ひとりかくれんぼという都市伝説をご存知でしょうか。
ひとりかくれんぼは降霊術の一種とされており、実行することによってさまざまな怪奇現象が起きると言われています。
今回は、呪術や神道などのオカルト的な観点から、ひとりかくれんぼの危険性について考察していきます。
ひとりかくれんぼについて詳しく知りたい方は、まず初めにひとりかくれんぼをガチでやってみた体験談まとめをご覧ください。
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ひとりかくれんぼの危険性についての考察
ひとりかくれんぼでは、人形(ぬいぐるみ)を準備し、実行前に然るべき前処理を行っておく必要があります。
ぬいぐるみの綿をすべて取り除き、代わりに米と爪を詰め、赤い糸で縫い、その後、ぬいぐるみを赤い糸で縛り、名前を付ける──。
実は、これらすべての手順には、きちんとした理由があったのです。
綿は内臓を表し、米は霊的な力を持つ
ぬいぐるみにとって、綿は内臓です。内臓である綿の代わりに、米と、爪(自分の体の一部)を入れているのです。
米は、神道において「霊的供物」として扱われており、爪は、髪の毛や唾液と並んで「霊的に強い価値」を持っています。
綿を抜いて「入れ物」となったぬいぐるみに、内臓の代わりである「米」を入れ、さらに、自分の体の一部である「爪」を入れる──。
また、ぬいぐるみは「必ず手足の付いたものを用意する」と明確に指定されています。わざわざ手足の付いた人形に限定する理由とは?
明らかに、ぬいぐるみに生命や魂といったものを植え付けようとしていることがうかがえますよね。
入れるものによって危険度が増していく
ひとりかくれんぼは、ぬいぐるみに入れるものによって危険度が上がっていくと言われています。
通常は米と爪のみをぬいぐるみに入れるのですが、爪ではなく、毛髪や唾液でも代替が可能です。
しかし、先ほども申し上げた通り、毛髪や唾液は「冷気的に強い価値」を持っているため、当然、ひとりかくれんぼの危険度も上がっていきます。
「自分の体を構成する根源」に近ければ近いほど、霊的に強い力を持つ──つまり、ぬいぐるみに「吹き込まれる生命」がその分だけ強力なものになる、ということです。
「爪」も自分の体の一部であることには変わりないのですが、自分そのものを形成する大事な要素としては「血液」のほうが濃いですよね。
結果として、爪、毛髪、唾液、血液の順に危険度が増していくといった法則性が生まれるのです。
赤い糸は血管を表し、封印の意味を持つ
ぬいぐるみに米と爪を詰めた後、赤い糸で縫い付けますが、赤い糸は血管を表しています。
米は内蔵であり、爪は生命、赤い糸は血管──と来れば、人形もかなり「生きている状態」に近いと言えるのではないでしょうか。
ぬいぐるみを赤い糸で縛り上げるという行為には、封印(固定化)の意味が込められており、ぬいぐるみに詰めた力が散逸しないようにしているのです。
命を与え、奪い、痛みと恨みだけを残す
ぬいぐるみは、
- 米=霊的な力を持ち、内臓を表す
- 爪(体の一部)=霊的な力を持ち、生命を与える)
- 赤い糸=血管を表し、力を人形の中に封印する
といった行程を経て、命を吹き込まれます。
その後、術者に刃物で刺されることで、与えられた命を、すぐに奪われてしまうのです。
しかし、赤い糸で魂が固定化されているため、怒りや苦しみ、恨み、辛み、痛みといった負の感情だけが残ってしまう──。
つまり、負の感情がぬいぐるみを「よくないもの」に変化させ、周囲の「よくないもの」を引き寄せてしまう装置にしてしまう、というわけです。
ぬいぐるみを刺す場所が「水場」である理由
ぬいぐるみを刺す場所は、なぜ風呂場──つまり、水場なのでしょうか?
理由は2つ、考えられます。ひとつは、水場にはもともと霊が集まりやすい、ということ。そして、もうひとつは、異界との扉を作っているのではないか、ということです。
「三途の川」といった表現があるように、水というものは、こちら側とあちら側を明確に分ける「結界」のような働きをしています。
桶や浴槽に人形を置くという行為は、ある意味、現世と常世──異界への扉を開くといった役割もあるのかもしれません。
ひとりかくれんぼは降霊術ではなく呪術である
ぬいぐるみに自分の体の一部を入れ、完成後に自らぬいぐるみに名前を付けるといった一連の行為は、ぬいぐるみを自分の分身にする手順といっても過言ではありません。
自分の分身でもあるぬいぐるみを、刃物で刺すことは、言い換えるならば「自分自身に自分を殺させる」ということ──つまり、降霊術というよりかは呪術の部類になります。
言い換えてしまえば、「自分自身に自分を殺させる」ことになります。そういった観点からいえば、降霊術というよりかは呪術の部類になりそうですね。
ひとりかくれんぼを実行した時点で、実行者は「自分自身を呪う呪術」の術者となってしまうのです。
テレビを砂嵐の画面にしておく理由とは?
