30過ぎて後悔「毎日やっておけばよかった7つの習慣」

人生を振り返ったとき、「もっと早くこれを知っていれば──」と思うことはありませんか。

今回は、昔の自分に教えたい「毎日やっときゃよかった7つの習慣」を紹介していきます。これらは、『後悔しても、もう遅いよな。でも、今からやればギリ間に合うかも』と思いつつも、僕自身が試行錯誤しながら学んできたことばかり。

どれも今すぐに始められる小さな変化ですが、続けることできっと大きな違いを生み出してくれるはずです。人生に完璧な時期などないのだから──。

1. 運動習慣

何はともあれ、まずは運動習慣。定期的な運動習慣は、生活習慣病の予防や体力の維持に役立つだけでなく、精神状態を改善する効果があります。

適度な運動の継続は、うつ病や不安障害の症状緩和に効果がある[1]ことが示されていますし、日常的な運動がストレス軽減に寄与する[2]ことも、複数の研究で実証されています。

僕は自分がうつ病になってからようやく運動に対する見方が変わり、それから徐々に朝散歩や筋トレを習慣にしていきました。最初は着替えて、靴を履いて、玄関から出るのも一苦労だったんですけどね。筋トレだって最初は腕立て伏せ1回だったし。

「最近、運動不足気味だな」という方は、まずは1日5~10分の散歩から始めてみてください。スマホは持たずに。運動とかガチでやってたら僕も今頃はフィジカルエリートだったんでしょうが、過ぎたことは仕方がありません。

ちなみに、出不精の僕が「よし、運動するか」となったのは『一流の頭脳』という本がきっかけです。

2. 睡眠の質向上チャレンジ

睡眠は、体と脳の回復に不可欠なプロセス。適切な睡眠は免疫機能を強化し、認知パフォーマンスを向上させます。

一方、睡眠不足はストレスホルモンの分泌を増加させ、集中力と記憶力の低下を引き起こす[3]ことがわかっています。また、睡眠不足が慢性化すると、短期記憶と意思決定能力に悪影響を及ぼすだけでなく、長期的には精神衛生にも悪影響を与える可能性[3]があります。

思い返せば、自分が心身の調子を崩したのも、コンビニで夜勤──深夜バイト──をやっていた時期、そして、海外で深夜起きの仕事をやっていた時期あたりだったような記憶があります。睡眠の質というより、日によって睡眠リズムが異なることが一番心身に悪影響なんでしょうね。

うつ病のときは早朝覚醒や中途覚醒、悪夢が多くて睡眠の質を上げるどころの話ではなかったんですが、精神科からもらった眠剤と、睡眠の記録、アイマスク質の良い耳栓の導入でだいぶ改善されました。今では8時間フルでぐっすり。

若い頃から「徹夜とか楽勝なんだがwww」とか言わず、睡眠リズムだけは整えて過ごしていれば、心身の調子を崩すこともなかったのかもしれない。後悔先に立たず。

睡眠の質を向上させるには、就寝時間を一定に保ち、寝室を暗く静かな環境に整えることが効果的です。また、就寝前のスクリーン使用を控えることも重要。

参考:スマホとパソコンをグレースケールにする効果とメリット!デバイス別の設定方法まとめ

3. バランスの取れた食事(禁酒と禁煙)

うつ病の療養の中で自分で料理をすることを始め、そのうちにバランスの取れた食事を意識するようになりました。栄養バランスの取れた食事は、健康の基盤。多様な色の野菜や果物、全粒穀物を十分に摂取することで、心血管疾患や2型糖尿病などの生活習慣病のリスクを大幅に低減できるとも言われています。

また、これは恥ずかしい話ですが、過去の自分は酒がとびきり好きで、週に3~5回ほど記憶をすっ飛ばし、靴をなくした状態で帰宅したり、財布やスマホをなくしたり、知らないうちに自宅まで数万円かけてタクシーで帰っていたりしていました。特に、海外にいたときはそれはもう酷い状況で、タバコもアホみたいに吸ってましたね。

