夢日記は本当に気が狂う?実際につけてみたら「もろはのつるぎ」だった

夢日記──それは、自分の見た夢を記録するだけの簡単なオシゴト。

危険性の種類に若干の違いはあるものの、ある意味ひとりかくれんぼよりも危険だと僕は思っています。

ただし、長期間にわたって夢日記を書き続けなければ、大きな問題に発展する可能性は低いでしょう。

記事内にて「夢日記の書き方」の詳細が掲載されてますが、あくまで「夢日記の危険性を身をもって体験していただく目的のため」のものです。

実行は自己責任でお願いします。異変を感じたらすぐに中断してください。

今回の記事では、夢日記の書き方、実際に夢日記を書き続けて起きたこと、夢日記の危険性、夢日記の可能性についてまとめています。

夢日記とは?

机に積まれた本と開かれたノート

夢日記とは、自分の見た夢を記録しておくことです。そのままですね。

Q.夢日記の記録方法は? A.夢を記録するだけ

夢日記を書く方法はいたって単純です。

見た夢を可能な範囲で詳細に思い出し、紙などに記録する。

たったこれだけ。

①まずはメモを用意する

就寝前にベッドの脇など、手がすぐに届く範囲に「夢を記録することができるもの」を置いておきます。

脳はちょっとした刺激でも夢を忘れてしまうため、可能であればスマートフォンではなくアナログなメモ帳がおすすめです。僕はコクヨのB5方眼ノートを使ってます。

②できるだけ夢の詳細を思い出して記録する

目が覚めたら、すぐに見た夢を記録します。

このときの書き方は自由。箇条書き、イラスト、単語のみでもOK。可能な限り、夢の情報を書き出していきます。

まったく内容を覚えていなくても焦らずに、まずは夢の内容を少しでも思い出そうとしてください。

色・風景・言葉・感触・感情・場所・人・もの・イメージ、なんでもいいです。思い出そうとする行為そのものが大事です。

夢日記を書くことで得られる3つのメリット

夢日記を書くことで得られるメリットは3つあります。

①明晰夢・幽体離脱の成功率があがる

夢日記を書くことで、明晰夢、および幽体離脱の成功確率がぐんと上がります。

夢に入る瞬間がなんとなくつかめるようになったり、夢の内容を細かく覚えていられるようになったりと、夢に関する感覚的な部分が非常に敏感になります。

結果的に夢のコントロールがしやすくなり、明晰夢や幽体離脱の助けになるわけですね。

②夢を複数覚えていることが可能になる

寝ている間に夢を見てたとしても、起きたあとに夢を覚えていなければ何の意味もありません。

少ないときは1~2つほどの夢しか覚えていることができませんが、夢日記を書き続けていくと最大4~6つほどの夢を別々に記憶しておくことができます。

これは上記で説明した通り、夢に関する感覚的な部分が非常に敏感になっていることと深く関係しています。

具体的に夢の内容を思い出そうとすることで、脳に記憶する意思が働き、より夢が鮮明化して内容も充実していくんですね。

潜在意識(無意識)とのパイプが深まる、といったイメージでしょうか。

③感覚が研ぎ澄まされる

夢の具体的なイメージや内容を思い出し、書き出す──。

一連の行動によって脳が発達していき、記憶力・速読力・観察力・判断力・集中力・直感力などの能力が向上するといわれています。

記憶術や速読術を応用することで、受験や資格の勉強にも役立つという話もありますね。科学的根拠や論文などは確認できていませんが。

僕も実生活の中で能力向上を実感した場面が多々ありますが、夢日記のおかげだとは言い切れないというのが正直なところです。

夢日記の7つの危険性について

舌を出している蛇

ここでは「夢日記を書き続けた結果どういったことが起き、どのような危険性が潜んでいるのか?」をまとめています。

夢日記に関する7つの危険性についてです。

①夢と現実の区別がつかなくなる

夢日記を書き始めて2週間ぐらいすると、夢の内容をより鮮明に思い出すことが可能になってきます。

飲み込みの早い方だと、この時点で少し夢のコントロールが可能になっている場合もあります。

しかし、そのまま夢日記を1ヶ月ほど書き続けると、だんだん夢と現実の区別がつかなくなってくるんですね。

②だんだんと夢そのものがリアルになっていく

夢と現実の区別がつかなくなる原因として、まず、夢の内容がかなりリアルになっていくことが挙げられます。

家族や友人、知り合いが頻繁に登場するようになり、実在する地名、お店、テレビ番組、ニュースも出てくるようになります。