テレビは、家の中と外界とをつなぐパイプのようなものです。つまり、霊の通り道です。
同じように、スマホやPCも「外」とつながってるものなので、もしかするとテレビと似た役割を担うことが可能なのかもしれません。
テレビの画面を砂嵐にしておく理由としては、術者の気を別のことに逸らせないため、術に集中してもらうための工夫かと考えられます。
科学的、心理学的な見方をするならば、同じような映像が繰り返される「砂嵐」は、人をよりトランス状態に近付けるための工夫だとも解釈できますね。
なぜ「隠れる」必要があるのか?
人形を沈めた風呂場と、砂嵐の画面にしたテレビ、これで家の中に「よくないもの」を呼び込む入り口は2つになりました。
室内はすでに霊や妖怪、はたまた悪魔などがうようよと漂う、カオス空間と化しています。このような状態でぼーっとしていては、まず間違いなく身に危険が及ぶでしょう。
「隠れる」という行為は、身を隠し、相手に姿を見られないためであることはもちろん、現世と常世を分ける「結界」でもあります。
家の中で隠れる場所といえば、おそらく押入れやベッドの下、カーテンの裏などが真っ先に思い浮かぶかと思います。
いずれの場所にも共通していることは、自分の周りを仕切り、隔離しているという点です。押入れは襖(ふすま)で仕切られ、ベッドは隙間で隔離され、カーテンは空間を布で隔てていますよね。
大切なのは、自分という存在を周りから隔離する、または空間を隔てることです。線引きが結界となっているため、仮に、霊に隠れている場所を特定されたとしても、あちらから接触することはできないのです。
塩水は魔除けである
ひとりかくれんぼを終わらせるためには、塩水を口に含み、ぬいぐるみの元に向かう必要があります。
塩はもともと魔除けにも使われるように、自分を守る役割を持ちます。異物の侵入経路であり、入り口でもある「口」を塩水で満たすことによって、自分自身をよくないものから保護しているのです。
実行時間の制約について
ひとりかくれんぼには、2時間以内に必ず終わらせる、という制約があります。
風呂場とテレビからはすでに大量の「よくないもの」が侵入してきており、また、負の感情のメルトダウン状態であるぬいぐるみは「特級呪物」と化しつつあります。
2時間という制約は、術者の命を守るためのものであると同時に、取り返しのつかない状況を生み出さないためのルールだと考えられます。
まとめ
- ぬいぐるみの内臓とも言える綿を抜き、代わりに霊的な力を持つ米、さらに自分の一部である爪などを入れることで「生命」を吹き込む
- 赤い糸は血管を表し、ぬいぐるみに糸を巻きつけることで生命を「封印(固定化)」する
- 完成したぬいぐるみに「名前」を付ける行為は、自分の分身を作るようなもの
- 手足のついたぬいぐるみを用意する=人形を人間にしようとしている?
- 水場は霊が集まりやすく、桶や浴槽に人形を置くことは「異界との扉」を作る行為と等しい
- ぬいぐるみを刺すことは、与えられた命をすぐに奪われるということ
- 赤い糸で生命が固定されているため、痛みや恨みなどの「負の感情」だけがぬいぐるみに残る
- 「隠れる」ことで異界と自分との間に「結界」を作り出している
- 塩水は「魔除け」であり、異物の混入経路である「口」を守る役割を持つ
- テレビの砂嵐は、霊の通り道であり、術者の気をひとりかくれんぼに集中させるための工夫
- 「2時間」という制限時間は、実行者の体力限界時間であり、取り返しのつかない事態を避けるための措置
ひとりかくれんぼには、以上のように危険な要素がたくさん含まれていることがお分かりいただけたかと思います。
もはや「遊び」といった言葉で片付けられるものでは到底なく、降霊術というより、自分自身を呪う危険な「呪術」だと言えるでしょう。
ひとりかくれんぼは読み物として楽しむだけに留め、決して実行には移さないようにしてください。
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