うつを経験していると、その期間を「無駄だった」と感じてしまうことがあるかもしれません。でも、それは決して無駄な時間ではないんです。
この記事では、うつの期間をどんな風に捉え、どんな考え方や取り組み方で少しずつ前に進んでいけるかについてお話ししていきます。
人生の「無駄」じゃなかったと捉える考え方
うつの期間を「無駄だ」と感じるのは、多くの人が抱く自然な感情です。僕も同じように感じたことがあります。しかし、振り返ってみると、その間に内面的にどれだけ成長したかに気づきました。
以前は自分の感情に振り回されてばかりでしたが、うつを通して「感情を受け入れる」力がついたように思います。
他人の痛みに共感できるようになったり、自分自身をより深く理解できるようになったりと、確かに成長がありました。
もしあなたも「無駄だった」と感じているなら、一度別の視点から自分の経験を見直してみてください。うつを経験したことで得た成長や気づきに目を向けることで、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
リフレーミング:視点を変えてみる
僕が役立てたのは「リフレーミング」、つまり物事の捉え方を変えることでした。うつの経験を「ただの辛い時間」ではなく、「自分を成長させてくれる機会」として見ることで、前向きな気持ちになれたんですよね。
具体的には、日常で「失敗した」と感じたとき、それを「学ぶチャンス」として捉えるようにしてみたり──。また、「今日は何もできなかった」と思う日も「今日は休むことができた」と捉え直してみることで、自己肯定感が少しずつ高まるのを感じました。
毎日寝る前に「今日良かったこと」を3つ書き出す習慣をつけるのもおすすめです。「少しでも散歩に出られた」「友人と少し話せた」など、小さな成功を見つけることで、少しずつ自己肯定感を取り戻すことができます。
他人と比較しない:自分のペースに目を向ける
うつから回復する途中で、つい他人と自分を比較して「自分は遅れている」と感じることがあるかもしれません。しかし、他人と比較することは自分にとって消耗する行為でしかありません。大切なのは、自分のペースで進むこと。
「自分は自分のペースで進んでいる。それでいいんだ」と毎日自分に言い聞かせることを習慣にしてみてください。日々の小さな成長を日記やアプリに記録して、「昨日の自分よりちょっとだけ前に進んだ」と感じられることが、あなたの励みになるはずです。
比較の相手を「過去の自分」に
僕自身、他人ではなく過去の自分と比べることを意識しました。数年前の自分と比べて、どれだけ成長したかを振り返るようにしました。「以前はこんなことでも不安になっていたけれど、今は乗り越えられる」とか、「前は外に出るのも大変だったけど、今は散歩が楽しめる」といった小さな進歩を感じることが、自己肯定感につながっている気がします。
また、周りの人の成功を「競争」と捉えるのではなく、「学びのチャンス」としてみることもおすすめです。他の人から学べることがあれば、それを自分の成長に活かしていきましょう。
自分を労わるための具体的な取り組み
うつから回復するためには、心のケアが欠かせません。いくつか日常生活に取り入れられるケアの方法を紹介します。
セルフコンパッション(自分に優しくすること)
まず、自分に優しくすることがとても大切です。自己批判ではなく、自分に優しい言葉をかけてみてください。「こんな状況の中でも頑張ってきた自分、よくやってるよ」と、自分を認めてあげることが大切です。具体的には、毎日鏡の前で「今日はよくやった」「今の自分で大丈夫」と自分に声をかけてみると良いでしょう。
セルフコンパッションのやり方・実践方法|現代における自己ケアの重要性とは
マインドフルネスや瞑想
マインドフルネスや瞑想もとても効果的です。僕自身、過去の失敗や未来の不安にとらわれていましたが、瞑想を通じて「今この瞬間」に集中することを学びました。朝や寝る前に10分間深呼吸をしながら「今」に意識を向けることで、少しずつ心が軽くなるかもしれません。
マインドフルネス瞑想の効果的なやり方と実践方法|心身のリラックスとストレス軽減ガイド
新しい目標を立てて少しずつ前に進む
うつを経験したからこそ、これからは「心の健康」を大切にしながら少しずつ進んでいけます。小さな目標を立て、それを達成することで成功体験を積み重ねるのが大事です。
小さな目標を立てることから始めよう
例えば「毎日10分散歩する」「好きな本を読む時間を取る」など、簡単に達成できる小さな目標から始めてみましょう。それを達成することで、「自分は前に進んでいる」と感じられるようになります。また、日記に自分の進歩を書き記すと、後で振り返ったときに自分の成長を実感できます。
最後に:自分のペースで進むことの大切さ
うつを経験したからこそ、今のあなたがあります。その経験は決して無駄ではなく、あなたの一部です。そして、その経験から得た知見や強さが、これからの人生を豊かにしてくれます。焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。少しずつ、自分にとって心地よい人生の形を見つけていけることを願っています。