文章を書くのが好きというのはブロガー寄りの感覚なのかもしれない

文章を書くのが好きってどういうことなんでしょうね?

あなたは好きですか? 嫌いですか? それとも考えたことないですか?

先日なんとなくTwitterで『文章書くの好きだなー』ってつぶやいたんですが——。

よくよく考えてみたら、その表現にはちょっと語弊があるかもしれないな、って思ったんです。

そもそも「文章を書くのが好き」ってどういうこと?

文章を書くのが好きって人は、考える行為そのものが好きなんじゃないかな、って思うんですよね。

僕にとって文章を書くってのは、自分の頭にある考えや意見をアウトプットする行為

『これは間違いなく今世紀最大のアイデアだぜ! ワシ、天才か?!』

『おーっ、めちゃくちゃおもしろいこと思いついちゃったぞー。よっしゃ、書いたるで!』

こういったアイデアや思いつきを、ただ文章という形で吐き出しているだけなんですよね。

同じように悩んでいることや、苦しいと感じていること。そのとき抱えている問題とか、将来に対する不安とか——。

そういった「もやっ」としているものを、どうにかして形にしたい。すっきりしたい。

僕の場合、そんな気持ちで文章を書いていることが多いです。

好きっていうか、楽になるための手段って感じですかね。

僕にとっての「書くこと」は海岸で貝殻を拾う行為に似ている

とにかく頭の中でごちゃごちゃしているものを、いったんドバっと吐き散らかしたい。

そんでもって目の前に広がった思考の吐瀉物としゃぶつを、ぼーっとながめて、掻き分けて。

『おっ、こんなもん入ってたぞ! みんな見てくれ!!』

ってのをやりたいんでしょうね、きっと。

ブニョっとしてるのか、ネチョっとしてるのか。それすらもよくわからないような塊の中から、たったひとつのお宝を探し出すってなイメージ。

海岸できれいな貝殻とか探しませんでした? アレです、アレ。無数に落ちている貝殻の中から、たったひとつの貝殻を拾い上げるんです。

自分から出た貝殻ならできるだけ拾っていきたいんです

拾い上げるのはひとつじゃなくてもいいです。形がきれいじゃなくてもいい。たとえ匂いがヘンでも、ちょっと欠けてても。

それが自分から出た貝殻なら、できるだけ拾っていきたいんですよ。

きれいなものからちょっといびつなものまで。そういう貝殻を集めていきたいんです。

『おぉっ、これは……!』ってものがたくさん自分の中に眠ってることを知ってるから。そう信じたいから。

僕にとって「文章を書く」ってのはそういうこと。思考コレクター。かっこよく言うと「思考の発掘屋」です。し、思考の宝石箱やァー!!ってやつ。

自分の思考を文章にするのが好き

文章を書くっていう行為そのものではなくて、たぶん僕は「自分の思考を文章にして吐き出すことが好き」なんですよね。

単に言葉の羅列じゃなくて、ちゃんと意味の通る"文章"っていう形にして自分の手元に置いておくんです。

ルールだとか、しがらみだとか、くだらない常識だとか。そういったものに一切干渉されない自分だけの世界。

わかりやすく言えば、表現方法のひとつです。自分の気持ちや感情をどうにかして形にしたい。外に出したい。

それの答えがたまたま「文章」だっただけ。人によってはそれが絵だったり、歌だったり、陶芸だったりするんじゃないでしょうか。

ライターとして書くのは大変

ライター」って仕事があるじゃないですか。文章を書いてお金をもらう、っていう。

あれは大変です。文章を書くと言っても、ライターである限り、仕事を発注した雇い主がいるわけですよね。

それが雑誌のライターなのか、Webメディアのライターなのかはわかりませんが。

それぞれに校正ルールというものが存在しますし、意向にそぐわない記事ならすぐに突っ返されます。

『文章が好きだと思ってたのに、なんかちがうな……』って思うこともあるかもしれません。

きっとそのときは、「自分が『思考を形にするのが好き』だった』ってことなんだと思います。

「書く」仕事

僕自身、ライターのような経験もありますし、仕事で文章を書くこともあります。

やっぱりブログで文章を書くのとはちょっとワケがちがうんですよね。

どんな形であれ文章を書いて発信する以上、読者を意識することは当たり前です。

ただ仕事の場合はほとんどリサーチと分析で、文章を書くのなんて全体作業の2割か3割ぐらい。

『ワシは……はやく……はやく文章が書きたいんじゃ……』ってなります。

ぶっちゃけて言うと、文章を書きたくないときだってあります。もちろん気乗りしないときもあるし、苦しいなって思うこともあります。

幸いなことに僕はリサーチとか分析とかも好きなので、それで自分のイメージ通りの記事ができあがるとすっごくうれしいですけどね。

同じ「文章を書く」ですが、こうも感じ方がちがってくるんですよ。

「文章を書くのが好き」はブロガー寄りの感覚なのかもしれない

結論。「書くことが好き」っていう人の大半は、思考を形にするのが好きな人なんじゃないでしょうか。

どちらかというとブロガー寄りの感覚っていうのかな?『自分の考えを文章にして発信することが好き』っていうね。

ライター(仕事)として文章を書くってのと、ブロガー(好きなこと)として文章を書くってこと。これは似てるようで全然ちがいます。

ライターは基本的にコンセプトに沿って文章を作成するのが仕事です。自由に書けるのなんて超有名ライターさんぐらい。それでもやっぱり制約は少なからずあるでしょうし。

一方ブロガーってのは一言で表すならば「自由」ですよね。自分の好きなように文章を書いていいし、細かい指定とかも一切ない。それがいいところ。

楽しいと思えればそれが一番いい

文章を書く行為自体が好きか、と聞かれれば『うーん……』ってなります。たいていの場合、書かないとモヤモヤするから書く、ってことが多いですし。

設計図をガッチリ作って、目的の記事を仕上げる。これを「文章を書くこと」と捉えるなら、僕は好きです。

自分の思うがまま、ゆらゆらと文章を書き連ねる。これを「文章を書くこと」と捉えるなら、もちろん僕は好きです。

どんな作業が好きか、どういう形になればうれしいのか、なにをしてるときが一番楽しいのか。

自分にとって「文章を書くのが好き」ってどういうことなのか、ちょっと考えてみてもいいかもしれませんね。

なんであれ自分が楽しいと思えること。これが一番いいです。すてきです。