SOTOのレギュレーターストーブ ST-310の改造・カスタムの情報をまとめています。
ST-310には、数年前に挑戦した自転車日本一周旅行の際、毎日お世話になっていました。
本記事では、以下の改造方法を紹介しています。
その他、
「クッカーに収納してもいい?」
「シリコンチューブの適切な長さは?」
「クッキー型が見つからないんだけど?」
といった疑問にも答えているので、ST-310の改造を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
注意
改造・カスタムは自己責任でお願いします。本来の用途以外での使用は、いずれのメーカーでも推奨されておりません。
本記事の使用に際して発生した損害・不利益等について、当サイトは一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
ST-310の4つの欠点とは?
ST-310は収納性と利便性に優れているので、災害時の備品や避難時の持ち出し品として、ひとつ持っておくと安心なアイテムです(外でコーヒーも飲める)。
ただ、ST-310には、使い続けて分かる4つの欠点があります。
- 遮熱板が小さい
- 風の影響を受けやすい
- ゴトクによる火傷の危険性
- 点火のスイッチが押しにくい
遮熱板が小さくて不安…
ST-310は連続使用に強いとはいえ、ホース経由で燃料を供給する分離型のバーナーではないので、長時間の使用になると輻射熱*の影響を受けやすいです。
輻射熱とは?
輻射熱とは、輻射によって伝わる熱のことです。放射熱ともいいます。
CB缶の接続部分に輻射熱を保護するための「遮熱板」が備えつけてあるものの、サイズ感が小さく、ちょっと心もとないんですよね。
メーカーから純正オプションとして遮熱板(+溶岩石プレート)が出ているので、本来ならばこちらを選びたいところですが——。
100均の排水口カバーで遮熱板を自作する方法があるらしい
どうやら、100均(Seria)で売っている排水口カバーを使って、ST-310用の遮熱板を自作できるようです。
ただ、ドリルなどの加工用工具が必要になるため、今回は見送ることにしました(工具を買い揃えるより、純正品を購入してしまったほうが安上がりかも?)。
YouTubeやGoogleで「ST-310 遮熱板 自作」や「ST-310 遮熱板 100均」といったキーワードで検索すると、参考になる情報が出てくるかと思います。自信のある方は、挑戦してみるといいかもしれません。
純正、もしくは純正に近い形状の遮熱板が欲しい!
ここからは、市販で手に入る遮熱板の紹介になります。
純正オプションのレギュレーターストーブ専用溶岩石プレートST-3102に付属している遮熱板(寸法はおおよそ幅140×奥行140mm)です。
「オレ、ヤキタイ、ニク」という方はこちらの商品で即決してもよさそうですが、遮熱板だけ欲しい場合には、次項の「ヨコザワの盾」のほうがいいかもしれません(2020年3月現在、遮熱板のみの純正オプションは確認できていません)。
「ヨコザワの盾」は幅160×奥行160mmと大きく、輻射熱のカバー範囲も広い、安心感のある遮熱板です。
「バリ(素材の残材部分)がある」との口コミがあるようですが、気になる場合には、ヤスリやサンドペーパーをかけるといいでしょう。
ダイソーのクッキー型を風防に
ST-310はむき出しの状態——バーナーヘッドがすり鉢状になっていない——なので、どうしても風の影響を受けやすいです。
自転車日本一周旅行中、この欠点のせいでかなり苦戦しました。ゴトクの方向を変えたり、バーナーの周りを手で覆ったり、バッグを壁にして風を防いだりしているにもかかわらず、点火しては消え、点火しては消え——。
風による火力の不安定化の問題は、ダイソーのクッキー型を風防対策に使うことで解決できます。
ST-310専用のウインドスクリーンST-3101も販売されていますが、ゴトクにアシストグリップST-3105(もしくはシリコンチューブ)を装着してしまうと取り付けが不可能になります。
僕は、火傷防止のためにシリコンチューブを巻くことを優先して、ダイソーのクッキー型を風防として使うことにしました。
Cute Cookie Cutters かわいい抜型 5個組
風防として活用するのは、ダイソーのお菓子作りコーナーにあるクッキー型「Cute Cookie Cutters かわいい抜型 5個組」です。
さまざまなサイズが展開されているので、購入の際はきちんと5個組タイプのものかを確認するようにしましょう。
下写真の外側の丸型のものが、ST-310のバーナー部分にぴったりとフィットします。
商品名 | Cute Cookie Cutters かわいい抜型 5個組 |
材質 | ステンレス |
抜型 | ハート・ダイヤ・スペード・クローバー・丸型 |
取り付け方法
曲げたり、カットしたりといった加工は一切必要ありません。
セルクルをゴトクに通すときにちょっと苦労するかもしれませんが、そのまま、セルクルをバーナー部分に載せるだけで作業は完了です。
完璧な固定とまではいきませんが、サイズ感はぴったりですね。
火の周囲をぐるりと囲むように覆うため、防風性能が格段にアップします。
上から見ると、このような感じです。
このまま折りたたむこともできますし、逆さにしてもセルクルが落ちることはありません。
どうしても微妙なガタツキが気になる人は・・・
微妙なガタツキが気になる人は、セルクル下部のフチに沿って——釘とトンカチを使い——ぐるりと等間隔に凸をつけてあげると、さらなるフィット感を体験できます。
クッキー型が見つからないんだけど?
