買って損なし!初心者ベーシストに捧げるおすすめエフェクター5選

「果たして初心者ベーシストにとってエフェクターは必要なのだろうか?」。

これは昔から良くあるクエスチョンのうちのひとつ。

これに対して僕は「必ずしも必要ではないが、あればもっとベースが楽しくなる」と考えています。

ちなみに僕はベース歴7年ほどで、ライブ経験、レコーディング経験も何十回とある者です。

たしかにベースを始めたばかりの初心者にとってエフェクターの使用は上達を妨げる原因となります。

正直「男ならベース本体をアンプに直差し(直結)で精進していくべき」と言いたいところ。

でもそれって楽しいですかね?

アン直(アンプ直結)は間違いなく上達する

もちろん、アン直で練習を続けていけばベースは格段に上手くなります。

指先、ないしはピックで細かいニュアンスを表現できるようになり、同時にリズム感やビート感も養えます。

またベース本体とアンプのセッティングのみで音作りをすることで、音の帯域、他パートとの兼ね合いなどの関係も把握することができます。

つまり続けてさえいければベースは上手くなるということなんですね。

もはや上手くならないわけがありません。

ただ一つ問題があります。

それは「ベースそのものに飽きてしまう可能性」です。

自分の粗が手に取るように分かってしまい、上達している感覚が長い間感じられないんですよね。

上達が感じられない→ベースつまらない→練習しなくなる→下手になる→ベースそのものからフェードアウト

こんな方程式が出来上がってしまうわけです。

ありのままの自分を受け入れ、険しい森の中をひたすら突き進んで行く。

それはまさに修羅の道

自分の下手さに打ちひしがれてベースをやめてしまうぐらいなら、エフェクターでも購入してモチベーションを高めつつ練習を続けていった方が良いと思うのです。

一つ間違いなく言えることは「ベースの音作りの基本は本体とアンプ」

エフェクターを買う前に、定価7~8万円以上、中古最低3万ぐらいの楽器を買うことをおすすめします。エフェクター選びはそれからでも遅くありません。

中古品を購入する場合は楽器に詳しい人を連れて行きましょう。中古は当たり外れが大きいですので。

というわけで「初心者ベーシストにおすすめのエフェクター5つ」を紹介していきたいと思います。ご参考程度にどうぞ。

定番プリアンプ「SansAmp Bass Driver DI」

稼働中のSansAmp Bass Driver DI

ベーシストならば誰しも一度は聞いたことがあるであろう、定番中の定番プリアンプSansAmp Bass Driver DI。通称「ベードラ」。

プリアンプとは?

音色を調整するためのアンプ回路のこと。「ベードラ」はアウトボートプリアンプというものに分類されます。

正確に申し上げますと、ベードラは「プリアンプ付きのD.I.」と呼ばれるものであってエフェクターではありません。気持ち良い音にしてくれる(音がカッコ良くなる)ので、歪み系のエフェクターとして使われることが多いんですね。

堅牢な作りのブラックボディに、特徴的なイエローデザイン。幅広いジャンルに使用することができる、まさにベースプリアンプのエリート。

ツマミ6つ、スイッチ3つ、フットスイッチ1つを搭載しており、このエフェクターを通すだけでいわゆる「サンズの音」や「ドンシャリサウンド」が手に入ります。

プロのベーシストにも愛用者が多いことでも有名。エフェクター選びで迷っている人はとりあえずこれを買っておけばOKです。

僕も初めてのエフェクターはこれでした。購入から6年経った今も愛用中です。

バンドサウンドに混じると"音が抜けにくい"印象ではあります。なんせ「MIDDLE」のツマミがないですからね。

主な使用ベーシスト

  • 345 / 凛として時雨
  • 関根史織 / Base Ball Bear
  • 中村和彦 / 9mm Parabellum Bullet
  • 中尾憲太郎 / NUMBER GIRL
  • ティッシュ姫 / ニコニコ
  • 他多数

飛び道具として使うのもありなエフェクター「BOSS Bass OverDrive ODB-3」

稼働中のBOSS Bass OverDrive ODB-3

もうね、アホみたいに歪む。

定番のエフェクターメーカーBOSSのベース用オーバードライブBOSS Bass OverDrive ODB-3

Red Hot Chili Peppersのベーシスト「フリー」が愛用していることでも有名ですね。

「BALANCE」のツマミを操作することで原音とエフェクト音をミックスして出力することができます。

左に回せば「原音寄り(DRY)」、右に回せば「エフェクト音寄り(OD)」のサウンドを作り出すことが可能。これにより「芯のある心地よいドライブサウンド」が手に入るというわけ。

ただし低音がやや不足するのでEQ(BASS)は多めに上げるとちょうど良いかもしれません。

「BALANCE」「GAIN」のツマミを目一杯に回せばあら不思議、吐瀉物のようなえげつない音になります。

これでRed Hot Chili Peppers の「Around The World」のイントロを弾けばあなたも気分はフリー。

主な使用ベーシスト

  • フリー / Red Hot Chili Peppers
  • 変態ベーシスト 他

失ってようやく気づくコンプレッサーの大切さ「EBS MultiComp」

稼働中のEBS MultiComp

これまたベーシストの定番エフェクターEBS MULTICOMPです。通称「マルコン」。

音量差や音粒を揃えてくれる優秀なコンプレッサー。コンプ感は少なめなので原音を大事にしたいベーシストさんにはおすすめです。ナチュラルなサウンドが手に入りますよ。

操作は簡単。「COMP / LIMIT」のツマミで音の圧縮率を選択、「GAIN」のツマミで出力調整を行うだけ。個人的にはマルコンの歪みの音も好みなのでGAINは多めです。

