新年の抱負を達成するための「意外な目標の立て方」とは?

「目標をしっかり立てましょう」「ゴールを見据えて、具体的に行動計画を立てましょう」

目標は数字や期間をできるだけ具体的に設定したほうがいい、というのは昔からよく言われていますよね。

今はネットに山ほどライフハックが溢れる時代です。こと「目標の立て方」に関しては、多くの方がすで"上手"な領域にいると言っても過言ではないのかもしれません。

では、なぜ具体的に目標を設定しても、なかなか達成できないのでしょうか?

逆説的な話になるのですが、実は近年の目標達成に関する研究から『あれ? 実は"具体的に目標設定しないほうが目標達成できる"んじゃね?』ということがわかっています。

今回は「具体的に目標を立てた場合のデメリット」を紹介しながら、目標達成のためのポイントを紹介していきます。

具体的に目標を立てると起きる5つのデメリット

5つのデメリット

  • 視野が狭くなる
  • モチベーションが下がる
  • 長期的利益を損なう危険性
  • 大きいリスクを取りやすくなる
  • 小さな成功や失敗から学ばなくなる

視野が狭くなる

目標を超具体的かつガチガチに固めてしまうと、視野が狭くなるというリスクを背負うことになります。

すでに頭の中で目標達成までの道筋が見えている弊害、とも言えますね。つまり、目の前にチャンスや可能性が飛び込んできても、視野が狭くなっているため、見逃してしまう確率が高くなってしまうのです。

ひょっとしたら今思い浮かんだアイデアのほうがよい結果をもたらすかもしれないのに、すでにガチガチな目標で頭がいっぱいになっていると、そもそも手段や方法を比較しようともしなくなってしまうわけですね。

モチベーションが下がる

自分が十分に達成可能な目標達成ができていれば問題はないのですが、実力に対して大きすぎる目標を掲げてしまうと、モチベーションが下がる結果につながってしまいます。

大きな目標というのは、いくら具体的に行動計画を立てたところで、イメージできる成功図がボヤけがちです。還元するなら、現実味を帯びていないんですね。

たとえば、新年の抱負は一年を通して達成したい事柄を掲げるわけですが、一年後の自分の姿をありありと、具体的にイメージできる人はなかなかいません。

他人のことは冷静に分析できるのに、いざ自分のこととなると急に希望的観測になりがち、ポジティブに考えすぎてしまうのです。本来の自分はもっと怠惰で、粘り弱く、飽きっぽくありませんか? 去年の抱負はちゃんと達成できました?

人間がそもそも怠惰な生物であるということを忘れて、ただ「大きな目標に向かって進んでいる」という満足感だけ持ちながら進んでしまうと、当然「失敗する可能性」が高くなります。

結果として『ああ、やっぱり自分は何をやってもダメなんだ。今年も目標を達成できなさそうだな』などと、新年の抱負を立てた年の5月頃に急激にモチベーションが下がって軽いうつ状態になってしまうのです。

長期的利益を損なう危険性

短いスパンで見て利益がありそうだとしても、長期的な目で見たらそんなに得がない──ばかりか、むしろ損になることは以外に多いです。

今まで自分が投資してきた時間やお金をどうにか回収しようとして、大して得もないのに、同じ手法や行動に捕らわれてしまう──これが俗に言う「サンクコスト(埋没費用)」ですね。

いわば損切りができない状態、これがガチガチの目標設定に潜む大きなデメリットの一つです。

同じように、目標が強ければ強いほど、目標達成のための手段を選ばなくなり、必要以上に敵を作ってしまったり、自分をぞんざいに扱うようになってしまうことも挙げられますね。

大きいリスクを取りやすくなる

たとえば、今年中に10kgの減量を成功させなければならず、夏になっても1kgも痩せていない女性がいたとしましょうか。残された期間は約半年です。さて、この女性はどのような行動を取ると予測できるでしょうか?

おおよそ追い込まれた人間というのは、大きなリスクを取りやすくなります。

今回のケースであれば、今までのツケを払うために練習なしでいきなりフルマラソンに挑戦するとか、いきなり1週間断食するとかですね。

この生活が続けられたとしても、やがては膝を壊すか、栄養失調で倒れるか、いずれにしても、無理がたたれば必ず心身のどこかに支障が出てきます。

目標を設定した日からきちんと自分の可能な範囲で行動を積み重ねていれば、一年後には10kgの減量に成功できていたはずなのに。

小さな成功や失敗から学ばなくなる

大きな目標があると、成績やスコアといった数字にしか目がいかなくなりがちです。

結果からフィードバックを得て、計画や行動の軌道修正を行うのはとても大事なことですが、目標がガチガチに設定されてしまっていると、小さな成功や失敗から学びを得られないという自体が起きやすくなります。

大きな成果を優先しすぎると、小さな体験から得られる経験値が圧倒的に少なくなってしまうんですよね。一日1%の成長でも、一年続ければ相当なものになっているはずです。

目標達成のポイントは「曖昧」な目標を持つこと

新年の抱負をまた来年に持ち越さないためにできることは、あえて「曖昧な目標設定」をすること、ですね。

視野が狭くなりすぎないよう、前に進みながら目標を定期的に見直せる再設定していけるような『柔軟さ』を身につけることが目標達成のコツと言えそうです。

むしろ、一年の半分ぐらいは「目標達成のために必要なスキル磨き」に割いてもいいかもしれません。行動の習慣化や時間管理の方法を学ぶと、さらに計画が立てやすくなると思います。