2020年3月現在、在庫確認しています。
ただ、3件目にしてやっと発見できたという感じなので、珍しいといえば珍しい商品なのかもしれません。
1件目で見つけられた方は「大層ラッキーな方」ですね(ダイソーだけに)(クッキーだけに)(型だけに)。
どうしても100均で同商品が見つからないときは、「丸セルクル」というキーワードで近いサイズのものを探してみるといいかもしれません。
クッキー型(丸型)のサイズ
直径58mm × 高さ18.4mm
別途セルクルを用意する場合の許容範囲は、ダイソーの抜型に比べて、幅マイナス2〜3mm、高さプラスマイナス2〜3mm程度(高さ25mm以上だとゴトクに干渉します)だと思われますが、自己責任での購入をお願いします。
ネットで検索した限り、以下の55mm × 20mmの丸セルクルがもっともダイソー商品に近いサイズでした。
ちょっとゆるそうですが、使用時ごとにポンとバーナーヘッドに装着するような使い方であれば問題ないでしょう。
クッキー型で改造したST-310の性能テスト
ユニフレームの山クッカーに水道水を入れて沸騰するまで性能テストをしてみましたが、セルクルがほんのり茶色っぽくなりました。強火で熱しすぎると、セルクルが真っ赤になってしまうようです。
ダイソーのクッキー型は縦幅が高すぎる節があるので、心配な方はあと5mmほどカットして低くしてもいいかもしれません(カットの際は、金属バサミでどうぞ)。
耐熱シリコンチューブでゴトクをカバー
火傷の防止に
ST-310はゴトク部分と支台が一体化しているので、点火中は——素手で触れないぐらい——ゴトクが熱くなります。
まあ熱くなることは安易に想像できるので、バーナー使用後は冷めるまで待てばいいのですが、うっかり少しでも指が触れてしまうと、火傷の危険性があります。
純正オプションのアシストグリップST-3105は、あくまで滑り止め用のために短く設計されているため、火傷防止にはちょっと不安——。
自分で使うときはもちろん、キャンプに不慣れな方や子どもと一緒に使うことがある場合には、火傷防止のための対策をして安全面に配慮したいところですよね。
滑り止めやガタツキ防止にもなる
ST-310のゴトクは金属製のために滑りやすいです。
点火スイッチを押すときにゴトクもいっしょに動いてしまったり、配置場所によって地面とゴトクとの間にわずかな隙間ができて不安定になってしまったり、とイライラすることもしばしば。
シリコンチューブを利用したカスタム方法であれば、火傷防止と滑り止め・ガタツキ防止の問題をいっぺんに解決できます。
用意するもの
僕はAmazonで耐熱シリコンチューブ(内径4mm × 外径6mmのもの)を購入しましたが、ホームセンターで調達してもいいでしょう。
モノタロウとAUTOMAX izumiのシリコンチューブ比較表
ST-310の改造でよく選ばれているシリコンチューブは、モノタロウ製とAUTOMAX izumi製の2つです。
MGJG-4.0(モノタロウ) | AUTOMAX izumi | |
内径 | 4mm | 4mm |
外径 | 6mm | 9mm |
長さ | 1m | 1m |
耐熱温度(℃) | -40〜200 | -50〜200 |
カラー展開 | 半透明 | レッド・ブルー・イエロー・オレンジ・ブラック |
耐熱温度にはほとんど差がないので、外径の違いやカラーバリエーションで好みが分かれそうですね。
適切なシリコンチューブの長さは10〜16cm {#length}
上記の各シリコンチューブのレビューには、さすが定番カスタムとも言うべきか「ST-310への装着に利用したよ」という口コミが多いです。
その中には、適切なシリコンチューブの長さについてを書いているものも多く、たいへん参考になります。
チューブの切り分けの長さは人によって幅がありますが、10cm、13cm、15cm、16cmあたりが多いかな、という印象ですね。
ただ、切り分けを長く設定した分、それだけ輻射熱によってシリコンチューブが溶ける危険性が上がることはたしかです。
※公式サイトにも「上部にアシストグリップを取り付けて使用するとアシストグリップが溶けるあそれがあります」との注意書きがあります1。
安全面を優先したい方は、純正オプションのアシストグリップ(長さ9cm)に近い、10cmほどに切り分けてあげるとベストだと思われます。
取り付け方
step
1シリコンチューブを任意の長さにカットする
