言霊が持つ不思議な力って信じる?妖怪や怪異に名前を付ける理由とは

あなたは「言霊の力」を信じますか?

普段は「あれ」や「これ」や「それ」と言っているものでも、必ず「正しい名前」が存在します。

どうして人間はここまで「名前」にこだわるのでしょうか? 別に「名前がないもの」があってもいいと思いませんか?

スピリチュアルでも、オカルトでもなく、言葉には引き寄せの力があります。信じるか信じないかはあなた次第ですが、騙されたと思って「言霊」を信じてみるのもいいかもしれません。

今回は、言霊の効果使い方人が"モノ"に名前を付ける理由などを話していきます。

言霊とは?

言霊(ことだま)とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。清音の言霊(ことたま)は、森羅万象がそれによって成り立っているとされる五十音のコトタマの法則のこと。

言霊 - Wikipedia

言霊(英語:Soul of language)とは、口から発した言葉が現実世界において何らかの影響を与えるという法則、または概念のことです。

つまり、「悪い言葉は悪いことを、よい言葉はよいことを引き寄せる」というわけですね。

日本でも古くから言霊は信じられており、現在でも言霊の力を信じている人はたくさんいます。言葉に呪術的なものをこめる──とかもそう。

決定亭な科学的根拠はないものの、言葉が身体や精神に及ぼす影響はかなり大きいのは間違いないでしょう。

言霊の力と効果について

「言葉には魂が宿る」という言霊の効果は、極端に信じる人と信じない人が分かれます。信じる人はスピリチュアル好きと認識されたり、オカルト好きとして見られることもあるようですね。

引き寄せの法則とは?

「言霊」にとてもよく似た考え方に「引き寄せの法則」というものがあります。

引き寄せの法則とは、「望むか望まないかにかかわらず、考えていることが実現する」という法則です。

楽しいことを考えると楽しい思考が涌き上がり、嫌なことを考えると次々に悪い思考が浮かんでくる──。

つまり、

思考や感情には「引き寄せの法則」が作用していて、磁石のように似たものが引き寄せられる

ということです。

有名な著書だと、

などが挙げられます。

なんだかオカルトっぽい話ですが、これが案外侮れないんですよ。

「引き寄せの法則の原理」として考えられているのは、主に以下の3つです。

  1. 考えることで意識を変える
  2. 意識が変わることで行動が変わる
  3. 行動が変われば結果が変わる

これ、実は「言霊」も同じなんです。

  1. 言葉が意識を変える
  2. 意識が変わることで行動が変わる
  3. 行動が変われば結果が変わる

どちらも「潜在意識にポジティブなことや願望を刷り込むことによって、自分の行動が目標に向かいやすくなる」という原理なんですね。

妖怪や怪異に名前をつける理由とは?

文明がまだなかった頃、人間がもっとも恐れていたものは夜でした。つまり、「闇」です。

夜は、おそらく僕らが考えているよりもずっと暗く、怖いものだったでしょう。なにせ、星と月の明かりしかないわけですから。

闇に紛れて腹を空かせた肉食動物が襲ってくる危険もありますし、下手すると死にます。幽霊なんかよりもよっぽど怖い。

人類は心の底から夜の闇を恐れていたのです。得体の知れないなにかが襲ってくるんじゃないか、闇に紛れて獣が忍び寄ってきてるんじゃないか、と。

ちょっと想像しただけでも身震いがしてきませんか?

本能的な恐怖を抑制するために「名前」を与えた

人間は、「『得体の知れない何か』に対する本能的な恐怖」を抑制するために「名前」を与えていったのです。

──と、ここで疑問。

「人間に本能的な恐怖があるのは分かったけど、それがなんで『名前を与えること』につながるの?」

名前は物の本質を表す

「名前」は、物の本質を表しているのです。

「カブトムシ」は兜の虫、「突風」は突然の風、「温泉」は温かい泉、というように、名前にはその名前をつけられたものの「本質や形」が表されています。

名前を与え、それを知ることで、本質を知ることにつながり、危険をも回避しやすくなる──。

人間が恐怖を感じる一番の要因は「知らないこと」にあります。

名前さえつけてしまえば、「闇に潜んでいるかもしれないよくわからない存在」が「もう名前を知っている存在」にランクアップするわけですね。

既知の存在になることで恐怖心が薄れ、対処がしやすくなるという寸法です。

千と千尋の神隠し

もうちょっと分かりやすい例えを出してみましょう。ジブリ作品の「千と千尋の神隠し」はご存知でしょうか。

映画の冒頭部分では、主人公の千尋が「ここで働きたい」と湯屋の主・湯婆婆ゆばーばに頼み込むシーンが出てきます。

ここで千尋は湯婆婆に名前を奪われてしまい、新しく「千」という名前をつけられてしまいます。

そう、湯婆婆は「名前を奪うことで自由を奪い、千尋を支配した」のです。

同作品に登場する「ハク」も、湯婆婆に名前を奪われたひとり。ハクは自分の本当の名前を忘れてしまっていて、支配から逃れられない状況にありました。

だからこそハクは、千尋に対して「決して本当の名前を忘れるな」と忠告をしていたんですね。

夏目友人帳

同じく、アニメ「夏目友人帳」にも似たような描写があります。

夏目友人帳は、妖怪が見える少年・夏目貴志がニャンコ先生と共に妖怪たちに名前を返していく物語です。

彼の祖母・レイコの遺品の中から、妖怪を負かして奪った、たくさんの名前が書かれた契約書「友人帳」を見つけたことから物語は始まります。

作中では、妖怪の名前を知っているだけで、その妖怪を喚び出すことができます。

このことからも分かる通り、名前を奪われるということは「名前を知られる」ということであり、同時に「支配される」ということでもあるのです。

「言霊が宿る」とは?

