「人生をロールプレイングゲーム化できれば、人生イージーモードになるんじゃね?」といった思考法のことを、俗に「ゲーミフィケーション──ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用すること──」と言います。
ゲームというのは、世界中の頭のいい人たちが「どうしたらユーザーに集中してゲームを遊び続けてもらうことができるだろう?」と脳みそをこねくり回して完成させた努力の結晶なので、当然そこには「行動を続けるためのヒント」がたくさん詰まっています。
人生も、この「ゲームに隠された中毒性」を上手く利用できればレベルアップできるはず──。
というわけで、今回は「人生RPG化してハッピーエンドを迎えたい勢」の僕が、人生イージーモードにするシンプルな7つの習慣を紹介していきます。
RPG(ロールプレイングゲーム)の中毒性はどこから来るか?
まず初めに、ゲームのどんな要素が面白さを生み出しているのかを簡単に考えていきます。超シンプルにまとめると以下の3つにまとめられそうです。
- 行動が細かく記録される
- やることが明確になっている
- 競う相手・頼れる仲間がいる
行動が細かく記録される
自分の能力値や経験値が数値化されていること──これは大きなポイントですね。成長の度合いも分かり、数値が増えることに快感を覚えるので行動にもつながりやすい。
もしゲームからあらゆる数字を取り除いたらこの世のすべてのゲームは間違いなくクソゲーに成り下がることでしょう。つまり、数値化は数ある要素の中でダントツ重要だということです。
やることが明確になっている
ゲームは基本的にストーリーがあり、道順が決まっています。次に取るべき行動が明確になっているので、作業と作業の合間に悩む暇がありません。
競う相手・頼れる仲間がいる
自分一人でゲームを楽しむ場合でも、ライバルやパーティメンバーがいることで行動促進の効果が高まります。
格ゲーやレースゲーでも強い相手──コンピュータでも世界のどこかの誰かでも──と対戦すると白熱しますよね。それと一緒です。
人生イージーモード化!習慣化するためのヒント
RPGの中毒性の秘密を考えることで、少しずつ「行動を続けるためのヒント──習慣化のコツ」が見えてきました。
要は、自分の行動を可視化できて、やることが明確になっていればよし、競う相手や一緒に頑張る仲間がいればなおよし、といったところでしょうか。
では、早速これらのヒントを基に「人生イージーモードにするシンプルな7つの習慣」を攻略していきたいと思います。
人生イージーモードにするシンプルな7つの習慣
人生イージーモードにするシンプルな7つの習慣は以下の通りです。独断と偏見で選んだ習慣になりますが、これらを続ければ間違いなく人生イージーモード化待ったなし。
- 早起きをする
- こまめに水分補給する
- 5分間の瞑想をする
- 朝20分の運動をする
- 日記をつける
- 行動記録をつける
- 計画を立てる
いわば、人生の上位ランカー──どこかの企業のCEOや社長など──がやっている習慣だらけなので、それを真似すれば必然的にレベルアップすること間違いなしです。
早起きをする
「起きてからの1時間がその日の方向性を決める舵」だと言っても過言ではありません。最初の1時間をダラダラ過ごしてしまうと、その日丸一日、調子がダメになってしまいます。
朝は一日のうちでもっとも集中力や意志力がある時間帯なので、新しい習慣を取り入れる場合も、重要な仕事に取り掛かる場合も「朝」にやったほうが確実に成果につながるはずです。
交通事故がもっとも起きやすい時間帯は仕事終わりの17~19時と言われていますが、このことからも分かる通り、人間は夕方以降になると脳が疲労状態に陥ってしまい、正常な判断ができなくなってしまうんですね。
夜は早く寝る
朝早く起きるためには、まず前日の夜に早く寝ておく必要があります。耳栓などを活用して、睡眠の質の向上に努めましょう。睡眠時間は7~8時間はおさえておきたいところですね。
早起き実践の人生上位ランカー勢
- スターバックスCEO「ハワード・シュルツ」毎朝4:30
- Amazon元CEO「ジェフ・ベゾス」毎朝5:00(睡眠時間8時間)
- Twitter会長「ジャック・ドーシー」毎朝5:30(睡眠時間7時間)
- AppleCEO「ティム・クック」毎朝4:30(睡眠時間7時間)
みんな早すぎィ!
