持たざる者が取れる賢い生き方|習慣化すべき9つの具体的対策

資金も人脈もない──いわゆる『持たざる者』が、限られた時間やスキルを最大限に活用し、成功を掴むためには、具体的な行動と日々の積み重ねが不可欠です。

例えば、自分の強みを明確にし、それを活かせる仕事を見つける。あるいは、弱みを克服するために、積極的に学習する。このような努力を継続することで、少しずつでも確実に目標に近づいていくことができます。

今回は、そんな『持たざる者』が、より良い人生を送るために習慣化すべき具体的な行動や考え方について探っていきたいと思います。

優越感と劣等感は何の役にも立たない

まず重要な点として、優越感と劣等感は何の役にも立たないことは理解しておきたいですね。持つ者が感じるであろう優越感、持たざる者が感じるであろう劣等感は、百害あって一利なし──まさにゴミ同然の代物です。

優越感や劣等感は、結局、自己評価を他者との比較に依存させます。つまり、外的要因に左右され、自分の成長や目標に集中できなくなってしまうんですね。優越感は自己満足に陥りやすく、劣等感は自己否定に繋がる。どちらも健全な自己成長や真の幸福に結び付きません。

ここからは、それを踏まえた上で持たざる者の生存戦略を考えていきます。どれも基本的なことですが、よほどの才覚と運を持ち合わせていない限り、一発逆転を狙った戦略は徒労に終わります。持たざる者こそ、日々の積み重ねが重要。

持たざる者の生き方、9つの具体的対策

1. 批判的思考を鍛えるための読書習慣

持たざる者が成功するためには、批判的思考力が欠かせません。これは、現状を正確に理解し、最適な判断を下すための基礎となる力です。

批判的思考を養うためには、単なる情報収集としての読書ではなく、思考を深めるための「頭を使った読み方」が必要になります。具体的には、以下のような心がけが有効です。

  • メモを取る: 本を読んだ際には、感じた疑問や反論をメモに残し、後から自分で深掘りする習慣をつける。
  • 異なる視点の本を読む: 例えば、経済の本だけでなく、哲学や歴史など多角的な視点を提供するジャンルの本も読むことで、物事を多面的に捉える力が身につく。
  • 読後に議論する: 読んだ内容を誰かと話すことで、自分の考えを再確認し、新たな気づきを得ることができる。

また、THIEVES読書法を取り入れてみることも効果的でしょう。

THIEVES読書法とは

THIEVES読書法は、テキストを読む前にその要点を「盗む」ようにして把握することを目的とした読書法です。特に、非フィクションや学術的な文書を読む際に有効であり、学習効率を飛躍的に向上させるための7つのステップで構成されています。「THIEVES」は以下の要素の頭文字を取ったもの。

  • T: Title(タイトル)
  • H: Headings(見出し)
  • I: Introduction(はじめに)
  • E: Every first sentence(段落の最初の一文)
  • V: Visuals and vocabulary(ビジュアルと語彙)
  • E: End-of-chapter questions(章末問題)
  • S: Summary(まとめ)

これらのステップを順番に実践することで、テキストの全体像を把握し、理解を深めることができます。詳しくは『注目の「THIEVES読書法」で学習効率を劇的に向上させる7つのステップ』でまとめています。

2. 小さな成功体験を積み重ねる

持たざる者が大きな成功を手にするためには、まず小さな成功を積み重ねることが重要です。これは、自信を持つための基盤を作り、長期的な成果を目指すためのモチベーションにも繋がります。

  • 短期目標の設定: 例えば、1週間で学べるスキルを習得する、1か月で成果を出すといった短期的な目標を設定し、それをクリアすることで達成感を得る。
  • 毎日小さな進歩を追求: 例えば、毎日5ページずつ本を読む、1日10分だけ英語の勉強をする、といった形で小さな進歩を積み重ねる。これによって、長期的に大きな結果が得られる。

「これといって成功体験と言えるものがない」という場合の多くは、成功や習慣のハードルが高すぎる点にあります。毎日5ページ読むことに失敗するのであれば、毎日1ページにしてみる。1日10分の英語勉強が苦なら、1日5分に設定してみる。

成功体験を得られるかどうかは、トータルの実践時間ではなく、継続日数にあります。まずは小さくても続けること。それが小さな成功体験を積み重ねるための第一歩です。

3. 逆境を利用したメンタル強化

持たざる者は、多くの場合、逆境に立たされることが多いですが、この逆境こそがメンタルを強化する絶好の機会です。精神的にタフになることで、困難な状況でも諦めずに行動し続ける力が養われます。

  • 逆境をポジティブに捉える: 困難な状況に陥った際、ネガティブな感情に支配されず、「この経験が自分を成長させる」と意識的に考えることが大切。
  • 自己対話の習慣: 毎日の終わりに、自分に向けて「今日できたこと」を書き出すことで、心の整理をする習慣を持つ。これにより、自己認識が高まり、成長の実感が得られる。反省は夜よりも、脳がポジティブな朝。

「メンタルを強くし、精神的にタフにする」と言うと、どこか、プレッシャーに強く、トラブルに動じず、チャレンジ精神旺盛といったイメージが湧くかもしれません。ただ、僕のイメージする「強メンタル」は少し違う。

僕が思うメンタルの強い人は、ネガティブな感情に飲まれつつも復帰が早い人──物事を"いなす"ことが上手な人です。つまり、負の状態や状況からの切り替え方を知っていて、最悪の状況に近い中からでもポジティブな面を探すことができる人。それが僕の考える、レジリエンスの高い精神的にタフな人です。

