アイデアとか、ひらめきとかって聞くと、なんとなく「ゼロから何かを生み出す」みたいなイメージありませんか?
むしろ、アイデアはすでに存在する要素の新しい組み合わせに過ぎないんですよ。
『新しい何かを創り出さなくちゃいけない……』と変に身構えている人から斬新な発想が生まれそうですかね?
意識的か、無意識的かはともかく、無から有を生み出そうとしちゃってるんですよね。だから、「アイデアの発想は難しい」だなんて感じてしまうんです。
もっと自由でいいと思うんですよ、アイデアって。僕はというと、お風呂に入っているときやトイレ中に「あ!」とひらめくことが多いです。そんな感じでいいんじゃないでしょうか。
さて、今回はアイデアに関するお話です。インプットだけではダメですよ。
アイデアの発想=関連性を発見すること
『アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』
『物事の関連性を発見することが大切である』
こう断言したのは、『アイデアのつくり方』の著者でもあるジェームス・W・ヤングさんです。
「ゼロから何かを創り出すのではなく、すでにある要素を組み合わせることこそアイデア発想の本質」ということですね。
どんなものでもそこに関連性を発見することさえできれば、それは新しい組み合わせになるんですよ。
肩の力を抜いて自由に考える
よくインスピレーションだとか、神が降りてくる、なんて表現をしますが、アイデア発想はもっと雑な感じでいいんです、きっと。
ゼロから新しい何かを生み出す、無から有を創り出す、だなんて考えているから難しく思えちゃうんです。
そこで「アイデアの発想=たかだかすでにあるものの組み合わせ」と捉えることができれば、余計な力が入らずに自由に考えられるんじゃないんでしょうか。
- 「無から有を生み出さなくては!」という先入観を捨てられる
- アイデア発想の敷居を下げて「自分にもできるかも?」と思えるようになる
- 関連性を発見できればいいのだから、いつか思いつくだろう
肩の力を抜いて、自由に発想しようじゃありませんか。気が乗らないときは散歩でもしてさ。
アイデア発想/課題解決のコツ
先日、ずっと御預けを食っていた『ペンギン・ハイウェイ』を観に行ってきたんですが、作中に「アイデア発想/課題解決のコツ」に通ずる点があったのでまとめておきます。
研究熱心な主人公(アオヤマくん)のお父さんが、アオヤマくんの研究に関してアドバイスをするんですが、それがとても参考になるんです。
- 問題を細分化
- 問題同士の関係性/関連性を疑う
- 別の問題とすり替えをしていないかを確認
- 行き詰まったら全体を眺める
- それでもダメなら別のことをする
研究、実験を繰り返し、その結果をノートに書き留める毎日を送るアオヤマくんの脳は「飽和状態」になっていたんですね。
アウトプットこそしていたものの、知識をインプットしすぎていたせいで。ある種の思考停止状態のような。
だから、新しい考えが思い浮かばない。アイデアが生まれない。つまり、視野が狭くなっている状態です。
そこでお父さんのアドバイス。
「大きな紙に関係のあることをぜんぶメモしなさい。不思議に思うことや、発見した小さなことをね。大事なことは、紙は一枚にすること。それから、できるだけ小さな字で書くこと」
「どうして小さな字で書くの?」
「大事なことがぜんぶひと目で見られるようにだよ。そのようにして何度も何度も眺める。どのメモとどのメモに関係があるのか、色々な組み合わせを頭のなかで考える。ずっと考える。ごはんを食べるときも、歩いているときも。書いたメモが頭のなかでいつも自由に飛び回るようになる。そうしたら、毎日よく眠る」
「そうすればわかる?」
「あるときいろいろなものが突然つながる時が来るよ。一つのメモがもう一つのメモにつながって、そこにまた別のメモが吸い寄せられてくる。そして、エウレカだ」
「それでもわからないときは?」
「そういうときは、わかるまで遊んでいればいいさ。遊ぶほうがいいときもあるんだよ」
アイデアを生むためにはインプットばかりじゃいけない、ってことですね。
- インプットした知識を神に書き出す=アウトプットする
- メモを眺める=俯瞰する
- 遊ぶ=異なる情報を取り入れ、いったん問題を忘れる
- よく眠る=思考をリセット、常にクリアな状態に
- 常に考える=既存の要素と新しい要素がぶつかり合う
=Eureka(ユリーカ/エウレカ)!
エウレカ(ユリーカ)とは?
「Eureka(ユリーカ/エウレカ)!」とはいったいなんなのでしょうか。
これはアルキメデスの言葉として有名で、古代ギリシャ語で「われ発見せり」という意味を持っています。
古代ギリシアの数学者・物理学者・技術者・発明家・天文学者であるアルキメデスが「アルキメデスの原理」を発見したときにこの言葉を叫んだとされています。
アルキメデスの逸話
あるときアルキメデスは、シチリア島のシラクサの王から『この王冠って本当に純金なの?調べてくんね?』という命を受けました。
王冠を熱で溶かして体積をはかれば一目瞭然なのだが、大切な王冠を壊すわけにもいかないわけです。
あらゆる方法を考えてみたものの、なかなかいい案が思い浮かびません。
気分転換に風呂に使っていた彼は、浴槽からこぼれ落ちる湯を見て『これや!』とアイデアをひらめきます。
「水を満たした容器に王冠」と「金細工師に与えたのと同量の金」を交互に入れて、あふれ出した水量をはかることで、王冠が純金かどうか調べられることに気づいたんですね。
これを発見したアルキメデスは「Eureka(ユリーカ・エウレカ/われ発見せり)!」と叫びながら、シラクサの街を裸で駆け回ったそうです。
つまりは、上で発見した法則が「アルキメデスの原理」というやつですな。
これも実は「関連性の発見」なんですよ。金の量をはかる行為、そして浴槽からあふれる水量。すでにある要素の新しい組み合わせ、ってわけです。
まとめ
アイデアは要素の組み合わせにしか過ぎない。
そう考えれば、案外、アイデアの発想ってかんたんなもののように思えてきませんかね?
インプットだけでは不十分で、アウトプットも重要だし、時には遊ぶことも大切なんです。もっと楽しんで生きてみてもいいのかもね。
アウトプットの方法が図解つきでわかりやすくまとめられた良書です。辞書のように使うのがおすすめ。