AI開発の最先端で注目されている企業のひとつが、Anthropic(アンスロピック)です。2019年にOpenAIの元メンバーらが設立し、「人間に安全なAI」を理念に掲げています。
主力製品のAI「Claude(クロード)」は、倫理的な制約を重視し、医療・金融などリスク管理が重要な分野に強みを発揮。OpenAIのChatGPTが一般ユーザー向けの汎用性で先行する一方、AnthropicはAmazonやGoogle Cloudと提携し、「安全性を重視するBtoB市場」で存在感を広げています。
Anthropicの創業者ダリオ・アモデイCEOは「2027年までにAIが人間の知能を超える」と予測し、その実現に向けて音声機能や長期記憶を持つ「暴走しないAI」の開発を急いでいます。生成AIの競争が激化する中、その独自路線が今後も注目されそうです。
- AIが人間の知能を超越する時期:今後2~3年(2026~2027年頃)に、ほぼ全てのタスクで人間を上回るAIシステムが登場すると確信。
- 技術進歩のスピード:「超人的なAI」到来の不確実性が大幅に低下し、その社会的影響の重大性を強調。
以下、インタビュー内容のまとめです。
Anthropicの具体的な開発計画
新モデルと機能
- 数か月以内:より高度なAIモデルのリリース予定。
- 音声対話モード:双方向の音声機能を開発中。
- メモリ機能の強化:ユーザーとの過去の対話や情報を長期記憶。
- Web連携:近日中に実装(検索機能や情報取得の高度化?)。
AIエージェントの実用化
- 2024年上半期:パソコン上で自律的にタスクを遂行する「仮想協働者(Virtual Collaborators)」の登場を予告。
インフラ整備の課題と展望
- GPU不足の現状:Claude(Sonnet 3.6)の利用制限の原因は計算リソース不足。
- 2026年までに:100万以上のGPUを運用し、リソース拡充を計画。
発言の背景と信頼性
- ダボス会議・CNBC取材:国際的な場で発信され、技術進捗への自信を強調。
- 根拠:過去数か月の自社内の開発成果から、短期間でのブレークスルーを確信。
- 警告:超人的AIの早期到来は社会変革を迫るため、倫理・規制の準備が急務。
考察
ダリオ・アモデイの主張は、単なる技術の進化ではなく、明らかに「AIが人間の労働・意思決定の大部分を代替する"転換点"が近い」という警鐘を含んでいます。
特に、音声機能やメモリ強化は、AIの日常的な活用を加速させ、企業の生産性や個人の生活スタイルに大きな影響を与える可能性が高いでしょう。
CNBCは今朝、ダリオ・アモデイ氏に、AIは本当に壁にぶつかっているのかと質問した。
「今、私はこれまで以上に、我々が強力な能力に非常に近づいていると確信している。」
ダリオがこう言うなら、真剣に受け止めるべきです。
CNBC asked Dario Amodei this morning if AI is actually hitting a wall:
'Right now I am more confident than I have ever been at any previous time that we are very close to powerful capabilities.'
When Dario says this, it should be taken seriously.
— Andrew Curran (@AndrewCurran_) January 21, 2025