ところで、「名前には力が宿る」とはどういうことだと思いますか?

ここで登場してくるのが「言霊」です。言霊は、言葉がすべてをつかさどる、という考え方。言霊が宿る、という表現もあります。

古来から、世界中には「言霊」という概念が存在していて、名前には力があると信じられてきました。

日本にも、古い言い伝えで似たような話がありますよね。

たとえば、「妖怪」です。

妖怪には以下のような言い伝えがあります。

「妖怪に名前を知られてしまうと呪いを受けてしまうが、反対に、妖怪の名前を知ることができれば、その妖怪を支配・使役することができる」

あれ? どこかで似たような描写を目にしたことがありませんか?

そう、悪魔祓いがテーマの映画に登場する「悪魔」ですね。悪魔祓いが、悪魔から名前を必死に聞き出そうとするのもこれが理由です。

他にも「鬼」や「天使」が挙げられます。いずれにも共通することは、「相手の名前を知ることから始まる」という点です。

同じような例として、オカルト系映画などでよく耳にする「神の御名において命ずる──」というセリフが挙げられます。

旧約聖書に登場する唯一神は「YHVH」と表記されますが、実は正しい発音は分かっていません。一般的には、「ヤハウェ(ヤハヴェ)」や「エホバ(厳密にはこの発音は誤りとされる)」と呼ばれていますが。

こちらの場合でも、本来の読み方をすることで「奇跡的な力を得られる」という伝承が存在しています。つまり、神の名には力と権威が宿っているということです。

「神の御名において命ずる──」 というのは、分かりやすく説明すると、地元のヤンキーが

「ああ? お前、◯◯さん知ってんの? 俺さ、◯◯さんにめちゃくちゃ可愛がってもらってるんだよねえ? 俺に手ェ出したらどうなるかわかってんのか、ああ?」

と言っているようなものです。ちょっと違う気もしますが、そんな感じの認識で大丈夫です。

要するに、「力と権威を持った存在の名前を出すことで、一時的にその力と権威を借りている」のです。

ここまでのまとめ

ここまでの話で、「名前は物の本質を表している」ということ、「名前が持つ支配の力」について、「名前には力が宿る」ということがなんとなく理解していただけたかと思います。

  • 人間が恐怖を感じる一番の要因は「知らないこと」
  • 名前を付け、既知の存在にすることで恐怖心が薄れ、対処がしやすくなる
  • 古来から世界中で「名前を知られること=支配されること」という概念が存在していた
  • 名前には力(言霊)があり、同時に、名前には力と権威が宿る

上記のものはすべて「名前がないとできないこと」なのです。だからこそ、人間はあらゆる物や現象に名前を付けてきたんですね。

「ひとりかくれんぼ」ではぬいぐるみに名前を付ける

ひとりかくれんぼという降霊術には、「ぬいぐるみに名前を付ける」という手順が含まれています。

ひとりかくれんぼは、人形ぬいぐるみと「かくれんぼ」をするという遊びなのですが、かんれんぼでは必然的に相手の名前を呼ぶことになります。そのためには、呼ぶための「名前」が必要ですよね。

でも、名前を付ける行為は、それだけが理由ではないのです。

名前は物の本質を表し、同時に、言霊の力と支配する力を持っています。その「名前」をぬいぐるみに付けるんです。

それに加えて、ひとりかくれんぼで使用するぬいぐるみには、自分の体の一部(爪や髪の毛)を入れる、という手順もあります。

人形に自分の体の一部を入れることで、ぬいぐるみに「魂」を宿す──つまり、ぬいぐるみを媒体に「自分の分身を作っている」といっても過言ではないのです。

自分の分身となったぬいぐるみには、周囲の低級霊がわらわらと集まり、強い力を持った状態に変化します。

ひとりかくれんぼでは、その後、ぬいぐるみに包丁を刺すという手順がありますが──。

低級霊が集まって強い力を持ったぬいぐるみに包丁を刺すと、どうなるかわかりますか?

そうです。包丁で傷を付けることによって、中に封じ込められていた霊や力が、辺りに一気に散らばるのです。まあ、これで何も起きないほうがおかしいですよね。

──と、いくら妖怪や怪奇現象の正体(名前)を知っていて、本当に名前を知ることでいましめることができるとしても、その魂を支配する手段や対処法を知らなければ、まったく意味がないのです。

信じるか信じないかはあなた次第です(ババァーン

ひとりかくれんぼをガチでやってみた体験談まとめ

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まとめ

ネガティブな言葉や意思にも、それぞれに意味があり、本質が存在します。

言霊がネガティブな意思に従って力を発揮されてしまうと、ネガティブな言葉を発した者には不幸が寄ってきます。

負の感情がこもった言葉(言霊)は、自分だけでなく、他人にも大きな影響を与える力を持っているのです。

なんだかオカルトやスピリチュアル染みた話ですが、この世の中を見ているとそんな感じがしませんか?

この世界には、まだまだ「僕らの知らない何か」があるのかもしれませんね。