step
2カットしたチューブに潤滑油をさし、軽く揉んでなじませる
潤滑油となりそうなもの一覧
水、せっけん水、食用油、食器用洗剤、除菌用スプレー、消毒用アルコールジェル、シリコンスプレー
ちなみに、公式サイトのアシストグリップ-ST3105のページでは食用油が使われています2。
step
3ゴトクの先端から挿入し、チューブをつまんで押し込んでいく
step
4チューブを取り付けたあと、ゴトクについた潤滑油を拭き取る
作業完了です。所要時間は潤滑油の種類によっても変化しますが、シリコンスプレーで挑戦したところ、シリコンチューブを4本つけるまで3分もかかりませんでした。
今のところ、使用時に問題は見られませんが、異変を感じたらすぐにチューブの長さを調整するなどの対策をしましょう。
スノーピークのチタンマグを持っている方は、そちらのカスタムにシリコンチューブを転用することもできます。クッカーやコッヘルの取っ手にも使えるかも?
スノーピーク チタンマグ300をカスタム!持ち手にシリコンチューブをつけるだけ
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点火アシストレバーとアシストグリップのセットもあるけど・・・
純正オプションには、点火アシストレバーとアシストグリップがセットになったST-3106もありますが、僕は別々に購入しました。
買わなかった理由
- 欲しいと思えるカラーバリエーションがなかった
- レビュー評価全体の印象がそれほどよくなかった
- 別々に用意したほうが安い&自由度が高い(チューブの長さを自分で決められる)
アシストセットST-3106のカラー展開はオレンジ、ブルー、イエローの3色展開です。
SOTOのロゴも入っていてかわいらしい雰囲気なので、純正がいいという方はこちらを選ぶといいでしょう。
ただ、アシストセットのレビューに「グリップがすぐに割れる」との口コミが多かったことが気になりました。
初期不良の類なのか、使い方の問題なのかはわかりませんが、購入の際は念のために確認しておきたいポイントです。
ケースは付属のソフトカバーで十分
純正のハードケースは使いにくかった・・・
純正オプションには、本体とウインドスクリーンを収納できるマルチケース(ハードケース)付きのセットが各種販売されています。
僕がST-310を手に入れたときも、このマルチケースがセットになったものを選びました。
ただ、自転車日本一周旅行中、マルチケースにST-310を入れて持ち運び続けた結果、まあ使いづらかったんですよね。
頑丈で安心感はあるものの、バーナーがきれいに収まるわけでもないので、空いたスペースが気になって仕方がなかったです。
ウインドスクリーンなどのオプションを持っていない場合は、付属のケースで十分かと思いますね。
「大切なバーナーだから、きちんと管理したい」という方は、純正のハードケースを選ぶと安心できますよ。
アシストセット付属のケースはスマートさに欠ける
アシストレバーとアシストグリップ、アシストポーチがセットになったアシストセットST-3104CSも販売されています。
円柱形のケースは一見スマートそうに思えますが、ST-310の形状にはあまりあっていないような気もしますね。
Amazonのレビューでも、「作りが雑」「ケースはいらない」「ポーチだけの単品販売ないの?」など、難を示す口コミがちらほらあります。
とはいえ、SOTOのロゴ入りは控えめに言ってもクールでかわいらしいので、価格の面が気にならなければ満足できる商品でしょう。
ST-310はラーメンクッカーに収納してもいいかもしれない
ST-310はとてもコンパクトな形状をしているので、クッカーに収納してもいいかもしれません。
ダイソーの風防やシリコンチューブ、点火アシストレバーを取り付けたままでも収納が可能です。
ただ、裸の状態のままだと衛生上の問題につながったり、移動中にカタカタと音が鳴る、もしくは傷がつく可能性があります。気になる人は布を巻くなり、付属のソフトケースでST-310を保護しましょう。
ちなみに僕は現在、裸ですね。——ああ、ええと、僕は現在、ST-310を裸のまま、クッカーに収納しています(裸のまま記事は書いていません)。
クッカーにST-310を収納する場合は、安全のためにベルクロ(ベリベリ)でクッカーのフタを固定するといいかもしれません。
僕がST-310を収納しているのは、ユニフレームの山クッカー角型のセットです(一番大きいサイズのクッカーにぴったり収まる)。
