果たして、AIにユーモアセンスはあるのか──。
今回は、ChatGPT、Claude、Geminiを使って、「腹を抱えて笑ってしまう、空想上の偉人と主な実績」を考えてもらう実験をしていきたいと思います。
筆者が面白いと思った箇所は太字にしていますが、面白いと思った理由は特に書きません。察してください。
プロンプト(AIへの指示出し)
世界中の老若男女が思わず腹を抱えて笑ってしまう、超ド級的に訳の分からない「空想の歴史上の人物とその人物が行った主な実績」を考えて。
ChatGPT-4oの回答
1. グラマラス・ゴーゴン卿
- 概要: 13世紀イギリス出身の謎多き貴族。ゴーゴン卿は「フリルと豪華な衣装が身の上」と語り、自分の領土全体を当時最高のファッション都市にしようと奮闘。
- 主な実績:
- 町中の羊に色鮮やかなニットを着せる「羊のファッション革命」を起こす。
- 貴族の間で「足元に3本の羽を刺す」という斬新すぎるファッションを流行させるも、馬に踏まれて全滅。
- 「女性のための鎧ファッションショー」を企画し、重すぎて動けなくなったモデルたちがステージで大混乱。
2. ステファン・ザ・シュリンプ王
- 概要: 16世紀のフランスに現れた、エビをこよなく愛する王。国中のエビを収集して「エビ帝国」を築くという壮大な夢を抱くが、理解者はほとんどいない。
- 主な実績:
- 王国の公式通貨をエビの殻に変更し、一部の市民が「お金が腐る!」と抗議。
- 自らの宮殿を巨大なエビの形に改装、殻が崩れて中で迷子になる。
- エビ料理だけの「エビ王国の宴」を開催し、招待客が全員食あたり。
3. ブリジット・ボンバヤージュ
- 概要: 18世紀スウェーデンの「超旅行好きな貴婦人」。とにかく新しい場所を訪れることにこだわり、他人の家に勝手に入っては「ここは新しい国だ!」と宣言。
- 主な実績:
- 隣国で発見された未知の植物を「新しい国の印」と勝手に名付け、翌日には忘れる。
- 「空飛ぶバスタブ」でヨーロッパ周遊を試みるが、あまりに重すぎて村の広場で墜落。
- ついに月に旅立つ夢を掲げて紙風船を飛ばし、なぜか近所の豚小屋に到着。
4. ポエティック・ピカンテ侯爵
- 概要: 17世紀スペイン出身で、詩と料理に情熱を注ぐエキセントリックな美食家。「味のアート」を追求するあまり詩の朗読中に唐辛子をばらまくという奇行を好む。
- 主な実績:
- 詩と料理の融合を図り、詩の一行ごとに味覚の違う料理を出す「ピカンテ晩餐会」を企画。参加者全員が混乱。
- 「熱すぎる情熱のピラフ」で火傷した客が続出、スペインで初めて「食べ物安全協会」が誕生する契機に。
- 「情熱の詩」と称してパプリカをばらまきながら路上で朗読。翌日から街のハトが赤く染まる。
5. スクランブル・エッグス王子
- 概要: 19世紀のオーストリア出身で、卵を用いた数学と哲学に夢中の奇才。「人類の知識は卵の形に詰まっている」と主張。
- 主な実績:
- 「卵で円周率を計算する」と称して1日中卵を投げ、結局途中で数がわからなくなって泣く。
- 「卵と人類の真理」に基づき、自らの城に巨大な卵のオブジェを立てるが、夜に壊れて数百個の卵が町中に転がる。
- 煮た卵を見つめながら「人類の本質がこの中にある」と自ら考案した哲学的瞑想法を広めようとするも、誰も実行せず。
Claude 3.5 Sonnetの回答
1. モンブラン・パティシエ男爵 (1756-1832)
- フランス革命期に「ケーキによる外交」を提唱した貴族
- ヴェルサイユ宮殿で「食べられる平和条約」を考案し、条約文を特製ショートケーキの上に砂糖で書いて署名させた
- 「敵に塩を送る」の代わりに「敵にティラミスを送る」という外交慣習を確立
- 最期は「私の人生はショートケーキのように甘かった」という言葉を残して昇天
2. ヨハン・シュニッツェル・フォン・ズボン博士 (1823-1899)
- オーストリア=ハンガリー帝国の著名な発明家
- 「歩く椅子」を発明するも、椅子が暴走して帝国議会を混乱に陥れる
- 世界初の「猫語翻訳機」を開発したが、全ての猫の言葉が「餌をよこせ」という訳に
- 「自動靴磨き山羊」の品種改良に成功するも、山羊が靴と一緒に足も磨いてしまう問題が発生
3. お江戸・スマイル菊之助 (1772-1845)