夢の中で勝手に成長し、勝手に膨れ上がっていくんです。

人物の髪型、アクセサリー、ストーリーはそれぞれ展開され、ニュースは「その世界で起きたこと」を取り上げている、と。

つまり、現実世界にだけ存在するはずのものが夢の世界に混ざり込むようになっていきます。

感触・感情・匂い・味といった五感もハッキリと現れてくるので、「目が覚めてもリアルな感覚が残っている」なんてことがたびたび起きるようになってしまうんです。

③嫌な夢でも忘れられなくなってしまう

悪夢を見てしまったとしても、その夢をなかなか忘れることができません。

思い出すだけで鳥肌が立ってしまうような内容でも、ずっと脳内に記憶され続けてしまうんです。

それは自分の大切なペットや誰かを殺してしまう夢だったり、誰かに殺される夢なども覚えてしまっているということ。

血の匂いやその質感、触れたときの温かさ、人の首を絞める感触などなど、夢とは思えないようなほどリアルなんですよ。

今までで一番強烈だったのは、自分の身体中に小さな白い葉っぱみたいなものが無数にできていて、皮膚がぐちゃぐちゃに膿んでいる夢でした。思い出すだけでもゾッとします。

④自分の感情やトラウマが露わになる

落雷の画像

「寝ているときに処理されるはずだった記憶や感情」が夢になって現れることがあります。

現実世界で受けたストレスであったり、傷ついた言動、いつもは表に出てこない感情、そういったものが夢の中で不意に姿を現わすようになっていくんです。

もちろん過去のトラウマや思い出したくない光景、それらも夢としてリアルに再現されます。

結果的に負の感情が夢に混入し、悪夢を見てしまうというわけですね。

⑤明晰夢や幽体離脱、金縛りの頻度が多くなってくる

幽体離脱をしたい人や、明晰夢を見たい人にとってはメリットにもなり得る点でしょう。

しかしこの現象を「止めたい」と思っても、急に前と同じ状態に戻ることは困難です。

僕は夢日記をやめてから7年ほど経っていますが、夢を思い出すなどの訓練をしてしまったために、今でもさまざまな問題が残っています。

未だに金縛りの頻度は週3~4ペースだし、時折、自分の意思とは関係なく幽体離脱をしてしまうことさえあります。おそらく身体や脳が感覚を覚えてしまっているんでしょうね。

ちなみにいつもの流れとしては、

「身体から意識だけずるっと抜け出し、ものすごい勢いで空の彼方にぶっ飛んだかと思えば、そのまま地面に落下」

です。これを何度も繰り返されます。しかも、尻には終始ウォシュレットを浴び続けているような感覚がしてるんですよ。どうかしてます、本当に。

⑥熟睡できなくなり、悪夢が増える

睡眠は記憶の整理といった脳の活動のため、そして身体を休めるために行うものです。

夢日記を書き、夢の記憶を脳に留めてしまうことで、脳が十分に休まらず、ダメージと疲労はだんだんと蓄積されていきます。

やがて、脳へのダメージや疲労がストレスに変化し、それに伴って心身の疲労は徐々に回復しにくくなっていくんですね。

結果的に睡眠が浅くなり、悪夢を見る頻度が高くなってしまう、と。まさに負の連鎖です。

⑦支離滅裂な言動や行動が現実世界にも現れてくる

長期間、夢日記を書き続けることで日常生活でもさまざまな現象が起きてきます。

現実の記憶が曖昧だったり、支離滅裂な言動や行動が目立ってくるようになるんです。

僕の場合は、「あれ?◯◯(友人)って結婚してタイに行ったんじゃなかったの?」などと、夢での出来事を現実世界のものとして記憶していたことがありました。

字面では伝わりにくいかと思うんですが、「現実のものであるはずの記憶が実は夢の記憶だった」というのは想像以上に恐ろしい感覚ですよ。何も信じられなくなってしまうんですから。

夢日記を書くことで、「トランス状態(変性意識状態)に入りやすくなってしまった」ことも原因のひとつだと僕は考えています。

夢日記の危険性まとめ:夢日記は負の連鎖を引き起こす

  1. 夢日記を書き続けることで夢に関する感覚が鍛えられ、より多くの夢を覚えていられるようになる
  2. 普段脳がスルーしているような負の情報が夢に現れやすくなってくる
  3. 複数の夢を覚えていられるようになるものの、インパクトの強い"悪夢の記憶"が残りやすくなる
  4. 悪夢の記憶がストレスになり、さらに熟睡できなくなる
  5. 五感を伴ったリアルな悪夢を見るようになる
  6. 夢と現実との区別がつかなくなってくる
  7. 支離滅裂な言動や行動が現実世界にも現れてくる
  8. 何かがヤバい

