極めろ、独学。AIツールを使った効率的な学習フローを考える

近年、AIツールの発展により、独学の可能性が大きく広がっています。

今回は、僕が普段から行っている「AIツールを活用した効率的な学習フロー」について、具体的な方法や注意点を交えながら解説していきたいと思います。

*本記事で紹介している方法はあくまで一例です。より効率的な方法もあるかと思うので、自分なりにカスタマイズして試行錯誤することをおすすめします。

AIツールを活用した独学の利点

独学にAIツールを取り入れることで、以下のような利点があります。

  1. 情報収集の効率化
  2. 深い理解の促進
  3. 個別化された学習体験
  4. 24時間365日利用可能な学習支援

あまり大きな声では言えませんが、よほど専門性の高い特殊な分野でない限り、オンラインスクールに支払うお金で各AIツールに課金したほうが効率が良い気さえしています。実際、僕はそうしました。

効果的な学習フローの構築

基本的な流れは以下の通りです。

  1. 収集:学習したい分野のキーワードを元に、PerplexityやGensparkを活用してリサーチを行う
  2. 整理:NotebookLMを活用して収集した情報を整理し、深く理解する
  3. 拡張・検証:ChatGPTやGemini、Claudeを活用して情報の正確性を検証し、さらに知識を拡張する
  4. 定着:アウトプットや、AIを用いた質問を自動生成などで知識を定着させる

1. 情報収集フェーズ

効率的な独学の第一歩は、質の高い情報を収集することです。最も重要なフェーズであり、最も困難が伴う作業でもあります。

1-1. キーワードの整理

学習したい分野のキーワードを明確にすることが重要です。

例えば、「機械学習」を学びたい場合、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」などのキーワードを思いつく限り挙げていきます。

1-2. リサーチツールの活用

GensparkPerplexityなどのAIを活用したリサーチツールを使用すると、広範囲な情報を効率的に収集できます。

これらのツールは、ウェブ上の膨大な情報から関連性の高いものを抽出し、要約してくれます。

Perplexityを選ぶべきケース

  • 正確な情報が必要な場合:特定の事実やデータを知りたい場合、Perplexityは信頼できる情報源となる。
  • 幅広いタスクをこなしたい場合:テキストの要約や翻訳など、様々なタスクを一つのツールで済ませたい場合に便利。

Gensparkを選ぶべきケース

  • 新しいアイデアや情報を求めている場合:既存の情報に縛られず、新しい視点からの回答を得たい場合に適している。
  • 無料で使えるツールを探している場合:基本的な機能であれば、Gensparkは無料で利用できる。

以下、リサーチツール使い分けのポイントです。参考までに。

  • 目的:何を知りたいのか、何をしたいのかをはっきりさせる。
  • 情報源:既存の情報で十分か、新しい情報が必要か。
  • 機能:必要な機能が揃っているか。
  • 費用:無料で利用したいか、有料プランも検討したいか。

一度、両方のツールを試してみて、自分に合ったツールを見つけることをおすすめします。僕はPerplexityを使うことが多いですね。あと、Felo AIも。

参考:日常で使っているAIツールの使い分けメモ【2024年10月】

1-3. 情報源の絞り込み

収集した情報の中から、信頼性が高く学習目的に合致する情報源を厳選します。学術論文、専門家のブログ、信頼できる教育機関のウェブサイトなどを優先的に選ぶと良いでしょう。

僕は基本的にざっくりとした知識を取り込むことを目的に学習することが多いので、情報を集める際には情報の正しさよりも、網羅性を重視しています。

比較的、信頼性の薄いWebサイトやWikipedia、X、YouTubeなどからも情報を引っ張り、ファクトチェックは後でまとめて行うようにしていますね。

いちいちファクトチェックしながら情報を集めていくのもちょっと面倒ですし。ただ、それが正解かはわかりません。ご了承をば。

2. 情報の整理と深堀り

収集した情報を整理し、深く理解するフェーズです。

2-1. NotebookLMの活用

NotebookLMは、追加したソースから重要な情報を抽出し、ユーザーの質問に回答するAIツールです。

収集した情報をNotebookLMに入力することで、効率的に情報を整理し、理解を深めることができます。

2-2. 質問設計

NotebookLMに対して、より深く掘り下げたい内容に関する質問を設計します。

例えば、「機械学習の応用分野にはどのようなものがありますか?」「教師あり学習と教師なし学習の違いは何ですか?」などの質問を投げかけます。

2-3. 回答の分析

NotebookLMの回答を分析し、新たな疑問点や学習すべき点を洗い出します。この過程で、さらに深く学ぶべきトピックが明確になります。

2-4. メモの活用

NotebookLMの回答は、それぞれ付箋のようにメモにし、ストックしておくこともできます。これが意外と便利なんですよね。

3. 知識の拡張と検証

AIツールを使って得た知識を拡張し、その正確性を検証するフェーズです。

3-1. ChatGPTやGeminiとの連携

NotebookLMで得た知識をさらに深めるため、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデルを活用します。これらのAIは、より専門的な知識や最新の情報を提供してくれる可能性があります。

