「本を読みたい気持ちはあるんだけど、なかなか読めないんだよなあ」と思ったことありませんか?
一言で「本を読めない……」と言っても、その言葉の裏にはいろいろな理由が隠れているものです。
「本を買うお金がない」
「本を読んでる時間がない」
「そもそも読む気分になれない」
「すぐに集中力が切れてしまう」
「本を読みたい!」という意欲はあるのに、なぜだか本を読めていない——。
そんな悩みをお持ちの方におすすめしたいのが、本を聞く「オーディオブック」なのです。
※オーディオブックとは、プロのナレーターが書籍を朗読した音声データ(mp3など)のこと。
オーディオブックの3つのメリット
オーディオブックの大きなメリットは以下の3つです。
3つのメリット
- 読書の習慣が自然と身につく
- 読書が苦手でも本を楽しめる
- スキマ時間を有効活用できる
読書の習慣が自然と身につく
勉強のため、娯楽のため——。
その時々の「目的」によって、読書に対する感じ方は変わってきます。
「勉強のため」と理解しているのに、どうしても集中力が続かなかったり……。
「娯楽のため」に本を読んでいるのに、どうしても内容が頭に入ってこなかったり……。
どうして本を読むときには、いつも集中力やモチベーションに差が出るのでしょうか?
答えは簡単です。
——それは、読書の習慣がないから。
単純に「習慣の問題」です。本を読むことに慣れているか、慣れていないか、というだけ。
シスターが祈る理由
ひとつ、おもしろいエピソードを。
「私たちは、なぜ祈るのでしょうか?」
若い修道女たちは、「神を愛し、毎日崇拝したいと願っているから」「悩み多き魂を静めるため」「感謝を表し、許しを求めるため」などと答えます。
しかし、シスターはいずれも正しい答えとはしつつも、「でも、それは私たちが祈る理由ではありません」と話します。
「私たちが祈るのは——」
シスターは言います。
「——私たちが祈るのは、鐘が鳴るからです」
オーディオブックも立派な読書
オーディオブックとは言え、耳で本を読む——立派な読書です。
たしかに、紙の本のようと違って、パラパラとページをめくって読んだり、ナナメ読みはできません。
でも、とにかくオーディオブックは楽なんですよね。
一度再生ボタンを押してしまえば、あとは聞いているだけで本を読むことができますので。
だからこそ、「本は読みたいけど、なかなか読書の習慣が身につかない……」と悩んでる人にはオーディオブックがおすすめなのです。
読書が苦手でも本を楽しめる
正直に告白すると、僕はあまり読書が得意なほうではなかったんです。
「ああ、せっかく本買ったし、ちゃんと読まなきゃなあ」とは思いつつも、ついつい言い訳して本を読むことを先延ばしにしがちでした。
いざ本を手に取ってみても、すぐに集中力が切れてしまったり、うっかり同じ行を読んでしまったりしまっていて、「自分って読書に向いてない性格なのかも……」と思ってましたね。
そこで「まあモノは試しだよな」と、何の気なしにオーディオブックを聞きはじめたんですよ。そしたら、これがまたおもしろくて。
たしかそのとき——耳で——読んでいたのが「影響力の武器」という心理学の本だったんですが、なぜだか紙の本よりも頭に入って来やすかったんですよね。
本を読む自体が苦手だったというのもありますが、当時の僕にとっては「耳で本を読むことの楽さ」こそが読書習慣への第一歩だったんです。
オーディオブックで「読書のおもしろさ」に目覚める
オーディオブックを購入したてのうちは、正直、あまり効果的だとは思えなかったんですよ。
それでも、紙の本と一緒で、「せっかく買ったから聞いてみるかあ」という気持ちでだらだら聞いていたら、
「あれ? 実は読書ってすごく楽しいことなんじゃ?」
と思い始めるようになっていて。
実は、僕が読書を苦手だと思ってた理由って、
- 集中力が続かない
- 本の内容が頭に入ってこない
- 読んでる時間がもったいないのでは
とかとか、本の中身とはまったく無関係の——自分自身の——問題だったことに気づいたんですよね。
要は、本を読むことの楽しさを知らなかっただけだったんです。
そのおかげもあってか、オーディオブックを聞き始めてからというもの、だんだん読書という行為そのものも好きになってきて、生活の中でこんな変化が出てきました。
3つの変化
- 読書の機会が増えた
- 原作に興味を持つようになった
- 図書館や本屋へ足を運ぶ回数が増えた
つまりは、「前は読書が苦手だったけど、オーディオブックのおかげで読書が好きになったよ」という話ですね。
今はどちらかと言うと紙の本を読んでることが多いんですが、読書の楽しさ、おもしろさに気づけた要因として、オーディオブックの存在は大きいです。
スキマ時間を有効活用できる
オーディオブックの最大のメリットは「スキマ時間を有効活用できる」ことです。
ある程度は読書というものに慣れていないと、どうしても読書って敷居が高いんですよね。
集中力も使うし、目も疲れるしで、「よし、読もう」と一呼吸置かないと、なかなか本に手が伸びない。
その点、オーディオブックは「耳を使うだけ」なので、その敷居がぐっと低くなるんですよ。
言い換えるなら、通常の読書に比べて、ずっと軽い気持ちで読書ができるんです。
紙の本(電子書籍) | オーディオブック |
両手、眼球 | 耳のみ |
↑読書時に使う器官
モチベーションが上がる
スキマ時間がいきなり読書の時間になるので、読書に対するモチベーションが自然と上がります。
さらに、インプット量が圧倒的に増えることで「学習意欲の向上」も見込めますし、いいサイクルに入れるんですよね。
「ながら読書」ができる
人は一日に平均2時間も悩んでいる、なんて言われたりしますが、そういったスキマ時間をすべて読書に費やせるとしたらどうでしょう?
