引きこもりやニートの経験がある方であれば、きっと共感してくれることでしょう。
「学生時代の夢、多すぎやしないか?」
学生時代の夢と言っても、過去の追体験に限った話ではなく、「役者は学生時代の人間のまま、ストーリーだけが独り歩きしているような夢」です。
実際、僕の夢は、登場人物の約90%が学生時代の人間で構成されており、顔すら、名前すら覚えていないような同級生たちが、喜劇や悲劇の舞台を延々と繰り返しています。
およそ本人のものだったか定かではない声でいいかげんなことを抜かしては、およそ本人のものだったか定かではない性格でいいかげんな行動を取る──。
嫌な夢や悪夢も、週に1度ほどの頻度であれば気にはしません。ただ、これがほとんど毎日、もしくは週に3、4日もとなると話は別です。「悪夢スタンプカード」なるものがあったら、間違いなく最上級の景品を200個はもらっていることでしょう。
今回は、引きこもり(またはニート)特有の嫌な夢や悪夢の原因と対処法についてまとめていきます。
引きこもりニートがよく見る夢まとめ
僕がよく見る夢の内容としては、以下の通りです(頻度が高い夢ほど上位にある)。
- 焦っている夢(遅刻やミス、取り返しのつかない事態など)
- 学生時代の夢(授業を受けている、サッカーをしているなど)
- 怒っている夢(喧嘩や暴言など)
- サボる夢(学校や仕事に行かないなど)
- 落ちる夢(高いビルから落下するなど)
- 逃げる夢(怖い人に追いかけられるなど)
- 襲われる夢(動物や得体の知れない存在からの攻撃など)
- タバコを吸う夢(筆者は非喫煙者である)
- 性的な夢(内容はご想像にお任せする)
特に印象的なものは、
- 「学校行かなきゃ!」「バイト行かなきゃ!」 → (布団ガバッ!)→ワイ、引きこもりだった
- ライブ演奏の本番を迎える→「あっ、この曲、ぜんぜん練習してないぞ」「ひどいミスを連発してしまった」
という「焦り」の夢でしょうか。ほとんどの場合、「焦りの夢」は「サボる夢」と合わせて出現します。
「引きこもりニートである」という事実はそのまま受け継いでいるために、「学校や仕事をサボる→親や先生から怒られる→焦る」という夢を見ているのでしょう。
「学生時代の夢」では、平然と授業を受けていたり、学校に寝泊まりしていたり、どこかへ旅行へ行ったり、嫌いだった人間と仲良くしていたりします。
夢の意味と夢占いの結果
学生時代の夢は、「過去に未練や後悔がある、もしくは未熟さ、学びの重要性を示唆している」という意味であるとの見方が多かったです。
参考までに、学生時代の夢に関連する「夢占いの結果」をまとめます。
- 学生時代に戻る夢:現在の環境や状況から逃げたい、または開放されたい。
「いつの学生時代の夢か?」
- 小学:現実でルールや慣習に縛られ、窮屈な思いをしている。
- 中学:明るく楽しい夢の場合→現在の生活や心理状態が明るい。嫌な思いや辛い思いをした場面→現在の生活や心理状態が暗く、嫌な思いをしている。
- 高校:過去の楽しかった時代に戻りたい。精神的に疲れている。衰えを感じている。
- 大学:慌ただしい生活にストレスを感じている。
「登場人物は?」
- 同級生の夢:好きでも嫌いでもない→現在の状況から逃げたいという現実逃避の現れ。嫌い→人間関係が上手くいっていない。
- 友達:人間関係に不満がある、もしくはストレスを感じている。疎遠になっている。異性の友達→恋愛に関する問題がある。
- 先生:よき指導者にあるという暗示。その先生に似た誰かがあなたを導く存在になる。
「どんな夢か?」
- 部活:夢中になったり、没頭できるものがない状態。
- いじめ:人間関係が上手くいっていない。過去にいじめを受けていた記憶。
夢占いを見るに、「逃げたい、開放されたい、現状を打破したい、現実逃避、人間関係に不満がある、精神的に疲れている、ストレスを感じている」というのは、どの引きこもりニートにも共通して言えることなのではないかな、と思います。
また、僕は中学時代の約3年間をいじめられて過ごしたためか、やはり夢の登場人物は中学時代の人間が多く、内容も嫌な場面や辛い記憶であることが多いですね。
引きこもりニートの夢に学生時代の夢が多い原因とは?
「新しい体験」が少ないから
新しい体験が少ない──引きこもり、働かずにいる──と、心は「過去の出来事」を省みることしかできません。その場合、楽しいことよりも、辛いことのほうが思い出される頻度は高くなります。
人の記憶に残りやすいのは、断然、嫌な記憶なのです。嫌なことや辛いことというのは、身の危険を表す、とても強いイメージです。
過去の嫌な記憶を夢で再現しているということは、「これから先、また自分が同じような体験をしたとき、適切な行動を取るためのシミュレーションを夢の中で行っている」とも言えるでしょう。
いくらゲームをしようとも、いくらアニメや映画を観ようとも、やはり実体験には程遠い情報量なのです。
「人間関係」からの学びを得るため
「人類の祖先がチンパンジーとボノボの祖先と分岐したのは約600万年前」だそうですが、どの時代においても「人間関係」は欠かすことのできないものだったでしょう。
原始時代にも引きこもり気味の人間がいたのかもしれませんが、今のように、家にいながらにして娯楽が楽しめたり、ふらっと外出して食料にありつける環境ではなかったでしょう。ただ生きているだけでも、相当な人数との関わりがあったはずです。
原始において、人との関わりを断ち切ることは「死」とイコールなので、本能は無意識のうちに「人間関係」を欲し、学ぼうとします。
しかし、引きこもりニートの場合、絶望的に人との関わりが少ないため、人間関係を構築する場や学ぶ機会が圧倒的に少ないのです。
ともすれば、「どうにかして人間関係を勉強しないとなあ」と悩んだ末、脳が勝手に学生時代の夢を持ち出し、人間関係のシミュレーションを行っているとも考えられるのではないでしょうか?
