スマホは生活に欠かせないツールとなっていますが、起床直後にそれを使用することについては議論が分かれています。
今回は、朝──特に起床直後──のスマホ使用のメリットとデメリット、脳への影響、そして健康的な朝のルーチンを築くための方法について考えていきたいと思います。
起床後のスマホ使用、メリットとデメリット
メリット
1.情報の即時取得
- 最新のニュースやメール、メッセージをすぐに確認できる。
- 重要な情報を逃さずにキャッチできる。
2.目覚めの助け
- スマホの画面の明るさや通知音が目覚めを促進する。
- アラーム機能を使用している場合、完全に目を覚ますのに役立つ。
3.スケジュール管理
- その日のスケジュールを確認し、タスクを整理できる。
- 効率的に一日をスタートさせる助けになる。
デメリット
1.ストレスの増加
- 脳が急激に高ストレス状態に入る可能性がある。
- 一日のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある。
2.生産性の低下
- 他人の意見や要求に振り回される可能性がある。
- 自分の目標に集中する時間が減少する。
3.身体への悪影響
- 首や肩の痛み、眼精疲労などの身体的不調を引き起こす可能性がある。
- 寝ながらのスマホ使用は特に首や肩に負担をかける。
4.依存症のリスク
- 頻繁なスマホチェックの習慣が依存症につながる可能性がある。
- ドーパミンの放出が繰り返されることで、脳が情報を求め続けるようになる。
起床後のスマホ使用が脳に与える影響とは?
1. 情報過多によるストレス
起床直後にスマホをチェックすることで、脳は大量の情報を一度に処理しなければなりません。これによって──、
- 脳が過労状態になりやすくなる。
- ストレスが増加する。
- ネガティブな情報や他人の意見に影響されやすくなる。
2. 注意力と集中力の低下
スマホを起床後すぐに使用すると──、
- 脳が情報過多に陥る。
- 注意力や集中力が低下する。
- 優先順位付け能力が阻害される。
3. ドーパミンの過剰分泌
スマホ使用によるドーパミンの過剰分泌は──、
- 脳が情報を求め続けるようになる。
- スマホ依存症のリスクが高まる。
- 一日中何度もスマホをチェックする習慣につながる。
4. 睡眠の質の低下
起床後すぐのスマホ使用は──、
- メラトニンの分泌を抑制する。
- 脳を覚醒状態に保つ。
- 結果として、夜間の睡眠が浅くなり、翌日のパフォーマンスに影響を与える。
5. ストレスホルモンへの影響
起床後のスマホチェックは、ストレスホルモンにも大きな影響を与えます。
1. コルチゾールの増加
- ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが増加する。
- 過剰なコルチゾール分泌は健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
2. 慢性的なストレス状態
- 長期的には免疫機能の低下や睡眠障害、体重増加などのリスクがある。
結論:起床直後のスマホ使用はデメリットが大きい
起床後すぐにスマホを使用することは、目覚めを促進する効果はあるものの、トータルで見ればデメリットのほうが大きいと言わざるを得ないでしょう。
いや、でもわかるんですよ。目が覚めて、スマホを手にとり、SNSに新しい投稿や通知が来ていないか、興味を唆るようなニュースが入っていないか、新しいメールは届いていないか──などをチェックする楽しさ、面白さ、中毒性というのは。
僕自身、起床後にはすぐにモーニングページ──朝起きてすぐに思いつくままに3ページ書く──を実践するようにはしていますが、それでもたまにスマホを開いてしまい、あっという間に15分や30分を吸い込まれることがあります。
あまりに長くスマホに時間を割かれると、一日を通してなんだかぐったりしたような感覚が続いてしまい、その度にいつも「なんで朝起きてすぐスマホを触ってしまったんだ……」と後悔しています。
では、ここからは、起床直後にスマホを触らず、健康的な朝の時間を過ごすためにできることを考えていきたいと思います。
健康的な朝のルーチンを築くための対策
起床後のスマホ使用を避け、健康的な朝のルーチンを築くための具体的な方法を考えます。
1.スマホを手の届かない場所に置く
- 夜寝る前にスマホを別の部屋や遠い場所に置く。
同じ部屋内──寝室であれば寝室──にスマホがあるだけで睡眠の質が落ちるという研究もあるため、そもそもスマホを寝室に持ち込まない工夫が必要かもしれません。
2.目覚まし時計を使う
- スマホのアラーム機能ではなく、従来の目覚まし時計を使用する。
スマホのアラーム機能は便利ですし、最近はポケモンスリープなどの睡眠管理アプリもあるため、なかなか手放せないかもしれません。しかし、起床直後のアラームを止める行為がきっかけでスマホの無駄な使用が増えてしまうのであれば、アナログの目覚まし時計を購入するのも手。
3.朝のルーチンを設定する
- 瞑想や深呼吸
- 軽い運動やストレッチ
- 読書や日記を書く
- 朝食をゆっくりと楽しむ
- 家族やペットと過ごす時間を持つ
僕はあらかじめ寝る前に開いたノートを枕元にセットしておき、朝起きたらすかさずモーニングページを書けるような状態にしています。その後は散歩、筋トレ、瞑想、読書──と複数の習慣をチェーンにして、スマホが入り込む余地がないようなルーチンを組んでいます。
4.スクリーンタイム機能を活用する
- iOSのスクリーンタイムやAndroidのデジタルウェルビーイング機能を使って、朝の使用を制限する。
5.スマホの通知をオフにする
- 夜寝る前に通知をオフにするか、機内モードに設定する(必要に応じてWi-Fiもオフに)。
6.スマホのホーム画面を整理する
- 誘惑の多いアプリをホーム画面から削除し、フォルダにまとめる。
僕の場合、かなり極端ですが、ホーム画面に置くアプリは多くても3つ、スマホは常にグレースケール──白黒──で使用しています。
まとめ
起床後のスマホ使用には、情報取得や効率的なスケジュール管理といったメリットがある一方で、ストレスの増加や生産性の低下、脳への悪影響などのデメリットも存在します。健康的な朝のルーチンを築くためには、スマホの使用を控え、「今この瞬間」に目を向けられるような活動を取り入れることが重要と言えるでしょう。
これらの方法を実践することで、スマホ依存を減らし、より健康的で生産的な朝を迎えることができるはず。自分に合った方法を見つけ、無理のない範囲から着実に少しずつ習慣化していくことをおすすめします。