まあこのクッカーセットの場合、3つのクッカーがマトリョーシカ風に重ねられる(スタッキング)のが最大のメリットなので、ST-310をクッカー内に収納すると自らメリットを捨てることもになりますね。
点火アシストレバーはあると超便利
ST-310の点火スイッチは、火力調整のための器具栓つまみの下部に隠れるように位置しているため、とても押しにくいです。
再点火の際、うっかりゴトクに指が触れてしまいそうになって、スイッチまで手を潜り込ませるのが怖いんですよね(外が暗いときは、視界が悪いから特に怖い)。
バーナーが冷えた状態であれば問題はありませんが、バーナーが熱い状態で点火スイッチを押そうとすると、高確率でゴトクに指が触れ、火傷の危険性があります。
ST-310は点火スイッチを——地面に対して水平方向に——押して点火する構造のため、片手で点火スイッチを押すと、同時にバーナー本体まで動いてしまいます。
片方の手でCB缶なり、本体なりを支えながら点火スイッチを押す必要があるので、必然的に片手での操作ができない(シリコンチューブなしの状態だと火傷の要因にもなる)のです。
安全面を考慮すれば、むしろこの点は評価できるポイントなのかもしれませんが、毎回となると割とストレスになっちゃうんですよね。
これらの問題には、純正オプションである点火アシストレバーST-3104を装着することで解決できます。
取り付け方法
※アシストレバーの取り付けにはプラスドライバーが必要です。
step
1器具栓つまみを広げて取り外す
器具栓つまみはバネ式になっているので、左右に引っ張ると取り外すことができます。
step
2アシストレバーを器具栓カバーに通す
アシストレバーのネジは完全に取り外さなくても、緩めるだけで問題ありません。
器具栓カバーに通す際は、奥までしっかり(隙間がないように)押し込みましょう。
step
3固定ネジを締めて点火アシストレバーを固定する
step
4器具栓つまみを元のように取り付ければ装着完了
所要時間は1〜2分程度です。
仕組みの解説
レバーが押し込まれることで、点火スイッチが横にスライドし、点火が可能になっています。たった数センチの差ですが、これだけで利便性は格段にアップしますよ。
アシストレバーを装着すると、片手でも点火できるようになります。
ただ、便利なだけに子どもでも点火できてしまいます。誤って点火させないようにするためには、目を離さないこと、もしくは使わないときはガス缶を外しておくことが大切です(器具栓つまみが締まっていれば問題はなさそうですが)。
また、片手で操作できるからといって油断すると火傷する危険があるので、点火の際はクッカーや鍋をいったん下ろしてから点火するようにしましょう。
点火スイッチによる着火が難しいときのTips
風がある、もしくは外気温が低いと点火スイッチによる着火が難しいときがあります。
そういった場合はライターやガスライター(チャッカマンとか)などで直接、バーナー部分に火をつけてあげるといいです。
ちなみに、ライターを使う場合は、風の影響を受けにくいバーナータイプがおすすめ。お守り代わりにひとつ持っておきましょう。
まとめ
以上、ST-310に関する改造方法を紹介しました。冒頭部分での注意と重なりますが、くれぐれも各改造は自己責任でお願いします。
あたたかくなってきたら、ST-310とスノーピークのマグを持って、外でのんびりコーヒーを飲みながら読書でもしたいですね。
日常のちょっとした料理時にも使えて、災害時の備品や避難時の持ち出し品としても優秀なSOTO ST-310、まだまだお世話になります。
スノーピークのチタンマグ300をシリコンチューブでカスタムという記事も書いています。
スノーピーク チタンマグ300をカスタム!持ち手にシリコンチューブをつけるだけ
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【簡単&うまい&安い!オリジナルパスタレシピ】
1.たっぷりのお湯でパスタを茹でる。塩は適量
2.茹で上がったら、お湯を切っておとなのふりかけ さけ味を入れる
3.しょうゆを約1周
4.マヨネーズ1〜2周
5.塩コショーで味を整える
6.かき混ぜて食う
7.マ ジ で う ま い pic.twitter.com/ayDaVd1L4x
— あめぎ (@ameyohure) July 11, 2017