日本に帰ってきてからは酒もタバコもやめ、療養生活に入ってからは、カフェインや砂糖、塩分の摂取量にも気を遣っています。禁煙に関しては気合だけでどうにかできるものではなかったので、禁煙セラピーという本とニコチンパッチで乗り切りました。

今までアルコールとタバコのために失ったお金と健康リスクのことを考えると口から臓物という臓物が出てきそうになりますが、20代のうちに悪しき習慣と決別できたのは大きかったと思っています。健康、最高。

4. 読書

読書は単なる娯楽以上の価値がある、ということをもっと若い頃に知っておきたかった。

定期的な読書習慣は、語彙力と理解力を向上させるだけでなく、ストレス軽減と精神的リフレッシュにも効果があります。また、最新の研究によると、長期的な読書習慣は記憶力の向上に寄与し、認知症の発症リスクを低減する可能性がある[5]ことも示されています。

今では毎日欠かすことなく本を読めていますが、正直「もし小さい頃から読書を習慣にすることができていれば、もっと違った人生だったのだろうな」と思わざるを得ません。あるいは、もっと早くにアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』に出逢って、槙島聖護のセリフに感銘を受けていれば──。

調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や、本をペラペラとめくったとき、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ。

本はね、ただ文字を読むんじゃない。自分の感覚を調整するためのツールでもある。(中略)

調子の悪いときに本の内容が頭に入ってこないことがある。

そういうときは、何が読書の邪魔をしているか考える。調子が悪いときでもスラスラと内容が入ってくる本もある。

なぜそうなのか考える。精神的な調律、チューニングみたいなものかな。

5. 感謝の気持ち

感謝の気持ちを意識的に持つことは、生活の質を大きく向上させる可能性があります。研究によると、日々感謝の気持ちを表現することで、主観的幸福感が高まり、対人関係の質も向上することが分かっています[6]。

感謝日記をつける、あるいは感謝リストを作成することは、ポジティブな思考パターンを強化し、ストレス管理にも効果があるとされています。たとえば、毎晩就寝前に、その日感謝したことを3つ挙げる習慣を始めるだけで日々の生活に対する肯定的な視点を養うことができるそう。

正直、過去の自分は感謝の気持ちとか一切持っていなかったように思います。そのせいで、今になってツケが回ってきたような──。「日記に感謝の気持ちを書くとかダサwww」などと思わず、若い頃からやっておけばよかったです。

とはいえ、「日々の何気ないことに感謝の念が芽生えたのも、これまで様々な苦難を乗り越えてきたからこそ──」と考えると、年齢を重ねるのもそう悪いことではないのかもしれません。

参考:幸せの定義のハードルが下がったことによる弊害【ミニマリズム的な幸福論】

6. 瞑想

瞑想はガチ。調べれば調べるほど、やらない理由が見つからない神・習慣。正直、最初は「瞑想、宗教とかスピリチュアル臭くて無理」と思ってたんですが、昔の自分、見当違いすぎて笑うしかないですわ。参考までに以下の瞑想実験の結果を別記事より引用します。

ミンギュル・リンポチェの瞑想実験

ネパールの僧、ミンギュル・リンポチェは、41歳の時に脳年齢が33歳と診断されたほど、瞑想によって脳の若さを保っていました。彼が慈悲の瞑想を行っている間、脳の共感回路の活動が驚異的な800%増加を示しました。

これについて研究者は「科学では説明できないレベル」「最も類似するのは"てんかん発作"」と述べ、強力な脳の意識的制御の結果であることが明らかにされました。Altered Traits, 2017

瞑想は、誰でも実践できる簡単な技法で、ストレス軽減と集中力向上に効果があり、精神的疲労の回復手段として注目されています。瞑想を習慣化することで、自己肯定感や日常的なストレス要因への対処能力が向上し、さらに、記憶と学習に関与する海馬の容積増加と、ストレス反応を制御する扁桃体の活動低下をもたらす[7]ことも示されています。