3-2.ファクトチェック

AIが提供する情報は常に正確とは限りません。そのため、重要な情報については必ずファクトチェックを行いましょう。

学術論文や信頼できる専門書、専門家のウェブサイトなどを参照し、情報の正確性を確認します。

手順としては、ChatGPT、Gemini、Claudeあたりに情報のソース元を提示させ、それを実際にチェックしに行く──といった流れですね。

その情報源をまたNotebookLMにソースとして食べさせても良いでしょう。ファクトチェックもできるし、新たな情報源も手に入って一石二鳥です。

4. 知識の定着

学んだ知識を長期記憶に定着させるフェーズです。

4-1. アウトプットの作成

学んだことをまとめ、ブログ記事やプレゼンテーションなど、具体的なアウトプットを作成します。アウトプットを作成する過程で、知識の整理と定着が進みます。

4-2. 教えることによる学習

周囲の人に学んだ内容を教えることで、理解度を深め、記憶に定着させます。オンラインフォーラムや勉強会などで、学んだ内容を共有するのも効果的です。

4-3. 反復学習

定期的に学習内容を復習します。AIツールを活用して、以前学んだ内容に関する質問を自動生成し、それに答えることで効率的な復習ができます。

学習フローの継続的改善

フィードバックループの構築

効果的な独学を継続するには、自身の学習プロセスを常に改善していく必要があります。

1. 学習ログの記録

学習内容や成果を日々記録します。どのようなAIツールを使用し、どのような学習方法が効果的だったかを詳細に記録します。

僕の場合、控えている試験などもないため、学習フローの所感をノートにちょっと書き留めておく程度です。また、学習フローが合理的か、より効率的な方法がないかをAIに聞いてみるのもおすすめ。

2. 定期的な振り返り

記録した学習ログを定期的に振り返り、学習効率や理解度の変化を分析します。効果的だった学習方法を特定し、それをさらに強化していきます。

3. 目標設定

振り返りの結果を基に、次の学習目標を設定します。短期的な目標と長期的な目標を明確にし、それに向けて新たな学習サイクルを開始します。

AIツールを活用する際の注意点

1. 情報の信頼性

AIツールは非常に便利ですが、提供する情報が常に正確とは限りません。特に、最新の出来事や専門的なトピックについては、必ず他の信頼できる情報源で確認することが重要です。

2. 倫理的配慮

AIツールを使用する際は、著作権やプライバシー保護などの倫理的な側面にも注意を払う必要があります。特に、AIが生成したコンテンツを公開する際は、適切なクレジット表記や利用規約の確認を忘れずに行ったほうが良いでしょう。

3. 批判的思考の維持

AIツールに頼りすぎると、自分で考える力が弱くなる可能性があります。AIの回答を鵜呑みにせず、常に批判的に考え、疑問を持つ姿勢を維持することが重要です。これは僕も気をつけなければならない点と言えます。

AIツールに頼りすぎると、自分の考えを客観的に見れる反面、「これは本当に自分の考えか?」という自問自答に陥ることがあります。AIの生成する文章が非常に自然なため、いつの間にか自分の思考がAIに委ねられているような感覚になるんですよね。

せめてもの対処法として、意識的にマインドフルネス瞑想や、ノートを使ったアイデア整理、紙の本での読書の時間を設けるようにはしていますが。

参考:AIを活用したアウトプットで得た5つの恩恵、僕の体験と科学的根拠

独学道、今後の展望

AIツールを活用した学習は、今後さらに発展していくことが予想されます。例えば、以下のような進化が期待できるかもしれません。

  1. メタバース空間での没入型学習
  2. AIによる個別最適化された学習プラン
  3. 脳科学の知見を取り入れたAI学習支援システム

学習に全集中できる環境をメタバース空間で再現し、脳科学の知見を取り入れたAI学習支援システムによって、パーソナライズされた学習プランを組める未来──。

考えただけでもワクワクしてきませんか? 数年後、もしかしたら本当に「教育の概念」がひっくり返るかも。

こうした新しい学習スタイルに対応するためにも、常に最新の情報を収集し、自ら学び続ける姿勢は大切な気がしています。

余談:学習フローの参考になっている本

僕の学習フローは、主にジャームズ・W・ヤングの著書『アイデアのつくり方』を参考にしています。

60分で読めるぐらいライトな内容ですが、いろいろな思考法の元となっている本だけにあり学びが多いですね。

  1. データ(資料)集め
  2. データの咀嚼
  3. データの組み合わせ
  4. ユーレカ(発見した!)の瞬間
  5. アイデアのチェック

あとは、東大・京大で1番読まれた本である『思考の整理学』、デカルトの『方法序説』、安宅さんの『イシューからはじめよ』あたりも影響大。

参考:頭の中がぐちゃぐちゃ!3ステップで思考を整理する方法「考える時間」を作ると日常に革命が起きる|アイデアの重要性と作り方

まとめ

では、効果的な独学のポイントを以下にまとめます。

  1. 多様なAIツールを組み合わせ、それぞれの特徴を理解して効果的に使い分ける
  2. 情報の整理を徹底し、構造化された知識を築き上げる
  3. 学んだことを積極的にアウトプットし、知識の定着を図る
  4. 継続的なフィードバックループを構築し、学習プロセスを常に改善する

AIツールを活用した独学は、個人に合わせた最適な学習方法を構築できるという点で非常に魅力的と言えます。

ただし、AIはあくまでも学習を支援するツールであり、学習の主体は常に自分自身であることは覚えておきたいものですね。

自分自身の学習スタイルに合った最適な学習フローを見つけるためには、AIツールとよく遊ぶことが重要です。それが、AIの賢い活用法に通じると僕は思っています。