- 江戸時代中期の珍発明家
- 「笑い封じの術」という秘技を開発し、将軍家お抱えの道化師となる
- 「逆立ち歩行による参勤交代」を提案し、一時期実施されるも混乱を招く
- 「空飛ぶ下駄」プロジェクトに生涯を捧げ、江戸城の堀に何度も墜落
4. アレクサンドル・ボルシチコフ伯爵 (1801-1870)
- ロシア帝国の奇人美食家
- 「スープによる占い」を確立し、宮廷で重要な政策決定に影響を与える
- シベリア開拓のため「暖かいボルシチの川」を作る計画を立案するも失敗
- 「動くサモワール」を発明し、お茶を自動で追いかけてくるシステムを考案
5. エリザベス・パドルトン・ウィグルズワース (1888-1956)
- イギリスの突飛な考古学者
- 「恐竜のダンス教室」という仮説を提唱し、学会を騒然とさせる
- ストーンヘンジが「世界最古のディスコ」だったという説を熱心に主張
- 「先史時代のペットショップ」の発掘に人生を捧げ、一切何も見つからず
Geminiの回答
1. 時空を超越した発明王 ギズモ・ギャラクシー博士
概要: 17世紀の小さな村に住む、天才的な発明家。ギズモ博士は「未来の技術を盗んできた」と噂され、常人では理解できない奇妙な発明品を生み出し続けた。
主な実績:
- タイムマシンで恐竜とティーパーティー: 恐竜時代にタイムスリップし、ティラノサウルスと優雅なティーパーティーを開催。恐竜たちは紅茶の味に感動し、博士を「紅茶の王様」と崇めた。
- 感情を操る帽子: 人々の感情を操る魔法の帽子を発明。街中が笑い転げたり、突然泣き出すなど、町はカオス状態に。
- 雲の上の浮遊城: 雲の上を自由に移動できる浮遊城を建造。城内には、自動で料理を作るロボットや、猫型翻訳機など、未来的な装置が満載。
2. 歴史を書き換えた落書き王 チョーク・チャンプ
概要: 古代エジプトのピラミッドに落書きをするのが大好きな少年。チョーク・チャンプは、自分の落書きが歴史に大きな影響を与えていることに全く気づいていない。
主な実績:
- スフィンクスの鼻を落書き: スフィンクスの鼻に落書きをしたところ、スフィンクスは突然しゃべりだし、未来を予言し始めた。
- 皇帝の肖像画を書き換え: 皇帝の肖像画に落書きをしたところ、皇帝は突然踊り出し、国中が踊り狂う騒ぎに。
- 歴史の教科書を書き換え: 歴史の教科書に落書きをしたところ、歴史が大きく変わり、恐竜が人間と共存する世界になった。
3. 世界を平和にしたケンカの申し子 バトル・ボンバー
概要: 中世ヨーロッパの騎士。バトル・ボンバーは、ケンカが大好きだが、心優しい一面も持ち合わせている。
主な実績:
- ドラゴンとのラップバトル: ドラゴンとラップバトルを行い、その巧みなライムとフロウでドラゴンを撃退。ドラゴンは感銘を受け、平和を誓った。
- 魔女との料理対決: 魔女との料理対決で勝利し、魔女は料理の道に転身。魔女狩りは終焉を迎えた。
- 巨人との相撲大会: 巨人との相撲大会で勝利し、巨人たちは力を使うことに意味がないと悟り、平和的な生活を送るようになった。
4. 宇宙を旅する宇宙ネコ コスモ・キャット
概要: 宇宙船に乗って宇宙を旅する好奇心旺盛な猫。コスモ・キャットは、様々な星を訪れ、宇宙人との交流を楽しんでいる。
主な実績:
- 宇宙海賊を猫パンチで撃退: 宇宙海賊を猫パンチで撃退し、宇宙の平和を守った。
- ブラックホールの中を探索: ブラックホールの中を探索し、宇宙の謎を解き明かすヒントを発見。
- 宇宙人とのバンド結成: 宇宙人とバンドを結成し、宇宙中に音楽を届けた。
僕「惜しい」
AIもだいぶ笑いが分かってきた感があります。しかし、あともう一歩というところ。思わずニヤリとしてしまう箇所もあったものの、最後の一押しが弱い印象を受けました。
ただ、フランスやオーストラリアと続いた後での「お江戸・スマイル菊之助 (1772-1845)」は少し"来た"。やはり、ChatGPTとClaudeが強いですね。Geminiは少し雑というか、露骨な印象を受けます。
とはいえ、アイデアの量産に限っては人はもうAIには勝てません。AIの回答はそのまま使えるような回答ではないにしろ、ここに人間のユーモアセンスを融合させれば、実用レベルにすることは難しくはないでしょう。今後に期待。