完璧主義と先延ばしと「人目が気になる心理」の関連性

先延ばし癖は、もはや全人類に共通する特性なのではないか──。

完璧主義や「人目が気になる心理」から生じる先延ばしに悩む人は、現代では特に多いように感じます。

なぜこういったことが起きるのかを自分なりに考えてみたところ、ある感情──すなわち、恐怖こそが根本的原因であるという結論に辿り着きました。

「完璧でなければ」という思い込みが「人目が気になる」に繋がる

まず、完璧主義は「完璧にやらなければならない」「失敗してはいけない」という強い思い込みに基づいていると考えられます。

こうした観念があると、失敗に対して"恐怖"を感じるようになります。

完璧でなければ、他者から評価されない、成果を得られない、能力がないと思われる、嫌われる、など──。

これが「人目が気になる心理」に直結しているということです。

恐怖が先延ばしに繋がる

人からの評価を意識しすぎると、「失敗して自分の価値が下がる」「人から悪く見られる」という恐怖が深まり、自信を失う要因となります。

自信がないと、自分のやることに対して「できないかもしれない」「失敗するかもしれない」という心理がはたらき、最終的に行動を先延ばししてしまうということですね。

つまり、失敗を恐れるあまり、完璧にできないなら最初からやらないほうがいい、という思考に陥り、行動を回避してしまう──と。

恐怖を感じるのは当たり前

「無能だと思われたくない」「嫌われたくない」「人からよく見られたい」という感情は、誰しもが当たり前に持っている自然な感情です。

そういった恐怖心が自己防衛本能として働き、"先延ばし"という形で表れているだけ。ここで「先延ばしは悪いこと」とジャッジが入ると、自己否定に繋がりかねません。

先延ばしを「サボり」と捉えると悪いことのように思えるし、「準備」と捉えれば良いことのように思えてくる。良し悪しなんて見方ひとつで簡単にひっくり返る。

結局、問題なのは、自己評価が他者の評価に大きく依存している状態なんですよね。

「人目を気にする性格」は治せるか

そもそも、「人目を気にする性格は治せるか」とあたかも病気のように捉えること自体が的外れなことなのかもしれません。

仮に人目をまったく気にしない性格なら、寝癖も直さないし、着替えないし、鼻毛も出しっぱなしだし、化粧もしないはずです。

そう考えると、実は誰もが「人目を気にする性格」なんですよね。そこから先はそれが強いか弱いかの問題であり、戦うか、逃げるか、留まるか──という選択があるだけ。

人目を気にする性格や特性がどうという話ではなく、むしろ「恐怖をどう扱うか」という話として考えたほうが建設的な気がします。

自己否定は百害あって一理なし

人目が気になる心理や完璧主義、先延ばしで悩んでいる人は、十中八九「自己否定」が癖になっているのだと推測できます。

完璧主義の根底には「完璧でないと駄目だ」という自己否定が潜んでおり、これは自分に対する非常に厳しい姿勢と捉えられます。

ここで重要なのは、感情をそのまま受け止めること。『ああ、いま自分は怖いと感じているんだな』と良い悪いのジャッジをせずに認識すること。

自分を責めたくなる気持ちも、焦る気持ちも、異常なまでの自己肯定感の低さも、嫉妬の感情も、劣等感も、ここでは抜きにして、ただ感情を受け止める。

難しいし、辛いし、慣れないことかもしれませんが、「ありのままの感情に気付いて肯定も否定もしない」ことこそ、先延ばしを防ぐ第一歩なのだと僕は思っています。

次回、『人生は、命ある限り、先延ばし撲滅キャンペーン』──?!(続きません)