時間も集中力も限られたものですが、意外と日常でムダにしている時間って多いんですよね。
オーディオブックは、「両手を動かしている——または使えないけど、頭は暇してる」というときに「ながら読書」ができるんですよ。
「本を開いて文字を読む」という行為がカットできるので、通勤・通学時、ジョギング、筋トレ、洗濯、調理、散歩中、育児——などのあらゆるシチュエーションでの読書が可能です。
ただし、勉強しながら、テレビ見ながらといった、大事な作業中はおすすめできませんね。人間はもともと複数の作業を行う「マルチタスク」には不向きなので。
頭を使わない単純作業であれば問題ありません。
マルチタスクは脳に悪い!やめれば仕事の生産性が40%アップする
お金持ちの63%は移動中にオーディオブックを聞いている
HABITS OF THE WORLD’S WEALTHIEST PEOPLE - Business Management Degree
なんと、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットといった世界の富裕層の63%が移動中にオーディオブックを聞いている(「年収300万以下層」は5%)とのこと。
また、
- 88%が1日30分以上本を読む(「年収300万以下層」は2%)
- 86%が読書が好きである(「年収300万以下層」は26%)
ということも言っています。これから読書を習慣化しようとしているタイミングであれば、このデータはうれしいものですね。
Q.読み上げ機能(Kindleなどの)じゃダメなの?
Kindleでも音声の読み上げ機能はありますが、読み手によって、頭への——本の内容の——入り方がぜんぜん違うんですよ。
やっぱり、プロのナレーターや声優さんは特別に上手ですし、何より「語りの力」をすごく実感しますね。
オーディオブックは「倍速」で聞くのがおすすめ
オーディオブックを倍速で聞くことで、時間の短縮にもなりますし、脳も活性化します。
聞き取れない部分は脳が勝手に補完してくれるので、だんだんと倍速で聞くことに慣れていくといいと思います。
オーディオブックの収録時間はものによって違いますが、だいたい「3〜6時間ぐらい」です。
たとえば、もともと6時間のオーディオブックを2倍で聞くとしたら「3時間」に、3倍で聞くとしたら一気に「2時間」になります。
語学学習、スキルアップ、資格勉強、受験勉強——などなど、効率よく知識を得たいのであれば、倍速は必須ですね。
僕は普段3倍〜ぐらいで聞いてます。慣れるまでちょっと時間はかかりますが、意外と人間の脳って聞き取ってくれるものですよ。
オーディオブックのおすすめのサービス
オーディオブックを聞こうとしたときに、現段階でおすすめのサービスは「Audible」と「audiobook.jp」の2つです。
一番効率のよい方法は、僕の考える限り、以下の通りです。
- まずはAmazon Audibleの30日間の無料体験でオーディオブックの感覚を掴む(トライアル中に解約すれば料金は一切かかりません)
- Audibleを解約し、 オーディオブック配信サービス - audiobook.jp に乗り換え。あとは自分の好きな作品を聴く
Audibleはどちらかと言うとエンタメや洋書が多く、audiobook.jpは古典やビジネス書などが多い印象です。どちらが自分にあっているかは、各個人で判断してみてください。
僕は オーディオブック配信サービス - audiobook.jp をかれこれ1年以上——10冊ほど購入して——使ってますが、やっぱりオーディオブックの気楽さは紙の本にはないものですね。
ビジネス書の中で「必読書」と呼ばれる古典っぽい本って分厚くてとっつきにくいイメージがあったんですが、オーディオブックとなるとけっこう平気で読めちゃうんですよ。
「本を読みたい気持ちはあるんだけど、月に1冊も読めてないんだよなあ……」という方は、ぜひオーディオブックを試してみてくださいね。