【日記】これからの時代は「人間であることの証明」が重要になってくる(2025/01/27)

2025年1月23日、OpenAIは自律的にウェブ上で行動できる初のAIエージェント「Operator」をリリースしました。研究プレビュー版ということもあり、まだ実用レベルには達していないものの、1年後には驚くほど性能が上がっていることでしょう。おお、怖い怖い。

──で、OpenAI CEOのサム・アルトマンは、実はOpenAI以外の事業も展開中でして、そのどれもが圧倒的未来を感じさせるようなものなんですよね。

僕が特に注目しているのは、「World」と呼ばれる、人間とAIエージェントを区別するための「人間証明」ツール。

具体的に言うと、眼球(虹彩)のスキャンによってブロックチェーン上で個人を認証し、オンライン上のAIエージェントが実在の人間に代わって行動することを検証する仕組みです。

Worldは最初、暗号通貨プロジェクトとして始まったんですが、規制問題(欧州のバイオメトリクスデータ削除命令など)を経て、現在は人間認証に注力しています。

僕はこのプロジェクトがまだWorldcoinだった頃(日本で展開されて間もない頃)にすでに"池袋の雑居ビル"に足を運び、Orbと呼ばれる球体状のデバイスから虹彩を登録しています。それから毎月「WLD」をアプリを通して受け取っています。

WLD自体は虹彩を登録せずとも取得できるので、興味がある人はアプリストアから「World App」をダウンロードして、以下の招待コードを入力すると良いです。先着順なので、気になる方はお早めに。

SZGPI92

World Appでは毎月「ベーシックインカム」のような感じで決まった額のWLDを受け取れるのですが、僕の主な目的は暗号通貨を受け取ることではなくて、どちらかというと「人間であることの証明」にあります。

実際、プロダクト責任者のティアゴ・サダは「World IDがAIエージェントのライセンス管理に活用され、人間の承認を得たエージェントのみを許可する未来像」を提示──つまり、『あ、こいつは人間だな』と認められた人間(World ID)にのみエージェントを提供することを想定しているようです。

Operatorは今のところ連携しているプラットフォームは限定されているものの、企業のAIエージェントの受け入れは着実に進んでいます(Uberとか)。しかし、その一方で、AIエージェントを用いた詐欺、あるいはDoS攻撃の脅威があることも事実。

そういった懸念もあることから、Worldは「1人あたりのエージェント数制限」などの対策を提案しています。

まあ、冷静に考えて、このペースでAIエージェントが進化していけば、AIエージェントがAIをエージェントし、そのエージェントが──というように、実質的に個人が何百、何千というエージェントを使うことになるでしょう。そうなると収拾が付かなくなるというか、人間のフリをしたAIが人間社会に深く入り込んで社会が混乱するというか、"私"という存在が混乱するというか──。

強力なAIエージェントは必然的に規制されるようになり、またその利用に際してはどう考えても「人間であることの証明」が必要になると思うのです。

人間である──つまり、AIエージェントが誰の代理人であるかを証明することで、AIによる不正利用を防ぎつつ、人間の代行を許可するという「信頼の基盤」を構築することができるってわけ。

結局、AIはツールでしかないので、AIエージェントを通じた予約・購入・交渉などの責任は利用者たる人間が負う。すなわち、エージェントが「正規の代理人」として機能するためには、どうしたって人間証明ツール(World IDのような)との連携が必要になる──と。

また、サム・アルトマンは、核融合エネルギーのHelion、長寿化学のRetro Biosciencesといった事業も進めています。Worldは、そういった「AI中心の未来を支えるネットワーク」の一端を担うツール、あるいは基盤になることを想定しているのかもしれません。

WorldとOpenAIの連携深化も予想できますし、彼のビジョンは単なるAI技術ってよりかは、人類全体の、エネルギーや生命科学といった領域までカバーするような、そんな印象を受けます。

「サム・アルトマンは詐欺師だ」という声もありますが、僕は、彼と彼の事業に全力ベットしてしまっているので、もはや死なば諸共なテンション。将来は、人間の真正性を通して、AIエージェントの恩恵や先端技術の恩恵を受け取るようになるんだろうと思っています。

とはいえ、虹彩データ収集の倫理的な問題とか、AIエージェントの暴走リスク(主に中国やEUのオープンソース哲学におけるAIないしはAGI)とか、核融合・長寿化学の実用化までの不確実性とか、いろいろ議論・解決すべき事柄などはありますが。

どちらにしても、真っ先にAGIを開発した企業ないしは国如何によって未来のシナリオは変わってくると思うので、当面は米中のAI開発競争に目を向けつつ、眠れる獅子であるEUとインドの動向にも注目していきたいなと考えながら、僕は今日もDeepSeekで遊ぶ。