色でしたね。
滑空し、飛んでくる砲弾をかわしながら、*1指パッチンで大爆発を引き起こし、敵アジトの砲台を破壊しながらぐんぐんと進行──。
到着した敵のアジト──工場──は、駅にあるデパートのような造りになっていました。
↑敵組織のエージェントのイメージ。『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造に似ている。(C)藤子スタジオ/笑ゥせぇるすまんNEW製作委員会
中には『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造のようなエージェントがたくさんいて、現実の世界の人間から奪っている「夢のパワー」と思しき無数の「ヒョウタンツギ」のような塊をせっせとレールに乗せて運んでいました。
ヒョウタンツギ(=夢のパワー)は「どこでもドア」のような形をした50cmほどの正方形の出口からどこかへ移動させられており、その先は「夢のパワー」を溜めておくタンクとつながっているようでしたね。
↑夢のパワーと思われる謎の物体。どこでもドアを経由し、貯蔵タンクへと送られている。https://tezukaosamu.net/jp/character/616.html
夢世界を追い出されるまで
超能力が封じられる
敵のアジトに突入後──。
「さあ、破壊の限りを尽くしましょうか」
と、手をかざしてみるもなぜか超能力が発動しない。僕以外は使えているのに。僕だけが使えない。
現実世界へ強制送還
超能力が使えずにあたふたしていると、もしゃもしゃと喪黒福造が周りに集まってきて担がれてしまいました。
『なんで○○(聞き取れない)がいるんだ』『出ていけ』『追い出せ』などと呟かれながら、僕は「どこでもドア」に投げ入れられてしまったのです。
喪黒によってドアに放り込まれる直前、
「大丈夫。あとは任せて」
とパートナーが叫んでいたのを鮮明に覚えています。穴の中に落ちながらバタンとどこでもドアの扉が閉まり、次に目が醒めると、そこはなにもかわらない自分の部屋でした。
夢世界へのアクセス禁止令が発令
それからというもの、夢世界に行くことがいっさい不可能になりました。
たまに「夢世界かな?」と思う夢はありますが、よく内容を覚えていられません。たとえ運よく夢世界に入れたとしても、真の夢世界までは入れずじまい。
【異変再び】夢のコントロール術の封印
夢世界への進入禁止程度ならまだしも、明晰夢および幽体離脱さえ困難になりました。
つまり、敵アジト襲撃以来、僕は夢のコントロール術を失ってしまったのです。
普段は金縛りの状態から明晰夢、もしくは幽体離脱を実行するのですが、そのときに「異変」を感じるようになってしまったんですよね。
その異変というのが「金縛り状態になると尻が猛烈にくすぐったくなる」というもの。そう、あれは完全にウォシュレットの感覚。
ほぼ百発百中、100%に近い確率でそれは起きます。そのため集中することができず、夢をコントロールすることができなくなってしまったんですね。
まれに幽体離脱はできるものの、自分ではコントロール不可能で、ものすごい速さで空をぶっ飛び、宇宙空間と思われる暗闇に放り込まれ、そのまま成す術なく地面に叩きつけられます。
何も楽しくないし、怖いし、非常に困る。
まとめ
以上、僕が夢を自由にコントロールできるようになって、夢世界から追い出されるまでの話でした。いわば夢へのアクセス禁止令ですね。喪黒福造が原因なのかはわかりませんが。
おそらく、また夢日記を書きはじめれば夢を操ることは可能になると思います。
ただ、精神的にも身体的にもデメリットが多いのでやりません。パートナーにもう一度会いたいというのが本音ですが、あくまで夢の世界の話。
パートナーとはいっしょに自転車で出かけたり、授業を受けたり、買い物や遊びにも行ったりしていたので、なんだか現実の世界のようだったなあ、と今さらながら思います。
こうして現実世界では訓練期間を含め約1年半が経ち、夢のコントロール技術はロストテクノロジーと成り果ててしまったのでした。
しかしいくら夢とはいえ、ここまで広大な世界を作り出すことができる人間の脳は本当にすごいですね。
もし仮に、万が一にも夢世界なるものが本当に実在しているのだとしたら、パートナーがこの世界と夢世界とを救ってくれたのだと信じたいものです。
明晰夢や幽体離脱のスキルは失ってしまったとはいえ、夢世界の夢はもう十年以上も見続けています。パートナーに会うことはないものの、現在でも夢の世界は広がっているのです。
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