最近、仲のいい女の子から「友達と同じ人を好きになってしまったのだけれど、どうすればいいと思う?」という甘酸っぱい相談を受けました。本当にありがとうございました。
僕は、夏の終わりになると決まって「既視感」が多くなります。夏の疲れか、はたまた過去の強い記憶が要因になっているのか、原因は分かりません。
そして、ふと考えるのです──。
「もしも、今の僕が、人生をやり直すために未来からやってきたのだとしたら?」
これは「人生」についての話です。
今やり直せよ。未来を。
僕には、ずっと忘れられない言葉があります。
きっとお前は10年後に、せめて10年でいいからもどって、やり直したいと思っているのだろう。今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後から戻ってきたんだよ今。
元ネタは「2ちゃんねる」の就職板に投稿された書き込み
この言葉の元ネタは、大型掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の「就職板」に2003年10月に投稿された書き込みです。
人間は「後悔」をする生き物
決して、
「タイムマシンで過去に遡れるのしたら?」
「今の自分が体験している出来事は本当に初めてなのか?」
などという、オカルト染みたことを言いたいのではありません。
人間は「後悔」をする生き物です。自分自身、何度も自分の選択を、人生を、後悔して生きてきました。
5年前のことを振り返っては「ああ、あの子にちゃんと"好き"と伝えておけばよかった」と思ったり、つい昨日の出来事を思い出して「もっとうまく言えただろうに」と感じたり──。
きっと、いつになっても
「もっと勉強しておけばよかった」
「もっと恋愛しておけばよかった」
「もっと仕事に打ち込めばよかった」
なんて思ってしまうのでしょう。
いつだって自分が一番若いのは「今」です。まあ、それはその通りなのですが、どうにも実感が湧かないのも確かなのですよね。
「今の自分」を置き去りにしている
後悔するのは自由だし、カンタンです。しかし、残念ながら、今の科学力では「過去を改変」することはできません。タイムリープも、時間跳躍も、過去の自分にメールを送ることもできないのです。
未来を変えたいのなら、「今この瞬間から」変えていくしかない。それは分かっているのに、どうしても「過去」に目がいってしまう──。
つまり、過去や未来に心がとらわれていて、今を生きることができないんですよね。
結局、「人生について思い悩むとき」というのは、「今の自分」を置き去りにしてしまっているだけなのかもしれません。
心と体は常に一心同体
「心」と「体」は、一心同体です。いつだって、同じ時、同じ場所になくてはなりません。
今の自分は、「この時、この場所」にいますよね。ところが、「過去」を後悔したり、「未来」を悲観したりしていると、「心だけ」が過去や未来にふらっと旅立ってしまうのです。
心と体が一緒にいない状態、つまり、「今の自分」を置き去りにしてしまうことこそ、あらゆる悩みの原因なのです。
「今」を大切に生きるために
RADWIMPSの「me me she」の歌詞にもある通り、
「頭で分かっても心がゴネるの」
という状態はしょうがないのです。人間だもの。
過去の出来事や将来に対する不安、こういったもので「心」が支配されるのは仕方のないことです。
──だからこそ。
だからこそ、今を大切に生きるため、この言葉をずっと胸に刻み続けるのです。
きっとお前は10年後に、せめて10年でいいからもどって、やり直したいと思っているのだろう。今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後から戻ってきたんだよ今。
きっと、10年後の未来で、過去を後悔し、「今」に戻ってきたんです。2度目の後悔をしないように、人生を「やり直し」にきたんです。
──そう思い込んでいれば、もっと思い切って行動できる気がしてきませんか?
「過去」へようこそ
「未来」とは、結局の所「今と現在の積み重ね」であり、この瞬間の延長線上にあるものです。
とはいえ、やりたくないことを続けられるほど、人間は都合よくできてはいません。
目標やゴールを設定して行動することは大事ですが、心が「未来」にばかり旅立ってしまうと、現状の自分とのギャップに落ち込み、継続が続行不能になってしまうことも考えられます。
逆に、未来のビジョン(過去の反省なども含む)を持ちつつ、今やるべきことに集中すれば、自ずと道は拓けていくのでしょう。
「家族がバラバラの人生」をやり直すために未来からやってきたのかもしれませんし、「消極的で行動力のない人生」をやり直すために未来からやってきたのかもしれません。
はたまた、「未来で世界から消え去ってしまう友人」に会いに来たのかもしれないし、「最愛の人に愛を伝えるため」にやってきたのかもしれない──。
「未来で後悔しないために、過去で時間や人を大切にするために、"今"をやり直す必要がある」
きっと、そう思ってあなたは戻ってきたのです。神様に、
「過去には戻れます。しかし、これまでの記憶は一切消えます。それでもあなたは過去に戻りますか?」
と聞かれて、あなたはきっと「Yes」と答えたのでしょう。
そこまでして変えたかった未来とはなんでしょうか? 記憶を失ってまでやり直したかった過去とはなんでしょう。
今やり直せよ。未来を。
──と、映画『もしも昨日が選べたら』を観て思いました。