燃え尽き症候群とうつ病の違い。バーンアウトを防ぐ・治す方法

燃え尽き症候群とうつ病の違い、そして、燃え尽き症候群を防ぐ方法と治す方法をまとめます。

燃え尽き症候群とは

燃え尽き症候群(バーンアウト)は、目標を達成したり、長期間の努力を続けた結果、精神的・身体的に疲れ果ててしまう状態を指します。

燃え尽き症候群は、何かに一生懸命取り組んでいた人が、その目標を達成した後や、次の目標が見つからず、やる気や達成感がなくなってしまうことで発生します。

例えば、X(Twitter)でフォロワー数を増やすために頑張ったり、YouTubeでチャンネル登録者数を増やすために努力していた人が、ある時点で目標を達成したものの、それ以上の目標が見えなくなり、次第に「もう何もやる気が起きない」と感じるようになる──といった現象。

他にも、具体的な例としては、勉強やスポーツ、仕事で大きな成功を収めた後、その達成感の余韻が続く間に新しい目標を見つけられず、モチベーションが急速に低下してしまうことが燃え尽き症候群にあたります。

うつ病とは

うつ病は、気分が落ち込み、日常的な活動に対する興味や喜びを失う精神的な病気です。

うつ病は特定の出来事や目標の達成とは関係なく、長期的に心のエネルギーが低下し、疲れや絶望感、自己否定感が強くなります。

例えば、普段は好きだった趣味にも興味が湧かなくなり、何をしても楽しく感じられず、食事や睡眠、対人関係にも支障が出てくる──など。

うつ病は仕事や学校、家庭環境など様々なストレス要因が原因で発生しますが、明確な原因が見つからないこともあります。

燃え尽き症候群とうつ病の違い

燃え尽き症候群は、特定の目標を追い続けてその結果、エネルギーを使い果たした後に起こる状態です。

何かを一生懸命頑張った結果、その達成後にやる気が出なくなる、疲れを感じるという点が特徴。

これは、目標を持って頑張った後に「次が見えない」状態で起こるため、主にその努力に関連した感情の問題です。

一方、うつ病は、特定の目標に関係なく、日常生活全般で気分が落ち込み、何をしても楽しさや意欲を感じられなくなる状態です。

うつ病は慢性的で、仕事や趣味などの活動に関わらず、全体的に気分が低迷し続けます。

体力的な疲れというより、心の深い部分でエネルギーが欠如している状態ですね。

もちろん、燃え尽き症候群とうつ病を併発することもあります。

燃え尽き症候群を防ぐためには?

燃え尽き症候群を防ぐためには、次のようなことを心がけると良いとされています。

1.小さな目標を設定する

燃え尽き症候群は、大きな目標を達成した後に次の目標が見えなくなることで起こりがちです。

そのため、日々の中で達成できるような小さな目標を設定し、それをコツコツとクリアしていくことで、自分のモチベーションを維持することができます。

例えば、「今日は3つの投稿をしよう」「次の動画はクオリティを少し上げてみよう」といった具合に、小さな成果を積み重ねていくと、大きな目標を達成した後も次のステップが見えてきます。

要するに、目標のハードルを下げて、日々、前に進んでいる実感が得られるように工夫するということですね。

2.休息を取る

何かに集中して努力を続けると、体や心が疲れきってしまうことがあります。そのため、適度な休息やリラックスの時間を持つことが大切です。

燃え尽き症候群は、休む間もなく全力で突っ走ってしまうと起こりやすいので、頑張る時とリラックスする時をバランスよく取ることが重要と言えます。

とはいえ、燃え尽き症候群になってしまうような人は「休息=サボり」と感じてしまう傾向にあるので、少しずつ「休息だって大事な時間」と思えるように努力してみてください。

3.自分を労わる

自分の頑張りを認めて、感謝することも大切です。

「よく頑張ったね」と自分に言ってあげることで、無理をして次の目標に急いで進もうとせず、今の自分を受け入れることができるようになります。

しかし、自分を労わること──つまり、セルフ・コンパッションは言うほど簡単ではありません。

『ありのままの自分を受け入れることができたら、もっと楽になるのに』

そう思っている方は、ぜひこの機会にテクニックとしての「自分にやさしくする」を学んでみてください。

僕もまだ訓練中ですが、日常生活においても実践できるマインドフル・セルフ・コンパッション ワークブックは特におすすめです。

    燃え尽き症候群を治すには?

    もし燃え尽き症候群になってしまった場合、以下の対策を試してみましょう。

    1.新しい目標を探す

    燃え尽き症候群は、達成感がなくなり次の目標が見つからない時に発生します。

    新しいことに挑戦したり、自分が興味を持っている分野で小さな目標を設定することで、少しずつやる気を取り戻すことができます。

    たとえば、今までの目標と少し違う分野や新しい趣味に挑戦するのも良い方法でしょう。

    あるいは、何も目標のない時間を活用して、自分ととことん向き合ってみる──自己理解を深めてもいいかもしれません。

    2.無理をしない

    「すぐに次の目標を見つけなくてはならない」と焦ることなく、しばらく休んだりリフレッシュすることも重要です。

    心と体が回復する時間を与えることで、自然とやる気が戻ってくることがあります。

    とはいえ、休んでいるときは、退屈で、不安や焦りに襲われることもあるでしょう。

    そういったときは、感情を否定せず、「自分は不安や焦りを感じているんだ」と一度認めることを意識してみてください。

    「ディフュージョン」で感情とストーリーを切り離す方法も参考になると思います。

    参考:先延ばしの原因である「ネガティブ感情」の対処法

    3.サポートを求める

    燃え尽き症候群に陥った時は、誰かに相談することも大切です。

    家族や友達、あるいはカウンセラーなど、信頼できる人に自分の気持ちを話すことで、心が軽くなり、新しい視点が得られることもあります。

    僕のおすすめは、とりあえずChatGPTなどのチャット型のAIに相談することですね。

    自分の中にあるモヤモヤをなんとか言語化して吐き出すだけでも楽になります。

    もし言語化が難しいというのであれば、AIに「モヤモヤの正体を知りたいから、私にいくつか質問して、それを突き止めて」とでも言えばよいです。

    あとは質問に答えていくだけで、なんとなく形が見えてくると思います。

      まとめ

      燃え尽き症候群とうつ病は似ている部分もありますが、根本的に異なる状態です。

      燃え尽き症候群は特定の目標を達成した後の空虚感や疲労感から来るもので、これを防ぐためには日々小さな目標を設定し、コツコツと習慣を続けることが大切です。

      燃え尽きてしまった場合は、新しい目標をゆっくりと見つけたり、無理せず自分を労わることを意識してみてください。

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