いきなり「よし、明日から5時半起きにしよう!」と思っても無理ゲーなので、一週間ごとに30分、もしくは15分ずつ早く起きるようにすると習慣化しやすそうですね。
こまめに水分補給する
人体の60%は水でできているので、こまめな水分補給はマスト。眠っている6~8時間は身体が軽い脱水症状になっているので、特に「朝はコップ1杯の水を飲む」習慣は早めに持っておきたいところです。
実は、脳だけに限って言えば、およそ80%が水なんですよね。イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究によると、知的作業に集中する前に約0.5リットルの水を飲んだ人は、飲まなかった人と比べて、14%反応時間が速くなることがわかっています。
水分が不足すると疲れやすくなりますし、集中力や決断力も衰えがちになります。できればすぐ水が飲めるように常にミネラルウォーターを近くに置いておきたいですね。
僕はいろはすの2リットルを定期的に箱買いして飲んでいますが、習慣を身につける前に比べて明らかに身体の調子がいいです。ミネラルウォーターは一度開封すると2~3日しか持たないので、その点がかえって、こまめな水分補給のために役立っている節もあります。
5分間の瞑想をする
瞑想にはストレスや痛みを和らげ、集中力を高める効果があります。5分だけでも効果があるので、休憩の合間に積極的に取り入れていきたいですね。
方法は簡単。背筋を伸ばしてあぐらを組み、呼吸に集中するだけです。
ここでは詳しい説明は省きますが、瞑想のやり方などについてはYouTubeやネットで大量の情報が見つかるので別途参照してみてください。
DaiGoさんの「自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス」を読むか、YouTubeで本の要約を探すなどすると瞑想の全体像が見えてくるはずです。
毎朝20分の運動をする
イリノイ大学の研究によると、毎朝運動をしている人は、そうでない人に比べ「活動的でポジティブな思考」を持つ傾向にあります。
運動をすると認知能力を高め、集中力や注意力も上げてくれる脳内物質「ドーパミン」が分泌されるので、朝20分軽いウォーキングを20分行うだけでも頭の冴えが向上する可能性が高いです。また、抗うつ作用を持つ「セロトニン」や気分を高めてくれる「ノルアドレナリン」も分泌されるんですね。
『でも、習慣化できなきゃ意味ないんでしょ?』
──そう、運動が身体と脳にいいのは分かっているけどなかなか習慣化できないのが悩ましいポイント。でも実は、習慣化できなくても効果があるんです。
ペンシルベニア州立大学が運動の研究によると、当日運動するだけで効果があるということが分かっています。
つまり、明日の朝に20分軽い散歩をするだけで、その日一日、運動の効果が得られ、上記に記したメリットはもちろん、欲求や衝動に対しても冷静な対処が可能になるわけです。
習慣にできることが一番いいのですが、パッと思いついたときに実行して即、効果が得られるのはうれしいポイントですね。
日記をつける
日記は現在直面している問題を可視化できたり、日々の成長を客観的に観察できたりと非常にメリットの多い習慣です。これも朝にやると続きやすいですね。
僕は「ずっとやりたかったことをやりなさい」に出てくるモーニングページを朝の習慣にしていますが、やる前に比べて心の平穏度がアップした気がします。
人生は控えめに言って、本ストーリーに関係のない雑多な情報が溢れすぎているので、とにかく頭の中のことをすべて書き出し、一旦脳みそをリセットした状態で一日を始める必要があります。
日記をつけ、頭をクリアにすることで、自分の本来やりたかったことや願望、目標などがだんだんと見えてくるようになるはずです。
【習慣化】モーニングページの効果的な書き方と5つのメリット【心のデトックス方法】
行動記録をつける
ゲームのやる気の源は、脳から分泌される「ドーパミン」という脳内物質によってもたらされています。
敵を倒したら経験値がアップする、などの期待感からドーパミンが放出され、やる気が出てくるんですね。
よく勘違いしてしまいがちなのですが、ドーパミンの分泌量は報酬そのものの大きさではなく、期待値に対する大きさに応じて増えます。