結論。夢日記はヤバい。

まあ、僕みたいに数年も気が狂ったように書き続けなければ、さほど心配するようなことはないです。

実際に書いていた夢日記を公開する

夢日記を書いていた手帳があったのですが、どうやら怖くなってすべて捨ててしまったようです。断言できないのは、その頃の記憶が"ちぐはぐ"だからです。夢日記ェ……。

あまり読み返したくはないのですが、20~30日分ぐらいはEvernoteに残ってたので、その中から抜粋して紹介します。

中学生のときの同級生(複数)が頻繁に出てきてます。場所や風景など、夢に一定のパターンがあるようにも感じます。

記録してあるままの文章を載せているので、かなり読みにくいかもしれません。夢日記の雰囲気だけでも感じてもらえれば幸いです。

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その直後、母親が急に黙り、周りを見渡し始める。次の瞬間、雪崩が川の向こうからやってくる。
川に沿って生えていた植木の陰に身を隠し、雪崩に埋もれないように逃げた。

夢の内容が鮮明になっている?

日が経つにつれて、夢の内容がより細かくなっていることがお分かりいただけるかと思います。

初めは数個の単語だけだった夢日記が、回数を増すごとに思い出せる量が多くなっていくんです。

この日記のあとのページには、普通の日記のような文章が3,000字ほどずらーっと綴られていました。

その内容は「夢と現実の区別がつかなくなる瞬間が度々ある」というもの。

夢と現実の記憶が混在してしまうと、異常な言動や行動につながる危険性もあります。異変を感じたらすぐに中断しましょう。

ああ。そしてどうやら、記録した夢日記を読み返すことで少なからず当時の記憶が蘇ってしまうようですね。

もうこの日記を書いてから7年ほどは経っていますが、記録を見返すと今でもこれらの夢はぼんやりと思い出せてしまいます。

原因と対策とまとめ

夢日記を書き続け、明晰夢や幽体離脱、金縛りなどを自由自在にコントロールできるようになってしまうと、なかなか前の状態に戻ることはできません。

もちろん夢をコントロールするのは楽しいですが、その反面このようにデメリットも多く含んでいることをご理解ください。夢日記にしろ、明晰夢にしろ、です。

しかし、夢日記の危険性の項目でもお話しした通り、夢日記をつけることで体が十分に休まらず、普段の判断ができなくなっていく可能性もあります。

心身の異変にも気づきにくくなってしまい、結果的に何らかの問題が生じていたとしても発見が遅れてしまうこともあるでしょう。

「何だか様子がおかしいな?」と少しでも感じたら、夢日記の頻度を落とすなどの対策を取ってください。そこまでのめり込まなければ問題は起きにくいはずですからご安心を。

夢や記憶をテーマにした映画・アニメ4選

最後に夢や記憶をテーマにした作品を紹介します。

①メメント

記憶にまつわる物語です。

ある日、主人公・レナードの妻が、自宅に押し入った何者かに強姦され、殺害されてしまう。レナードは現場にいた犯人の一人を銃で撃ち殺すが、犯人の仲間に突き飛ばされそのときの外傷で、10分間しか記憶が保てない前向性健忘になってしまう。

②インセプション

僕が夢日記、幽体離脱に関して一番参考にした作品です。

主人公のドム・コブは、人の夢(潜在意識)に入り込むことでアイディアを“盗み取る”特殊な企業スパイ。そんな彼に、強大な権力を持つ大企業のトップのサイトーが仕事を依頼してきた。依頼内容はライバル会社の解体と、それを社長の息子ロバートにさせるようアイディアを“植え付ける”こと(インセプション)だった。

③マルコヴィッチの穴

人形師のクレイグと、ペットショップ店員の妻ロッテは倦怠期の夫婦。クレイグは定職に就こうと、天井が低くて立つことのできない7階と8階の間=7と1/2階にある "LesterCorp" に事務員として就職する。
ある日、クレイグはオフィスの壁に穴を発見する。それは15分間だけ俳優ジョン・ホレイショ・マルコヴィッチの頭の中につながるという不思議な穴だった。これを使い、上司の美女マキシンと共に商売を始めるが、マルコヴィッチの穴は、彼と妻ロッテの人生を大きく狂わせていくことになる。

④パプリカ

僕の好きなアニメ映画ベスト10には入るであろう、夢をテーマにした作品です。

パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。

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それでは楽しい夢ライフを。

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