あえて無理して逆境に飛び込んでいくことも時には必要かもしれませんが、それよりも普段から「自己受容──セルフコンパッションの姿勢」を持っておくほうが重要と言えるでしょう。

4. 情報リテラシーを高める

情報過多の時代において、持たざる者が生存戦略を立てるためには、正しい情報を選別し、活用する能力が必要です。

  • フェイクニュースを見抜く力: 情報源が信頼できるかどうかを確認する習慣を身につける。例えば、複数のニュースサイトを比較し、どの情報が一貫しているか確認することが重要。
  • ソーシャルメディアを戦略的に活用: 情報発信だけでなく、特定の分野の専門家をフォローして学びを得る場としてもソーシャルメディアを活用する。

情報リテラシーを高めるためには、兎にも角にも「批判的思考力」を養うことが不可欠です。情報を鵜吞みにせず、自分の頭で考え、他の意見やデータと照らし合わせることでより深い理解が得られるでしょう。

5. スキルを自動化するルーチン化の重要性

毎日の小さな行動を自動化することで、無意識にスキルを向上させることができます。持たざる者にとって、貴重な時間やエネルギーを無駄にしないことが重要です。

  • ルーチンの確立: 例えば、朝の15分間を必ず学習に充てる、仕事の合間に必ずストレッチをする、といったルーチンを確立することで、意識的に行動しなくても効率よく目標に向かうことができる。
  • タイムブロッキング: 1日の時間をブロックごとに分け、それぞれに異なるタスクを割り当てる方法も効果的。これにより、集中力が途切れず、無駄な時間を削減することができる。

また、デジタル入力よりも手書きを優先するテレビやネットニュースを観る時間を減らす起床後すぐにスマホを見ることはやめるといった対策も有効でしょう。

6. 自分の強みを理解し、最大限活用する

持たざる者であっても、必ず他者に勝る強みがあります。それを見つけ、意識的に活かすことが成功のカギとなります。

  • 自己分析を行う: 自分が得意とすること、他の人よりも優れていることを書き出し、それを活かす方法を考える。例えば、人と話すのが得意なら、ネットワーキングイベントに参加して自分の名前を広めることができる。
  • 定期的なフィードバックを得る: 周りの人に自分の強みや弱点についてフィードバックをもらうことで、自己認識を深め、改善点を明確にすることができる。

自分の強みを知る上では、何より「書く」ことが有効だと僕は強く感じます。過去の人生を振り返ってみても、直面している問題の解決策は、とにかく書いて、書いて、書きまくることで見つけてきました。

今はChatGPTやGeminiなどの優秀なAIツールもあるので、例えば、「私にいくつか質問し、私の強みを特定して」などと言えば、簡易的に自己分析ができるでしょう。

7. 「与える」精神で信頼を築く

持たざる者は、経済的な資産が乏しくても、他者に貢献することで大きな信頼と人脈を築くことが可能です。これは、長期的に見て自分の利益にもつながります。SNSやブログで有益な情報を発信したりすることも有効でしょう。

  • 無償のサポートを提供する: 人に何かを提供する際、すぐに見返りを求めるのではなく、まずは無償でサポートすることで信頼を築く。例えば、他人の仕事を手伝ったり、スキルを共有したりすることがその一例。
  • 情報共有の意識を持つ: 自分が学んだことや有益な情報を積極的に他者と共有することで、周囲からの信頼を得ることができる。

8. 成長マインドセットを持つ

「持たざる者」が成長し続けるためには、「今はできなくても、努力すればできる」という成長マインドセットを持つことが重要です。

  • 失敗を成長の一環と捉える: 持たざる者は、失敗を恐れるのではなく、それを学びの機会と捉える。失敗から得られる教訓は、将来的な成功のカギとなる。
  • ポジティブな自己対話を行う: 自分に対して「できる」と言い聞かせ、成功をイメージする習慣をつけることが、成長マインドセットの確立に繋がる。

9. 継続的な学習の習慣化

持たざる者が競争力を高めるためには、常に学び続ける姿勢が必要です。特に、急速に変化する現代社会では、技術やトレンドの変化に柔軟に対応できる力が求められます。

  • オンラインコースを活用: 資金がなくても、無料で受講できるオンラインコースやウェブセミナーを利用してスキルを学ぶ。
  • 自己投資を怠らない: 無料のリソースに加え、時には書籍や専門的なツールに自己投資をすることも重要。これは、自分の成長を加速させるための投資と捉えるべき。

特に今の時代は、AIツールの有料プラン課金や書籍購入代は"将来的に価値のある先行投資"と割り切ってしまってもいいかもしれません。得体の知れない自称プロのアホセミナーに引っ掛かるリスクに比べれば、ChatGPTに課金したほうが安心安全、コスパもタイパも圧倒的に良いでしょう。

まとめ

持たざる者が成功を手にするためには、自己の力を信じ、積極的に行動することが求められます。批判的思考を鍛え、逆境をポジティブに捉え、毎日の習慣を見直すことで、長期的な成功を手に入れる──。これしか道はありません。

また、特に注意しておきたいのが「他者との比較によって生まれるネガティブ感情」です。これが原因で、幸福や成功のイメージが歪み、自己効力感が低下し、自信喪失から行動を継続することが困難になるケースも大いにあります。まずは、自分に入ってくる情報を制限し、批判的な視点を持ってバイアスに振り回されない頭の使い方を学んでいくことが重要なのではないでしょうか。