ただしコンプレッサーに頼りすぎるとどんどん下手になっていくので注意が必要です。

あくまでナチュラルに。スラップをするときはキツめに。最高に気持ちが良いです。

音域を理解するにはもってこいのエフェクター「MXR M109 6 Band Graphic EQ」

稼働中のMXR M109 6 Band Graphic EQ

小さいながらもベース向きのイコライザーを搭載しているMXR M109 6BAN GRAPHIC EQ

「どういう音域で、どういう音が鳴っているのか?」を知ることはベースの音作りの土台となる非常に重要なポイントです。

音楽はいくつもの音の重なりで成り立っています。他の楽器がどの帯域にいて、自分(ベース)はどこにいるべきなのか、ということをしっかりと考えていきましょう。

他にもBOSSのベース用イコライザーBOSS Bass Equalizer GEB-7MXR M108 10 BAND EQなどの有名イコライザーもありますが、この「M109」は100Hz・200Hzをピンポイントで調節が可能です。

もともとはギター用のエフェクターですが、よりベース向きなエフェクターと言えるでしょう。

小さくて、パワフルで、取り回しが良くて、操作がしやすい。

もう大好き。これ大好き。

ただ初心者には少しハードルが高いかもしれません。なんとなく音域のことを勉強した後に購入してみるとさらに音作りを楽しめるでしょう。

ベースを調律しよう「KORG Pitchblack PB-01」

稼働中のKORG Pitchblack PB-01

ベースの弦を「チューニング(調律)」するために必要なチューナーKORG pitchblack PB-01

いくら素晴らしい美声を持つボーカリストでも、音程が外れていれば一気に台無しに。それと同じでベースもチューニングが必要です。

ベースを弾く前にはチューニング。これ鉄則です。

番外編:ボードの整理&安定した電源供給「CAJ AC/DC Station III」

稼働中のCAJ AC/DC Station III

アダプターを刺す穴(ソケット)は電力が不安定です。安定して電源を供給するために便利なものがパワーサプライと呼ばれるものになります。

CAJ エフェクター用パワーサプライ AC/DC STATION ver.3も数あるパワーサプライのうちの一つです。

つまり「エフェクターそれぞれに適した電力を供給してやるぜ」ということですね。

こうすることによりノイズを大幅にカットすることができます。ボード内の整理にも便利なので、シンプル好きの僕としては超お気に入りのアイテムです。

「CAJ AC/DC Station III」は6つのDC9Vエフェクターに電源供給が可能で、最大消費電力は450mAです。

現在これより新しいモデルのCAJ エフェクター用パワーサプライ AC/DC Station IVが発売されています。こっちは7つのエフェクターに電源供給が可能です。

付属のアダプターは壊れやすいので「AC/DC Station」を購入する際はCAJ AC/DC STATION用 電源アダプター AC 12V Adapterも一緒に買っておくといいかもしれません。

2020年2月現在、「AC/DC Station Ver.Ⅲ」の後継機として「AC/DC Station Ver.VI」という新しいモデルが出ています(DC9V x 8アウト)。

 

ノイズレスな「リニア方式(電源トランスの発生するAC[交流]電源を[DC]直流に変換する方式)」を採用しているため、パルスノイズのない安定したクリーン電源を得られます(スイッチング方式との比較)。

いま購入するのであれば、——使用エフェクター等の数にもよりますが——AC/DC Station Ver.VIをおすすめします。

まとめ

エフェクターボードに並べられたおすすめのエフェクター

「初心者ベーシストにおすすめのエフェクター5選」を紹介してきました。

もし仮にこの中から1つだけ選ぶとすればやはりSansAmp Bass Driver DIでしょうね。

ベースを始めたばかりの頃は、毎日飽きもせずベードラだけで遊んでいました。

逆に言えば「下手でもそれなりに上手く聞こえる」ということなので、頼りすぎには注意しましょう。

次いでEBS MULTICOMPMXR M109 6BAN GRAPHIC EQBOSS Bass OverDrive ODB-3という順番でしょうか。

もちろんチューナーは必須です。一番最初に買ってください。

直感とインスピレーションで「コレだ!」といきなり購入するのもロックっぽくてカッコいいとは思いますが、エフェクターを購入する際はお店で試奏させていただきましょう。

もしくはそのエフェクターを所持している知人のベーシストにでも借りましょう。

自分の所有しているベースを持っていき、「このエフェクターを試したいのですが」と店員さんに伝えればOKです。

初心者のうちに店の中で弾くのは恥ずかしいとは思いますが、これもベーシストの試練の一つです。

むしろこの試練を乗り越えるために自宅で練習に取り組むのもおすすめかもしれません。

エフェクターはこの他にも数多く存在しており大変奥が深いです。それゆえに一度ハマるとなかなか抜け出せないところでもあります。

たくさんのエフェクターを試してみて、自分にぴったりなエフェクターを探していきましょう!