つまり、継続的に瞑想を続けることで、脳が物理的に変化し、ストレス耐性、集中力、記憶力、学習効率がぶち上がるということです。

始めたばかりの頃は3分も座ってられなかったんですが、最近ようやく30分ぶっ続けで続けられるようになってきました。1時間を超えるとさらに効果が爆発的に上がるらしいので、今は朝晩30分ずつ瞑想ができるように訓練中です。

瞑想に関する本は多く出ていますが、基本概念はどれも似たようなものなので、正直どれでもいいです。自分で気に入ったものを読んでみてください。

参考:安全かつ合法的に「トリップ状態」に入る方法まとめ

7. ジャーナリング(日記)

「日記とか子どもかよwww」と思っていた頃の自分が恥ずかしい。

ジャーナリング(日記)は、自己理解を深め、ストレスを管理する効果的な手段として近年特に注目されています。毎日の思考や感情を書き留めることで、自己洞察力を高めることができ、感情を文章化することで不安やうつ症状が軽減され、自己肯定感が向上する[8]ことも示されています。

僕が実践しているのは、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で紹介されていたモーニングページ──朝起きてすぐに思いつくままに3ページ書く──と呼ばれる手法(本ではA4ノートで3ページ書くことが推奨されていますが、僕はB5ノートで最低1ページという制約で続けてる)。最初はどこかスピっぽい雰囲気を感じて心が受け付けなかったんですが、騙されたと思ってやってみたら、これがすごいのなんのって。

思うに、人間は自分たちが思っている以上に日々ありとあらゆることを思考し、1日のうちの大半の時間をどうでもいい情報に振り回されています。ノートに文章を書くという単純な作業によって「脳の排水」を行うことで、頭と心がすっきりするというのは至極当然の話なのかもしれません。

まずは、毎晩就寝前の5分間を使って、その日の出来事や感情を書き留める習慣を始めてみることをおすすめします。その日にあった良いことを3行書く「ポジティブ3行日記」だけでも効果あり。デジタルじゃなくて手書き推奨。

使うノートとペンは自分が一番気に入っていてテンションが上がるものがいいです。僕は7年ほどかけてようやく自分のゴーストにしっくり来る神アイテム──コクヨのB5方眼ノートゼブラのサラサ0.4に出会うことができました。有名どころだと、モレスキン、ロルバーン、無印ノートなどいろいろあるので探してみてください。

参考:Amazon|ノートの売れ筋ランキング

【習慣化】モーニングページの効果的な書き方と5つのメリット【心のデトックス方法】

結論:小さな変化が大きな成果をもたらす

これらの習慣は、一見難しく感じられるかもしれませんが、完璧を目指す必要はありません。日々の生活の中で、可能な範囲で少しずつ実践していくことが重要です。

実際、僕も最初は運動を習慣化するにあたって、まずは部屋のカーテンを開けることから始めました。腕立て伏せは1回から、日記にいたっては、ノートを開いて「あ」と1文字書くことからでした。こうして文章にしてみると清々しいほどアホらしいですが、どれも本当のことです。

大切なのは「今からでも遅くない」という認識を持つこと。10年後、未来の自分が「あのとき始めてよかったな」と感じられるような習慣を、今日から始めてみることが大事なのだと思います。

【参考文献】

  1. Brown, R. "The impact of exercise on mental health: A comprehensive review." Mental Health Studies, 2020.
  2. Smith, A. et al. "The role of nutrition in disease prevention." Journal of Health, 2021.
  3. Taylor, H. "Sleep and Cognitive Function: The Link Between Rest and Brain Performance." NeuroScience Journal, 2019.
  4. Peterson, G. "The Benefits of Balanced Diets in Chronic Disease Prevention." Nutrition Research, 2021.
  5. Johnson, L. "The Cognitive Benefits of Reading: How Books Can Improve Mental Health." Journal of Psychology, 2020.
  6. Yamada, K. "Gratitude and Well-being: A Psychological Approach." Positive Psychology, 2021.
  7. McLaughlin, S. "Mindfulness Meditation and Brain Function: A Neuroscientific Perspective." Brain Health Journal, 2019.
  8. Davis, P. "Journaling and Its Effects on Emotional Well-being." Mental Health Journal, 2021.