「ゲームプレイ中に『こんなことしている暇があるのか?』『こんなことをしていて良いのだろうか?』という焦燥感を感じるようになった……」
ゲームは多くの人にとって娯楽として楽しめるものですが、時折「焦燥感」を感じることがあります。
特に長時間ゲームをプレイした後や、他の重要な活動を犠牲にしてゲームをしている場合、強い罪悪感や時間を浪費している感覚に悩まされたり──。
今回は、ゲームをプレイする際に生じる焦燥感の原因と、その解消法について考えていきたいと思います。
焦燥感の原因
ゲームと他の活動の比較
ゲームは「娯楽」であり、楽しむことが本来の目的です。
しかし、仕事や勉強、運動といった"生産的"とされる活動と比較してしまうと、途端に「ゲームは時間を無駄にしているのではないか」と感じてしまうことがあります。
特に、日々の生活に余裕がないと感じているときや、将来に対する不安を抱えているとき、この感覚はさらに強まる傾向があると言えるでしょう。
例えば、ゲームに没頭している時間を振り返って「その時間をもっと有意義に使えたはずだ」と思い悩むこと、ありませんか?
このような自己批判的な思考は、ゲームに対する純粋な楽しみを損なうだけでなく、自尊心や自己評価を低下させる原因にもなり得ます[1][2]。
さらに、現代社会では「生産性」や「効率性」が強調されることが多く、仕事や勉強、自己啓発といった活動が重要視されます。例:コスパ、タイパなど
そのため、ゲームのような一見「無益」とされる活動に対して、無意識のうちに否定的な感情を抱いてしまうことがあるんですね。
自己評価との関連性
焦燥感のもう一つの大きな要因は、自分自身に対する評価です。将来への不安や、自分の人生に対する誇りの欠如が、焦燥感を強く感じさせることがあります。
特に、何か目標を持って努力している人にとって、ゲームはその目標達成の妨げと感じられることがあり、ゲームをしている時間が「無駄」と感じられることが多いです。
自己評価が低い人や、自分の価値を他者との比較で判断する傾向のある人は、ゲームを楽しむことすら罪悪感の対象にしてしまいがち。
このような場合、ゲームを単なる娯楽として受け入れることが難しくなり、結果として焦燥感が増幅されます。
焦燥感の解消方法
ゲームとの付き合い方を見直す
焦燥感を和らげるためには、まずゲームとの健全な関係を築くことが大切です。
ゲームそのものを楽しむことにフォーカスし、過度に「生産性」を求めないこと──。
娯楽としてのゲームの位置付けを再確認し、無理に何か成果を出そうとするプレッシャーを手放すことが、焦燥感を軽減する第一歩となるはず。
メリハリをつける
ゲームをプレイする際は、時間の管理が非常に重要です。
例えば、「1日に○時間だけゲームをする」といったルールを自分で決めることで、他の活動とのバランスを保つことができるかもしれません。
僕が"スプラ中毒"だった頃は、スマホアプリの「NintendoみまもりSwitch」を使って強制的に1日に遊べる時間を制限したり、「毎回、必ずSwitch本体を片付ける」といった対策を講じていましたね。
ゲーム以外の趣味や興味を見つける
また、ゲーム以外の趣味や興味を持つことで、ゲームに依存しすぎない生活を築くことができます。
ただし、この際、もし「ゲーム=無益な活動」という思考や、自己評価の低さから来るゲームプレイへの罪悪感があるようであれば、他の非生産的な活動にシフトしたところで結果は同じ。
思い当たる節がある人は、仮にゲーム以外の趣味や興味を持つにしても、「自分が僅かにでも生産性を感じられる活動」を見つけることを意識してみてください。
重要なのは、その対象に生産性があるかどうかではなく、あくまで「自分で"生産性がある"と感じられること」。"生産性"にフォーカスし過ぎると趣味がつまらないものになってしまいますからね。
読書や文章執筆、イラストの練習、音楽制作など、ゲームと比較して、少しでも有意義と思えることを選びましょう。
目的を再確認する
ゲームの本来の目的は「楽しむこと」です。仕事や勉強と違い、直接的な成果や生産性を求める必要はないんですよね。
ゲームを通して得られるリフレッシュやストレス発散といった効果に目を向け、その時間を純粋に楽しむことが大切です。