「精神が不安定」なため(もしくは精神疾患を抱えている)
毎日のように嫌な夢や悪夢を見ることは、メンタルの状態が悪い、もしくは弱っている証拠です。また、なんらかの精神疾患を抱えている可能性もあります。
僕は現在、PTSDとうつ病の療養中ですが、やはり悪夢の頻度はべらぼうに高いです。引きこもり歴は計5年ほどですが、そのうち3年間分ぐらいは悪夢を見ていると思います。
寝起きの悪さ、起き上がれないほどのだるさ、孤独感、焦燥感、過去の後悔、フラッシュバック、不安感など──。
引きこもりニートは何かと精神的に不安定になりやすく、どうしようもない焦りと不安がいつでも、どこでもつきまといます。
なるべく日中の活動をアクティブなものに切り替え、心身の状態をよい方向へと整えていきましょう。
嫌な夢や悪夢への対処法とは?
眠さのピークが来るまで待つ
嫌な夢や悪夢を覚えているということは、睡眠の質が悪いということでもあります。反対に、夢を見ない、もしくは覚えていないということは、睡眠の質がよく、熟睡できているという証拠なのです。
睡眠の質を上げるためには、以下の方法が効果的(不眠にも有効)です。
- 眠さのピークが来るまで寝るのを待つ
- 寝る前(少なくとも1時間前)にはPCやスマホを見ない
- 就寝前は物を食べない(消化が落ち着くまで、最低3時間はかかる)
- 風呂に浸かって、ゆっくり疲れを取る(できれば寝る前の2時間前に入る)
- 寝る前に「自律訓練法」を実践する
以上5つは、僕が実際に試して「間違いなく効果がある」と感じたものです。嫌な夢や悪夢はもちろん、夢そのものの頻度も激減しました。
特に、「眠さのピークが来るまで寝るのを待つ」のは本当に大切です。これは、精神科の不眠対策で学んだことなので確実です。
眠れない、もしくは睡眠の質を上げるために重要なのは、
- 毎日、決まった時間に起きること
- 起床後は1時間以内に散歩に行き、太陽の光を最低15分は浴びること
- 眠くなってから、布団に入ること
の3つです。
さらに、耳栓とアイマスク(できれば質のよい低反発枕も)があるとグッと睡眠の質が上がります。
僕はHSP(Highly Sensitive Person=敏感な人)の気質があり、普段から聴覚過敏に悩まされているので、日常生活においても耳栓をデフォルト装備しています。
仕事をする(稼がなくてもいい)
お金を稼ぐといった意味合いの「仕事」でなくともよいので、日中の活動を増やしていくことが「嫌な夢と悪夢の軽減」につながります。
散歩や筋トレ、日記、瞑想など、今の自分にできることから始めていきましょう。一気に複数の習慣を身につけるのはレベル1でラスボスに挑むようなものなので、ひとつずつ、着実に回数を重ねていくことが大切です。
1円でも稼ぐと精神が安定し始める
学生時代の夢をよく見るということは、少なくとも、現状を打破したい、将来への不安がある、ということです。
「恒産無くして恒心無し(こうさんなくしてこうしんなし)」という言葉があります。
意味は、「一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできないということ」です。
幸い、今は家に引きこもったままでもお金を稼いだり、仕事を始められる時代です。YouTubeやブログ、イラスト、プログラミング、Webデザイン、アニメーション、モデリングなど──。
引きこもりニートにとっての強みは、「腐るほど時間がある」「比較的PC周りに強い」「ゲームやアニメの知識が豊富」であることです。これらを元手とし、消費者側から生産者側に回るのです。
ブログ運営で月10万円の副収入が得られるようになると精神的にかなり安定します。アフィリエイトでなくとも構いません。
とにかく、何かを作り、1円でも稼いでみる──。この体験が、ニート脱却の糸口になるかもしれませんし、憎き夢への唯一の対抗手段となるかもしれません。まずは、1日5分からでも情報収集を始めてみましょう。
精神科や心療内科を受診する
あまりにも嫌な夢や悪夢が続く場合(頻度が高くなくても思い悩んでいる場合)には、精神科や心療内科を受診することも大切です。
日本では、メンタルヘルスケアがやけに敵視されているように思いますが、アメリカでは、「思い悩んだときにカウンセラーに相談する」というのはごく一般的に行われています。
メンタル疾患を抱える人口の割合を見れば、 メンタルヘルスケアを軽視することは大きな間違いであることは明らかです。
実際に僕は「繰り返される悪夢」をどうにかしようと精神科を受診した結果、過去に大きなトラウマを複数抱えていることが判明し、さらに、うつ病とPTSDの発見にもつながりました。
トラウマを癒す方法として、専門のカウンセラーの指導のもと「認知処理療法」や「認知行動療法」に努めていますが、確実に状況は好転してきており、悪夢の頻度も減ってきています。
まとめ
学生時代の夢が多い原因
- 「新しい体験」が少ないから
- 「人間関係」からの学びを得るため
- 「精神が不安定」なため(もしくは精神疾患を抱えている)
嫌な夢や悪夢への対処法
- 眠さのピークが来るまで待つ
- 仕事をする(稼がなくてもいい)
- 精神科や心療内科を受診する