最近、ふとした瞬間に「あれ、前ほどChatGPTに頼ってないな」と感じることが増えました。別に嫌いになったわけではないんです。むしろ、以前は最先端で何でもできると思っていたツールが、僕の中で少し落ち着いた、という表現が近いかもしれません。
もちろん、それはChatGPT自体の進化が止まったわけではなく、周りのAIツールたちが目覚ましい進化を遂げているからかもしれませんし、あるいは僕自身のAIの使い方、得意なこと・不得意なことの理解が深まり、適材適所が見えてきたからなのかもしれません。
以前は文章作成といえば、とりあえずChatGPTに頼っていたのですが、最近はGoogle AI Studioで無料で使えるGemini EXP 1206やGemini 2.0 Flash Thinking EXPをよく使うようになりました。特に、Gemini 2.0 Flash Thinking EXPは、アイデア出しのスピードが速く、ちょっとした質問にも的確に答えてくれるため、思考の壁打ち相手として非常に重宝しており、今の僕のニーズに合っていると感じます。
画像生成についても、Dall-E 3の表現力も素晴らしいのですが、ImageFXのお手軽さと、生成される画像の雰囲気が今の気分に合っていて、ついつい手が伸びてしまいます。実際に、ここ最近のAIツールの利用状況を振り返ってみると、完全にGoogleのサービスを利用する頻度の方が高くなっています。
動画生成はまだ試行錯誤中であまり触る機会がないのですが、公開されている情報を見る限り、OpenAIのSoraよりもGoogleのVeo2の方が、より自然で実写に近い映像を作り出せるように感じます。
このあたり、長年培ってきた検索エンジンや画像処理の技術が生きているのかもしれません。やっぱり、Googleは基礎研究の層の厚さが違いますよね。
ただ、それでも僕はChatGPT Plusの課金を継続していますし、OpenAIへの期待も依然として大きいんです。特に、2024年12月に発表されたo3のベンチマークの数値は衝撃的でした。あれを見た時は、正直「やっぱりOpenAIはすごい!」と興奮しました。
ただ、発表のタイミングが、まるでGoogleの発表にぶつけるような形になっていたのが、少し気になりました。舞台裏では、OpenAIのサム・アルトマンCEOは、相当悔しい思いをしたんじゃないかと想像してしまいます。
この記事を執筆している、2025年1月2日──。年始の静けさの中で、改めてOpenAIに期待していることを考えると、やはり「Schedule」と「Operator」という機能に行き着きます。2025年は「AIエージェントの年になる」と、様々な場所で言われていますよね。僕もそうなることを期待している一人です。
ClaudeのComputer Useのような、AIがユーザーの代わりに様々なタスクを実行してくれる機能を、より洗練させ、実用的な形にしたAIエージェントの先駆けとなるサービスが、OpenAIから登場することを心待ちにしています。
もちろん、それだけではありません。GPT-4oの後継となるGPT-4.5、あるいはGPT-5、そしてDall-E 3.5、もしかしたらDall-E 4、さらにSoraのバージョンアップにも期待しています。
現状、Deepseek v3という、比較的規制が緩く、オープンソースでAPIも非常に安価な中国産のLLMが登場してきて、OpenAIは価格競争や差別化という点で、かなり厳しい状況に立たされているのではないかと感じています。中国は、テキストから高品質な動画を生成できるKlingや、クリエイティブな動画編集に強みを持つHailuoといった動画生成ツールも強いですしね。
ただ、AIに詳しくない人に話を聞くと、やっぱりAIって言ったらChatGPTかGeminiっていうイメージが強いみたいで、ClaudeやMistral AI、Deepseekの名前はあんまり出てこないんですよね。
そう考えると、一部の技術者とか、AIに詳しい人たちにとっては脅威になりうるDeepseekも、一般の人たちに広まるには、まだハードルがありそうですね。このあたりの勢力図は、正直、僕もまだよく読めていません。
結局、何が言いたいのかというと、このまま1月もOpenAIから目立った動きがない、あるいは期待のo3が自分の用途に合わない性能だった場合、ChatGPTとの付き合い方を真剣に見直す必要があるかもしれない、ということです。
そもそも、LLMの性能がどれだけ向上したところで、それを僕たちが何に使うかが最も重要ですよね。o3にちょっとした雑用を任せるのは、まるで高級レストランでインスタントラーメンを食べるような、ちょっとアンバランスな感じもしますし。
最新のハイエンドスマホを買っても、結局のところYouTubeとXを見るくらいしか使わない、みたいな状況になりそうで、高性能なスペックと実際の用途のバランスが取れていないと感じる時があるんです。もしかしたらAIの進化のスピードに、僕たちの活用方法が追いついていないのかもしれませんね。
このようなAIの急速な進化は、私たちの社会に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。漠然とした予感ですが、特に2025年から2026年にかけては、多くの人々にとって、自身のキャリアや働き方について深く考える時期になるかもしれません。
AIエージェントが本格的に社会に浸透していく兆しが見え始め、ロボット工学、自動運転、エネルギー問題、医療といった分野で目覚ましい進歩が期待される一方で、「あれ、いつの間にか自分の仕事がAIに取って代わられている…」「気が付いたら、AIのせいで収入の道が閉ざされてしまった」と感じ始める人が、少なからず現れるかもしれません。
しかし、歴史を振り返れば、技術革新は常に新たな雇用を生み出してきました。AIによって単純作業やルーチンワークから解放されることで、人間はより創造的な仕事や、人にしかできない心のケアといった分野に注力できるようになるはずです。
ただし、このような変化に適応するためには、私たち自身も常に学び続け、変化を恐れずに新しいスキルを習得していく姿勢が求められるでしょう。政府や企業も、AI時代に適応した人材育成や、セーフティネットの構築を急ぐ必要があります。ベーシックインカム(UBI)の導入も、選択肢の一つとして現実味を帯びてくるかもしれません。
一つ確信を持って言えるのは、2025年のAIの進化のスピードは、2022年から2024年までのそれを遥かに凌駕するだろうということです。高品質な学習データの不足や、汎用人工知能(AGI)の実現にはまだ多くの課題が残されているといった指摘もありますが、それでも、もしo3の発表内容が事実であれば(特定のタスクに特化したチューニングの結果でない限り)、すでに一部の領域においてAIが人間の能力を超越している可能性を示唆していると言えるでしょう。
AIについては、過小評価されている側面と過大評価されている側面との差が非常に大きいと感じます。もちろん、AIの未来は予測が難しい領域であり、ある程度はやむを得ないことでしょう。
しかし、テクノロジー企業の幹部やAI研究者の間でも意見が大きく分かれている現状を考えると、私たち一般の人がその全容を理解するのは容易ではありません。それでも、変化の波は確実に押し寄せています。
今年、僕たちは、そして社会全体は、一体どのようなAIの進化とその影響を目の当たりにするのでしょうか。未来への期待と、少しばかりの不安を抱きながら、その動向を注意深く見守りたいと思います。