「ゲームに成果や生産性を求める必要はない。純粋に楽しむことができないなら、少し休んだほうが良い」
これは特に、完璧主義の傾向があったり、比較癖がある人は気を付けたいポイントと言えるのではないでしょうか。
自分の人生に目を向ける
ゲームによる焦燥感を解消するためには、ゲーム以外の時間をより充実させることも有効でしょう。
自分の人生全体を見直し、どのような活動が自分にとって満足感や達成感をもたらすのかを考えることが大切です。
他の活動に取り組む
仕事、勉強、運動など、自己成長や目標達成に繋がる活動に取り組むことで、自己肯定感や充実感を得ることができます。
例えば、短期的な目標を立て、それを達成することで、日々の生活に充実感を持たせることができるでしょう。
こうした充実感が、ゲームに対する罪悪感を軽減し、バランスの取れた生活を実現する助けになるはず。
ただし、いきなり「よし! 今からゲームを完全にやめて、ランニングと筋トレを始めて、読書と瞑想も習慣にするぞ!」と意気込むと20,000%失敗します。
千里の道も一歩から。まずは、普段のゲームプレイ時間の1%を他の活動に充てることから始めましょう。以下の記事では、汎用性が高く、無理なく始められる習慣も紹介しています。
目標や価値観を再確認する
自分の人生における目標や価値観を再確認し、ゲームを含めた日常の活動がその目標達成にどのように寄与しているのかを考えることも大切です。
ゲームはその目標達成に直接繋がらないかもしれませんが、ストレス解消やリフレッシュの一環として、間接的にあなたの成長を支えている可能性があります。
つまり、「ゲーム? ただの時間の無駄でしょ」と決めつけるのではなく、ゲームをプレイしている時間が自分の目標にとってどう影響しているかを冷静に考えてみるのです。
人間、ずっと頑張り続けることはできません。もしかしたら、ゲームをプレイすることが、目標に向かって進む自分にとって良い息抜きになっているのかもしれません。
根本的な原因に対処する
焦燥感の根本原因にアプローチすることも重要です。焦燥感が将来への不安や現実逃避から来ている場合、その原因に対処することで、ゲームに対する罪悪感を軽減することができるでしょう。
人生やキャリアプランの見直し
もし将来に対する不安が大きな要因であるならば、キャリアプランを見直したり、具体的な目標を設定することで安心感を得ることができます。
長期的な視点で自分の将来を考え、それに向けて今何をすべきかを明確にすることで、日々の不安を軽減し、ゲームに費やす時間に対しても罪悪感を感じにくくなります。
例えば、過去の僕のように、うつ病やPTSDの療養中だったり、引きこもり気味であったり、ニートのような生活をしていたりすると、ゲーム中に焦燥感を感じるのは当たり前です。
一気に生活を、あるいは人生を変えようとするのではなく、"今"の自分にできる最善を一歩踏み出すこと──。これが、根本的な原因に対処するということです。
専門家の助けを借りる
人間関係や家庭環境に問題がある場合は、一人で抱え込まずに専門家の助けを借りることを検討することも重要です。
心理カウンセラーやメンタルヘルスの専門家に相談することで、焦燥感の原因を明確にし、より効果的な対処法を見つけることができるかもしれません。
そもそも、うつ病であった僕は、「漠然とした不安や焦燥感が"病気の症状"である」ということを病院で知りました。
焦燥感の原因は何かしらの精神疾患の兆しであるかもしれないので、あまりに不安や焦りが酷い場合には、気軽に専門機関へ相談するようにしてみてください。
まとめ
ゲームはあくまでも娯楽の一つであり、その本来の目的は楽しむこと。しかし、現代社会における「生産性」や「効率性」の重視が、ゲームに対する罪悪感や焦燥感を引き起こすことがあります。
焦燥感を解消するためには、ゲームとの付き合い方を見直し、ゲーム以外の活動を充実させること、そして将来への不安や自己評価に対処することが必要と言えるでしょう。
ゲームを自分の生活の一部として健全に取り入れ、焦燥感にとらわれず、バランスの取れた生活を送ること──。
「これが大切なことなのだ」と自分に言い聞かせ、今日も今日とてスイカゲームをやるのだ、僕は。