つまり、半年後や1年後など、報酬が遠すぎる場所にあると行動が続かないんですよね。
行動を続けるためには、目標設定はできるだけ近く、小学生でもできるレベルに細かく分解したタスクを設定し、行為自体を報酬にすることが肝心です。
そのための行動記録というわけですね。「行動記録」は前に進むための推進力を生み出す習慣に、そして前項の「日記」で脳と心のデトックスを担う習慣になります。
カイザーパーマネンテの研究によると「食事日記をつけるとダイエットの減量が2倍になる」という結果も出ているので、記録が持つパワーはすでに実証済みです。
今気になっているのは、勉強嫌いの私が1年で3000時間勉強して京大に合格した「ぬり絵勉強法」ですね。マスを色で塗りつぶしていくだけの簡単メソッドですが、シンプルゆえに効果を期待できそうです。
計画を立てる
人生をイージーモード化するためには良い習慣を持つことが絶対条件だと思われますが、なかなか習慣化の道のりは厳しいものです。
行動が続かない原因のほとんど──およそ80~90%は「計画の立て方」に起因していると言っても過言ではありません。要するに、どこへ向かうかというマップ表示が曖昧で、どこに進むべきかわからなくなってしまっているんですね。
順序が定まっていないと必然的に「次に何をするか?」を考える時間が増え、思考が停滞──集中力が途切れる原因となります。
そこで取り入れたい方法が「アイビー・リー・メソッド」です。たった6ステップで日々の行動を効率化できます。
- 夜、紙に「明日やること」を6つピックアップ
- 重要だと思う順番に番号をつける
- 翌日メモの順番に沿って作業をすすめる
- ぜんぶできなかった場合でも「悔やむことなく」忘れる
- その日の夜も「明日やる6項目をピックアップ
- 1~5を毎日行う
実にシンプルですよね。項目を書き出すのは紙でもいいですが、持ち運びができるホワイトボードを使うとデスクの上に常に置いておけたり、消す・書くなどの作業がスムーズにできますよ。
決断には大きなエネルギーが必要!着る服を制服化(ワーク・ユニフォーム)しよう
コロンビア大学ビジネススクールの教授シーナ・アイエンガー氏が行った実験によると、人間にとって最適な選択肢の数は「5~9(7±2)」だそうです。
選択肢が多すぎると「選ぶ」という行為によってエネルギーを消費してしまい、その後の行動が続きづらくなってしまうんですね。
仕事ができる人の多くは日々の選択をできる限り減らし、いつでも重要な決断のためにエネルギーを温存しています。
着る服を制服化する「ワーク・ユニフォーム」の考え方がもっとも分かりやすい例と言えるでしょうか。
- ヒラリー・クリントン:パンツスーツ
- マーク・ザッカーバーグ:黒かグレーのパーカー、グレーのTシャツ
- スティーブ・ジョブズ:黒のタートルネックにジーンズ、そしてスニーカー
ヒント:ピア・プレッシャー(同調圧力)を活用する
自分の部屋で勉強しようとしても集中できないのに、カフェだと集中できる──といった経験は誰しも一度ぐらいは経験したことがあるのではないでしょうか?
これはピア・プレッシャー、日本語だと同調圧力が関係していると言われています。自習室や図書館では基本的に周りの人たちは静かに勉強しているので、自然と「自分も勉強しなきゃ」という思考が働きます。結果、自室よりも格段に集中度が向上するんですね。
つまり、散歩を習慣化させたいならできるだけ散歩をしている人が多い場所・時間帯を狙ったり、読書は図書館やカフェでするようにしたりするとピア・プレッシャーの効果によって行動を継続しやすくなるというわけです。
習慣化のコツとは?
以下の記事が参考になります。
脳科学から学ぶ「習慣化するコツ」を超わかりやすく解説|おすすめの本とアプリも紹介
以下の本も参考になります。
やらないことリストを作ることの3つのメリット
やらないことを決めるというのは非常に重要なポイントです。
投資の神様と言われているウォーレンバフェット氏も、マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問であるビル・ゲイツ氏も、成果を出す秘訣は「フォーカス(集中)だ」と話しているぐらいなので、やることを絞るというのは本当に大切と言えるでしょう。
以下の本が参考になります。